第十二話 地方在住神主が転生してメタバース空間の女子高生になった件(Daisy編②)
「見つけた!!二人とも、ちょっと聞いてくれ……!!」
ーー
たまらなく家族に会いたくなり気づいたら先ほどまでいたラーメン屋から飛び出し走っていた。
子どもが3人もいると大抵寝る際は誰かに蹴られるし、腹や胸や頭の上にまで容赦なくのしかかられる。寝苦しくて嫌になることもたびたびあるけれど今はその感覚が恋しい。
むちむちした手足を触りながら乳臭い寝息を嗅ぎながら眠りにつくあの感覚をまた味わいたい……そう思うと自然と涙が出てきた。
無心で走り続け、方向音痴な自分が奇跡的に渋谷