第二話 青果市場の従業員が転生してメタバース空間の女子高生になった件(Azusa編①)
朝起きたら自分以外の誰かに生まれ変わってますように。
そう願いながら眠りにつくのがイイダアズサの毎晩の日課だ。小学生ぐらいの頃からなんとなくそうしていた。東京に上京し青果市場に就職した今も変わらない自分の中の儀式。
「なんだこれ」
朝起きたら渋谷のような街にいて
自分は……可愛らしい女子高生になっていた。
仕事でヘトヘトになり気絶するかのように眠りについたのが記憶の最後。なので前触れや心当たりは特になかったように思う。
夢に出てきた狐のお面の女子高生以外は。
何はと