【年末】徳島 鳴門 アオアヲナルトリゾート|振り返り✈️羽田-徳島1名往復0(ゼロ)円旅の記録
今回は書き溜めたトラベルノートの18話目。
2022年12月の年末に徳島の鳴門に妻と旅行に行ったときの話を記録していきます。
今回のトラベルノートの中でタクシーに乗った時に運転手さんから聞いたエピソードの話がありますがもう少し深堀しておきます。
皆さんは鳴門市のことをどのくらい知っていますか?もちろん地元の人や、一度でも訪れた事のある人であれば常識なのかもしれませんが、正直私たち夫婦は、今まで鳴門市には一度も訪れたことがなくて、言葉として知っていたのは鳴門の渦潮くらいなもので、訪れる前は知識ゼロの状態でした。
単に「さま~リゾート」で紹介されていたアオアヲナルトリゾートが良さそうなホテルだなという理由で訪れただけでした。
旅の始まりに私たちが乗ったタクシーの運転手さんから、初めて多くの興味深い話を聞いて、その良さと凄さに気が付いたのでした。そういう意味ではこの運転手さんは私たちにとって鳴門市の観光親善大使のような存在だったと言えます。おそらく観光タクシー等もされているとのことだったので慣れた口ぶりで饒舌に土地のことを詳しく教えてくれました。
運転手さんは米津玄師さんをタクシーに乗せたことがあるという話から紅白歌合戦で大塚美術館の陶板名画をバックに歌ったエピソードを語ってくれました。
彼の音楽が故郷に根ざしていることを強調し、大塚美術館と、もはや、芸能界で押しも押されもせぬ存在になった鳴門出身の米津玄師さんが国民的番組のNHK紅白で放送されたことは昔からの地元民として相当な心の高ぶりがあった、周りの人もそうだったと熱っぽく話していて、なんだか猛烈に羨ましく思いました。
この話を聞くまではもちろん米津玄師さんが鳴門出身であることも、大塚美術館の「大塚」は大塚製薬の大塚だということも知りませんでした。
大塚美術館は1990年に開館され、周囲の山を切り崩してビルを建てその後、入り口部分だけを残して埋め戻したというユニークな構造を持っているそうです。ここでは約1,000点以上の名画が「陶板」で再現されていて、色合いや質感が忠実に再現されています。なぜ名画を陶板で再現したのかについては、次のようなエピソードを話していました。「沈没した船の荷物を数百年後に引き揚げたところ、陶磁器類は昔のままの色と姿で残っていた」という事実から、陶板であれば1,000年、2,000年経ってもそのままの姿で残るに違いないという発想が生まれ、陶板を用いた作品を数多く手掛け、大塚美術館が作られたのです。相当な一大プロジェクトですね。私は、大塚製薬という会社をオロナミンCやポカリスエットのメーカーとしてしか知りませんでしたので、このような美術館を作ったことに非常に驚きました。それが鳴門の企業だったことにも驚きました。
そのほかにも大塚美術館で片岡愛之助さんが歌舞伎公演を行った時に乗せたことがあるとも話してくれました。大塚美術館の素晴らしい空間での歌舞伎公演やコンサートは、今や興行業界では定番の開催場所の1つになっているそうです。音響の面でも優れているとか。
でも、実は一番印象に残っているのは、観光名所とは無関係ですが運転手さんが三回見たと言っていた、2021年に起きた珍しい火球という自然現象で、確かにおぼろげな記憶で各地で火球が観測されたというニュースが聞いたことがあったことを当時思い出しました。後で気になって調べると主に四国地方で集中して観測されていたそうです。
四国では火球現象が特に見られやすいようで、運転手さんが三回見たというのも頷けます。
タクシーの運転手さんから聞いたこれらの話は、初日だったので私たちの鳴門旅行をより一層感慨深いものにしてくれました。また近く鳴門を訪れたいです。
今回のサムネイルは米津玄師さんが2018年の第69回紅白歌合戦で歌ったとされる大塚美術館のシスティーナ・ホールにいった時に撮った写真を使用しました。それでは本編をどうぞ。
2022年12月29日 (木) まずは海鮮バーベキューから。
昨日は仕事納めの日だったが、一日中気の滅入るようなことに付き合わされ、すっかり生命力を奪われた。ずっと「早く家に帰りたい」とぼやきながら過ごし、定時に駆け込むようにして帰宅すると、妻がガイドブック顔負けの素晴らしい旅のしおりを作って待っていてくれた。たくさん旅の話をしたかったのだが、あまりにもエネルギーを吸い取られていてガス欠状態で、せっかく張り切っていた妻をがっかりさせてしまった。今日からは、妻のことだけを考えて過ごそうと心に決めた。
起きてまず、妻が作ってくれたガイドブック(旅の栞)を印刷することから始めた。栞を現地でも見やすいようにトラベルノートに貼り付けて、それから物置からキャリーケースを出し、パッキングの準備を始めたところで妻も起きてきた。今夜の夕食について話をして、効率を考えた結果、ホテルで夕食を取るのが良いだろうということになり、妻がホテルのビュッフェを予約しようと電話をかけると、なんと満席だった。もう一つのプールサイドのバーベキューディナーも満席で、これほど混んでいるとは思っていなかったので驚いた。翌日の夕食なら予約できるとのことで、急いで翌日の予約を入れた。夕食難民にならないよう、翌日以降に行く予定だった「福丸水産」に今夜の夕食を19時で予約。人気店で混雑時には行列ができるらしいので心配だったが、無事に予約が取れてほっとした。
パッキングをぼちぼち進めていると、気がつけば昼近くになっていた。クリスマス用に買ったアボカドとバジルの葉が残っていたので、年越しまではもたないと思い、バジルソースとパルミジャーノチーズを使ってジェノベーゼスパゲティを作ることにした。初めて作ったわりにはとても美味しくできて、妻も喜んで食べてくれた。パッキングも無事に終わり、予定通り13時頃に出発。妻によると、保安検査場が非常に混雑しているので早めに行くように、というメールがここ数日JALから何通も届いていたとのことだったので、モノレールも混んでいるのかと身構えていたが、意外と空いていてスムーズに空港に到着した。
JALグローバルクラブ専用のチェックインカウンターで手続きを済ませ、待たずに保安検査場を通過してサクララウンジへ。そこそこ混んでいたが、座れないほどではなかった。ビールを2杯飲み、妻はトマトジュースやコーヒーを飲みながらあられをつまんでリラックス。搭乗時間になり4番ゲートへ向かった。機内は満席だったものの、両脇が2列シートのタイプだったので、トイレに立つときなど隣を気にする必要がないのが快適だった。出発も遅れることなく、順調にフライトが始まった。
機内でWIFIにスマホを接続し、Googleマップで現在地を表示して妻に渡した。妻は下の地形と見比べながら、興味深そうに画面を眺めていた。フライトは1時間程度で、あっという間に徳島阿波踊り空港に到着。
妻が送迎を予約してくれていたので、迎えの時間まで約20分の余裕があった。セキュリティエリアを出たところにCoke ONの自販機とセブンイレブンがあり、ホテル近くにはコンビニがないという事前情報もあったため、Coke ONを使ってお茶やコーヒーを購入。さらに、少しのお菓子(東京ではもう買えないカールのチーズ味も)、そして2リットルの緑茶も手に入れて準備万端にした。
待ち合わせの出口付近に戻ると、さっきまで人でごった返していた場所が、一瞬でがらんとしていて、何事があったのかと驚くほどだった。外にはタクシーもなくなっていて、不安になり妻にホテルへ電話してもらうと、待ち合わせ時間ぴったりに迎えが来るので、セブンイレブン前あたりで待つようにと言われたとのことで一安心。ほどなくして、ホテルのプラカードを持ったスタッフが前を通り過ぎ、建物の出口に向かっていったので慌てて声をかけた。迎えのバンに乗り込み、出発。結局、利用者は自分たちだけだった。もっと近いかと思っていたが、実際には30分ほどかかり、アオアヲナルトリゾートには18時頃に到着した。
エントランスからフロントへ進むと、ホテルの雰囲気がさまリゾで見たイメージそのままだった。鳴門金時のUFOキャッチャーもあった。
チェックインもスムーズで、宿泊プランや館内の案内を記載した紙に時間などを書き入れながら、スタッフが一つずつ丁寧に説明してくれたのでとても分かりやすかった。20時40分と55分から「阿波踊り公演」が無料で開催されるとのことで、整理券が必要だという。券売機(無料の)で55分からの整理券を入手。これで席も確保できて安心だ。そういえば、昔高円寺に住んでいた頃、夏になると阿波踊りが行われていたのを思い出した。たしか「東京高円寺阿波おどり」というイベントだったと思う。
夕食まであと1時間ほど。タクシーは鳴門駅あたりから来るため時間がかかるとのことで、早めにフロントで18時40分に予約を入れてもらい、部屋へ向かった。荷物を広げる前に部屋の写真を撮り、ちょうどよい時間になったので玄関に行くと、すでにタクシーが到着していた。運転手さんは「米津玄師がこの後部座席に乗ったことがあるんだよ」とか、「愛之助も乗った」といった有名人エピソードや、「去年、火球爆発を三回見た」といった興味深い話をしてくれた。運転手さんの悪気のない自慢話を聞きながら、福丸水産へ向かう。
タクシー代は1940円。夕飯時の混雑を予想していたが、到着してみると「営業しているのかな?」と思うほど静かで、店内には地元のファミリーが一組だけだった。水槽にはさまざまな魚介類がいて、貝類もたくさんの種類が並んでおり、どれを食べようか迷った末に、貝類の盛り合わせ(クルマエビ2尾入り)5000円と、中サイズの伊勢海老2尾(665g)9000円を注文。
伊勢海老は焼き物と味噌汁にしてもらい、妻がご飯も食べたいというので白ご飯もお願いした。
案内されたバーベキュー席には意外にも他の客が一組だけで、とても静かだった。
席について生ビールを一杯注文。店員が伊勢海老を金網にドカンと置き、上から四角い金属の箱のような蓋をかぶせた。伊勢海老が火にあぶられて蓋の中で暴れ、やや残酷な感じもするが、食べるためには仕方がない。
伊勢海老を焼く間に貝類も金網に並べる。ハマグリやサザエ、牡蠣はおなじみだが、見慣れない貝もいくつかあり興味深い。小さめの伊勢海老の半身が入った味噌汁が運ばれてきた。一口飲むと、昨年白浜で食べた味噌汁を思い出したが、こちらには名産のわかめが入っていて風味が違う。手を使わないと身が取れないが、しっかりした身がたっぷり入っていて満足感がある。伊勢海老の焼き上がりを知らせるタイマーが鳴ると、店員が来て、伊勢海老を縦に真っ二つにハサミで切り開き、再び蓋をしてもう少し焼く。味噌が固まったら食べごろとのことなので、しばし待つことにした。
いよいよ味噌が固まったのを確認し、蓋を開けて伊勢海老をいただくことに。
貝類もいい感じに焼けている。店の一角には塩や醤油、レモン汁、ポン酢、わさびなどさまざまな調味料が揃っていて、自分好みに合わせてタレを調合できる。まずは塩で味わい、その後は醤油やポン酢などを試しながら堪能。すっかり指先が魚介の香りで満たされるほど楽しんだ後、ホテルへ戻ることに。帰りのタクシー代は2040円。タクシー代込みで約2万円の食事は決して安くないが、それだけの価値があり、大満足の夕食だった。
ホテルに戻ると、ちょうど「阿波踊り講演」が始まる時間になっていた。部屋に戻ることなくそのまま会場へ向かうと、前の回が終わったところで、続々と人々が外に出てきた。どうやら大盛況のイベントのようだ。混雑しているため2部制になっており、入場すると、一番前の席を確保した。会場は舞台のある小宴会場のような場所で、いよいよ始まった。司会を含めたホテルの従業員からなる「アオアヲ連」という阿波踊りのチームが演技を披露する。地元徳島の阿波踊りは大きな文化活動として「連」というチーム単位で地元の阿波踊り協会などに登録されていると司会者が説明していた。ちなみにその司会者は、さまリゾでアオアヲナルトリゾートの紹介の際に阿波踊りを踊っていたところを見かけた人だった。踊り手たちはみんな一生懸命で、うまい人の中にまだ熟練していない人も混ざっていて、なんとなく微笑ましい雰囲気が漂っていた。
妻も楽しそうに鑑賞しており、見終わった後には「私もやりたくなった」と言っていた。
部屋に戻って浴衣に着替え、温泉へ向かった。温泉は8階と1階にあり、1階は露天風呂、8階は展望風呂とのことだったので、初回は8階の展望風呂に行くことにした。去年の白浜で何度も温泉に入ったおかげで、妻の腿のカサつきが消えたことを思い出し、今回も湯治のように何度も温泉に浸かることを楽しみにしていた。タオルは部屋から持っていくのではなく、風呂場で何枚でも使えるのが良かった。外は暗くて何も見えないが、きっと海に面しているので、朝日が昇ると気持ちがいいだろうと想像しながら湯に浸かる。男湯は人もまばらで、夕食の予約が取れないほどの混雑とは思えなかったが、男は温浴時間が短いからかもしれない。女湯はそうではないだろうと考えながら部屋に戻ると、案の定、妻は女湯が混んでいたと言っていた。明日は何をしようかと話しながら就寝した。
2022年12月30日 (金) 自転車で大鳴門橋に登る
妻の旅の栞によると、今回のパッケージツアーには「プレミアムブレックファースト」という通常の朝食とは別の無料朝食特典が付いていることがわかった。フロントで確認したところ、朝食をいろいろ試したい人は、その朝食特典と通常の朝食の両方を体験しても良いという。これは試さずにはいられないと思い、7時にプレミアムブレックファーストを予約し、朝食のはしごをすることに決めた。温泉に入ることを考えると、結局起床は5時30分となった。果たして起きられるのか不安だったが、昨日寝る前に「絶対起こしてね」と妻が言っていたので、いつもとは違う気迫のようなものを感じていた。そのため、目覚ましが鳴ったときには少し無理やり起こしてしまった。妻もおそらく覚悟していたらしく、抵抗もさほどなく、予定通り5時30分に起床できた。外はまだ薄暗い。
早速、栞の予定に従って1階の露天風呂へ向かうことにした。寝起きだったため、早朝の露天風呂は恐ろしく寒く感じた。しかし、身体を洗い湯船につかると、しばらくしてちょうどよい状態になった。いつもは耐えきれず5、6分で出てしまうのだが、今回は20分ほど浸かっていた。
身体も芯から温まり、外に出ても心地よいくらいの寒さになった。部屋に戻ると、程なくして妻も戻ってきた。少し談笑した後、7時に予約していたプレミアムブレックファースト(無料特典)のレストラン「フォーシーズン」へ向かった。
メインは3種類から選ぶタイプで、その中からやはり名産品を食べたいと思い、フレンチトーストと鳴門鯛のワイン蒸しをチョイスすることにした。
妻と半分ずつシェアして食べることにした。サイドメニューはブッフェ形式で、飲み物も一杯挽きのコーヒーやボトル入りの100%フレッシュジュースなどが用意されていた。テーブルの間隔も余裕があり、なんとなく優雅な気持ちで食事を楽しむことができた。妻はペナンのシャングリラの朝食を思い出していると言っていた。
プレミアムブレックファーストを終えた後は、朝食のはしごとして通常の朝食会場である2階のご当地食レストラン「彩」へ向かった。
しかし、やや混雑していて入場制限がかかっていた。受付前には若干人が待っている状況だった。受付だけ済ませ、待合場所にあるコーヒーサーバーからコーヒーをいただき、ゆっくり待つこと約10分。思ったより早めに順番が回ってきて、会場に入ることができた。一通り見学した後、和食中心にチョイスすることにした。焼き鯵や焼きさんま、そしてホテル一押しの「究極卵」をを選んだ。
また、一杯挽きのコーヒーメーカーにはカフェオレやエスプレッソもあり、レストラン「彩」のコーヒーメーカーが一番高級なものを使っているようだった。
食事の後、どうしようかと考えた。「温泉に行くか?それとも外に出かけるか?」いろいろと悩んだ末、無料特典の電動アシスト付きレンタサイクルで大鳴門橋まで行くことに決めた。
ちなみに通常は一回1,000円かかるらしい。二人で一路、鳴門公園に向かって走り出した。
途中、大塚美術館を過ぎると急な坂道が現れたが、電動アシスト自転車は驚くほど快適で、妻でも問題なくすいすいと山を登っていった。文明の利器に感謝しながら、妻は「でも筋肉痛になるかも」とつぶやいていて、まさに彼女らしいエピソードだった。余裕を持って、大鳴門橋を一望できる素晴らしい眺めの千畳敷公園に到着。
カメラで記念撮影をし、昔懐かしい100円で何分か見られる望遠鏡を使って渦潮を観察した。すると、妻が「渦が見えた!」と興奮して教えてくれたので、気に入ったようでさらに100円を投入して観察を続け、満足していた。
もう少し上に「渦の道」という有料スポットがあるため、そこに行くことにした。
残念ながら、渦潮が一番良い時間ではなかったが、小さな渦がいくつか見られた。所々にはガラスの床になっているスポットもあり、妻はその真上に立つのが怖いらしく、最後まで踏み込むことはせず、近くで写真を撮るときにもガラスを踏まないように両足を踏ん張って、両腕でバランスをとるような姿勢になり、まるでスローモーションのように恐る恐る鑑賞していた。
はた目で見ると、いつも通り子供のようで可愛く、面白い光景だった。大きな渦は見られなかったので、入口に飾ってあった大きな渦の写真をアップにして記念に撮影しておいた。すると、妻がその姿を見つけ、「嘘の写真を撮って、記憶の修正を誘導してだまそうとしているね」と冗談を言っていた。
渦の道を後にし、ホテルへ向かう。帰りはほぼ下り坂だったので、来たときよりさらに楽に感じた。あっという間にホテルに到着し、ちょうど無料特典のランチの時間帯だったため、部屋に戻らずそのままランチ会場のレストラン「オーゲ」に向かった。
ランチは「ラーメン」「うどん」「カレー」をブッフェ形式で楽しむスタイルで、妻はうどんとラーメンを少量ずつ、自分はカレーとラーメンを少しずついただいた。
ドリンクも無料特典に含まれているので、食事の後は席を窓際に移動し、海を眺めながらコーヒーを飲みつつ談笑した。まったりとした時間を過ごしていると、気が付けば15時を過ぎていた。予定では17時から夕食のブッフェを予約していたので、その前に温泉に入らなければならなかった。急いで部屋に戻り支度をして、8階の温泉に向かった。温泉を堪能しつつ、妻も何とか17時の「彩」での夕食ブッフェに間に合った。
今日のブッフェは、マグロの解体ショーがあり、マグロをふんだんに楽しめる内容だった。
また、鳴門金時を使ったパフェも作れるのがこのブッフェの魅力だ。早速、握りたての寿司や揚げたての天ぷらを堪能していると、ドラの音が鳴り響き、マグロの解体ショーが始まった。これまで解体ショーを見たことがなかったので、良い思い出となった。
解体されたばかりのマグロの刺身とステーキを、妻が確保してきてくれたのを見て、自分も喜んで食べると、妻も嬉しそうな表情を浮かべていた。
また、鳴門金時のソフトクリームや大学芋、チップスを使った自分で作るパフェも楽しむことができ、自分の作ったパフェを写真に収めた。
妻はスイーツが美味しいと感じたようで、パフェをお代わりしていた。大満足の夕食となり、二人とも心温まるひとときを過ごした。
夕食後、今日も阿波踊り講演に行くことに決め、整理券を手に入れてから本日3回目の温泉に向かった。20時40分からの阿波踊り講演は、昨日とは全く異なる内容だった。「ひかり連」という別の団体がゲストとして登場し、期待を良い意味で裏切られた。昨日の阿波踊りとは違い、これまで持っていた阿波踊りのイメージとはかなりかけ離れていた。
最初に団長らしき人が「近くで花火が鳴るようなものをこれから見せるので驚かないでください」と言ったのが、始まった瞬間に理解できた。けたたましい太鼓と鉦の音が鳴り響き、最初から最後まで休むことなく踊り続ける様子は、まさにプロのパフォーマンスで、素直に素晴らしいものを見られたと感じた。
最近は何を見ても感動することが少なく、冷ややかな目で見てしまうことが多かったが、今回は明らかに違った。心から楽しめたことに感謝し、二人とも満足した後、本日4回目の温泉へ向かった。心に残る体験ができたことが、二人にとって素晴らしい思い出となった。
明日は最終日。大塚美術館に行くか、もう一度渦潮を見に行くか、いろいろと話し合っていると、妻が大塚美術館についてネットで由来などを調べ始めた。すると、大塚美術館が大塚製薬の所有であることや、海岸の砂を使って陶板を焼くというユニークな点、さらには陶板画の特徴やロシアのお墓に関する経緯など、さまざまな情報が次々と出てきた。由来についての理解が深まるにつれて、少しずつ興味が湧いてきたので、結局行ってみることに決めた。バスの時間もネットで調べて、予定を立てることができた。明日の訪問が待ち遠しく、惜しまれる最終日を過ごすための準備が整ったように思えた。
2022年12月31日 (土) 大塚美術館に酔う
今日は、朝一の温泉や朝食のはしごを予定せず、ゆっくりとした朝を迎えた。8時に朝食を取りにレストランへ向かうと、案の定、朝食会場にはすでに待っている人たちが何組かいた。今日は別のレストランを利用したいと思っていたので、昨日のレストランの向かいにあるファミリーバイキング「海天」に行くことに決めた。前には7組が待っていた。
会場を覗くと、多目的に使える広い空間にテーブルが並べられており、常設のレストランではないようだった。人数が増えたときに仮設でできるような雰囲気だ。コーヒーを飲みながらしばらく待つと、中に入ることができ、大きなテーブルを二人で使えるようなので、広々としたスペースを確保した。ライブキッチンで作られるオムレツや焼き魚など、和洋食をバランスよくいただき、ゆっくりと食事を楽しんだ。妻は特にわらび餅がおいしいと言って喜んでいた。
食事の後は、コーヒーをテイクアウトして部屋に戻った。特典で12時までのレイトチェックアウトがついているため、残りの2時間半ほどで最後の温泉を楽しむことにした。
頭も身体も洗い、ひげも剃って、温泉でゆっくり入浴を楽しんだ。湯上りにはフェイスローションをつけて、いつもより長く、40分ほどかけて温泉を後にした。部屋に戻ると、妻が戻ってくるまでの間に、ほとんどのパッキングを終えたところで、妻が帰ってきた。パッキングの仕上げをし、最終チェックをしてもらってから、チェックアウトのためにフロントへ向かった。スムーズにチェックアウトができ、荷物をフロントに預けて12時6分のバスの時間に間に合った。バスに乗り込むと、穏やかな旅の余韻に浸りながら、大塚美術館へ向かう。
大塚美術館までは、約4分程度で到着し、運賃は1人110円だった。美術館の入り口に立つと、妻と一緒にこれからの展示を楽しみにしていた。
大塚美術館は、国内の美術館の中で最も高い入場料金だそうで、大人3300円だった。外観は、山の下に入口があり、独特な見た目の美術館だった。入場すると、相当長いエスカレーターが上に向かって伸びており、まるで山の中(土の中)に入っていくようなイメージを抱いた。
これは後で館内の解説を聞いて知ったことだが、地元の高さ制限などの理由から、大きな山を切り崩し、ビルを建てた後に一階の入り口のみを残して埋め戻すという特殊な建物だった。相当なコストがかかったであろうこの建物を見て、大塚製薬の影響力とその思い切ったプロジェクトに驚かされた。美術館の内部に進むにつれて、期待感が高まっていった。
長いエスカレーターを上った先には、紅白で米津玄師が歌った原寸大で作られたシスティーナ礼拝堂があった。
圧巻の見た目にまず驚かされる。ここにある陶板画は、世界の絵画1000点以上の美術品を原寸大で再現しているとのこと。本物ではありえない近さで絵を鑑賞でき、カメラ撮影もOKだという。その合理性から、美術の教育的価値は単純に高いと感じた。
また、イベント等の会場としての価値も高く、定期的な歌舞伎公演やコンサート会場などの写真が数多く飾られていた。受付で解説用の機器(500円)を2つ借りて回り始めると、壁画遺跡等も原寸大で再現されており、実際にそこに行ったのと同じ感覚を味わえる点もすごいと思った。美術館内を歩きながら、そのユニークな取り組みと、作品に込められた歴史や文化の深さに感動した。
古代から現代まで幅広く展示されており、鑑賞ルートはなんと4キロもあるとのこと。最初はひとつずつ解説のある場所をじっくり見て回っていたが、その膨大な点数に圧倒され、後半は駆け足で回ることになってしまった。それでも、美術の教科書で見かける誰もが知っている絵画の実際の大きさを体感できたのは貴重な経験だった。
特に、モナ・リザなどは思ったより小さいことに驚いた。
そうした実物を目の前にすると、普段の印象がいかに偏っているかを実感する。急いで現代画のピカソのエリアに辿り着いたが、さまざまなスタイルや技法に触れられることができ、やはり駆け足でも訪れた甲斐があったと感じた。多様な作品の中で、各画家の個性や時代背景を知ることで、より深く芸術の世界に引き込まれていった。
急いで入口に向かい、何とか15:36発のバスに間に合った。ホテルに戻ると荷物をピックアップし、空港行の送迎バスが来るのを待つ間、記念写真をドアマンに撮ってもらったりして過ごした。
帰りの送迎バスには、他に2組のお客さんが乗っていた。バスの中では、妻が疲れてしまったのか、すぐに眠り込んでしまった。空港に着くと、ちょうどお正月用のフォトスポットができていたので、記念撮影をして旅の最後を飾ることにした。楽しんだ思い出を写真に収め、素敵な旅行の締めくくりとなった。
空港では何もお土産を買っていなかったので、妻にカボスのアロマスプレーをプレゼント用として購入した。それに加えて、自宅用に鳴門金時のお菓子をいくつか選んで買った。
妻がちょっと小腹が空いていたので、二人で鳴門金時のタルトを一個開け、行きに購入したカールのチーズ味と一緒に食べた。特に遅れもなく出発し、無事に羽田に到着。家には20時ちょっと前に着いた。最終日は大塚美術館で相当疲れはしたものの、鳴門での体験は印象に残る良い思い出となったと思う。旅のすべてを振り返り、満足感に浸りながら、また次の旅を楽しみにすることにした。
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