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#小説
流町へようこそ? 前書き
マイルール:
・朝は目覚ましより早く起き、鳴った瞬間に止める。
・ベッドは左足から降りる。
・窓を開けて外の光を浴びる。
・破壊力の高い曲をかける。
・朝食はトーストとコーヒー。
・お天気おねえさんの服装をチェックする。
・洗濯はこだわりのコースがある。
・洗剤と柔軟剤は規定量より少なめにする。
・歯を磨き、髭を剃り、髪を整える、必ずこの順番に行う。
・歯を磨いたら三十分は飲食をしない。
・水筒
7歳の騎士 (777字)
最初に失踪したのは私だ。7歳の夏のことだった。7歳の私にしかできないやり方だった。7歳でない者に私を見つけることなどできるはずもなかった。
私の見事な消失を契機に失踪の連鎖が始まる。7歳児ばかりが消えてゆく。次々に失踪する。7歳の純粋な意思によって。流星みたいに美しい尾を引いて。どことも知れぬ場所に落ちてゆく。
6歳の子供もいずれは7歳になる。すると自然に失踪を覚えてしまう。是非もなく失踪してし
あのクラクションで世界は
世界の終わりのようなクラクションが鳴り響く。
世界が終わる合図のような、世界を力ずくで終わらせにかかるような、世界そのものの断末魔のような。
あるいは世界の産声のような。
非現実的な音量のクラクション。
その音は確かに世界にひびを入れたのだと思う。
あのクラクションの前後で世界は少し変わってしまった。
私のコートの色はもうちょっと品の良いブラウンだった気がするし、彼女の髪はもう少しゆるやかに波打っ