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【読書感想文】『あしながおじさん』ジーン・ウェブスター(角川つばさ文庫版)

2016年10月に個人サイトで書いた感想文をサルベージしたものです

角川つばさ文庫版の『あしながおじさん』を読みました。原書既読済。

子ども向けの抄訳って、今までそんなに前向きなイメージを持っていなかったんですが、これが、とってもよかったんですよ!!
表紙/挿絵のイラストもかわいいですし、かといって原作者の直筆挿絵もおろそかにせず、ちゃんと収録してあるのも好感度高いです。

子どものころに初めて読んだ『あしながおじさん』の表紙がこちらです。

秋田県に法事で行ったとき、親戚のおばあさんに貰った記憶があります。すぐに夢中になりました。ラストの一文が本当にお茶目で大好き!
そんな風にジュディの脳内イメージが表紙絵(↑)のお嬢さんで固定された後、本作が世界名作劇場でアニメになりまして。その……世界名作劇場アニメのジュディが、幼心にイメージと違いすぎて、結構ショックだったんですよね。孤児院出身だって隠し通したいはずのジュディが、あんな髪型やお化粧のわけないもん……と今でも釈然としない思いがあります。

でも、ここ数年、各出版社から出た新しい『あしながおじさん』のジュディはどれも可愛らしい挿絵ですごく嬉しいです! 子供時代の私が救われたような気持ちになります。可愛い挿絵のジュディ最高~!

この作品は「おしゃべりな女学生の書簡体」という作品形態でして、これまでの古い翻訳は語尾が「ございます」とか「ですわね」など翻訳された時代(明治~昭和前半)に使われていた女言葉になっていました(※昨年出版された光文社古典新訳文庫を除く)。

私は地の文が古い日本語であるぶんには全く気にならない性質だったので、なぜ新訳など必要なのだろうと諸作品の新訳ブームに首をひねっていたんですが、そうですよね。
手紙ですからね。
今の少年少女が読むにはそぐわなくなっていたのかも。
この本を読んでみて、作品によっては新訳が必要な場合もあるんだな…!と目が覚めた思いです。

本作に限らず、角川つばさ文庫のラインナップは新訳など大変評判が宜しいようなので、いろいろ読んでみたくなりました。(その前に積読本をなんとかすべきだということは、理性では理解しています。)

2016.10.25


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