なぜ、ブリュッセル1893(Bruxelles 1893)の新版は、拡張形式ではなく、ビッグボックス形式で出版されるのか。

※「Bruxelles 1893」の新版である「ブリュッセル1893 -ベル・エポック-」の日本語版が発表された。本記事はかなり前の記事であるが、アクセス数を見ると、本記事のアクセス数が増加しており、需要があるように思われるので、読みやすさの観点から、形式面と軽微な訳文修正を施した。なお、まえがきでは、本作品がKickstarterによるクラウドファンディングが行われる予定である旨の記載をしていたが、結局のところ、クラウドファンディングは行われず、一般的な製造・販売がされることとなった。(2023年9月7日追記)

はじめに

冒頭に掲げたBGG上のフォーラムにおける「Bruxelles 1893」の作者Etienne EspremanPearl Gamesの社長であるSébastien Dujardin(代表作は、「Troyes」、「Deus」、「ブラックエンジェル」等)の発言を訳した。

「Bruxelles 1893」は、2013年にPearl Gamesから出版されたワーカープレイスメントゲーム。競りやエリアマジョリティ等の要素を詰め込んでおり、モジュラー形式のアクションボードが当時は目新しかったようである。1893年当時に興盛していたアール・ヌーヴォー形式を用いたアートワークの美麗さも相まって人気が高かったが、長い間絶版であった。2022年にキックスターターが予定されている。

執筆時点でのBGGレートは319位と比較的高い。ウエイトは3.58と重い部類に属すると思われる。

【Etienne Espreman】(8/17)

まず初めに、「Bruxelles 1893」はPearl Gamesから2013年に出版された。

「Bruxelles 1893」は、出版当時に大成功を収め、今でもゲーマーから手に入れたいと強く言われてる。それにもかかわらず、Pearl Gamesは、自社の都合でブリュッセル1893をたった15000部しか生産せず、拡張の出版もしたがらなかった。

2014年には、Etienne Espreman(※「Bruxelles 1893」のデザイナー)が、二人の友人とGeek Attitude Games(以下「GAG」という。)を立ち上げた。2019年には、Etienneが自分のゲームの権利を買い戻して、GAGから、このゲームのカードゲーム版(「Bruxelles 1897」)をリリースした。

しかし、Etienneが「Bruxelles 1893」のメカニズムの権利を取り戻しても、イラストレーション(アートワーク)については、Pearl Gamesが権利を持っており、同じものを使うわけにはいかない。

それに加えて、Etienneは、このゲームのいくつかの点の改良に着手している。つまり、旧版のボードは、新版には対応してないことを意味する。

GAGは、当初、「Bruxelles 1893」の旧版のイラストレーションを手がけたAlexandre Rocheを起用しようと考えていたが、Alexandreはイラストレータとしての活動を既に止めて、プロのジャズプレイヤーとしての活動に身を投じていた。

それゆえ、GAGは、新版のために別のイラストレータを起用せざるを得なかった。そして、ブリュッセル在住のアーティストであるAmmoの素晴らしいアートワークに心を奪われ、起用することになった。

GAGは、拡張が旧版と同じイラストにならないことを申し訳なく思っている。我々は、既に旧版を所有している「Bruxelles 1893」の全てのファンに不便が生ずることもわかっている。繰り返すが、残念ながら拡張形式の販売はできない。そこで、我々は全てを作り直して、「Bruxelles 1893」とベルエポック拡張を一つの美しいビックボックスとして販売することに決めた。

みんなの理解に感謝。

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【Sébastien Dujardin】

やぁ、みんな。

Etienneの投稿は正確に経緯を表してない。「Bruxelles 1893」が10000個売れて、アメリカのディストリビュータがもう作りたくないと言った時には、拡張が我々(※Pearl Games)に示されてた。

これ以上議論をするのはうんざりだ。このゲームに対して、Pearl Gamesはたくさんの時間を費やした。我々が拡張を製作しなかったことについて、物事の一面しか切り取られていないのは残念だ(拡張はいまだに多くのデベロップを必要としていた。)。

【おわりに】

あんまり生産的な話ではないが、訳出した。
かなり意訳をしている部分があるので、誤訳・ニュアンスの違いが著しいなどの指摘があればご教示願いたい。

以上

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