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建築現場。素人歓迎は歓迎か?

建築業界の人手不足が深刻化

最近、建築現場の求人広告で「素人歓迎」「資格取得支援」「高収入可能」といったフレーズをよく目にします。これは住宅業界における人手不足が深刻化していることを反映しています。実際に、国土交通省のデータによると、建設業の就業者数はこの20年間で約20%減少しており、特に若年層の減少が顕著です。このままでは業界全体の技術力低下が懸念されます。

高齢化問題が加速する建築業界

さらに深刻なのが、業界内での高齢化です。建築業界の就業者の約33%が55歳以上であり、10年後には半数以上が60歳以上になると予測されています(総務省統計局データより)。高齢化が進む中、技術の継承が難しくなり、建築の質が保てなくなる可能性があります。そのため、外国人や高齢者の再雇用が進んでいるのも事実ですが、それが果たして最善の策なのでしょうか。
ヘイトでもなんでもなく、設計図は日本語のみ対応しており、建築現場は体力資本なのです。

素人歓迎の裏にあるリスク

「素人歓迎」とは聞こえが良いですが、裏を返せば「即戦力がいない」という現状を示しています。経験不足の作業員が増えることで、施工ミスのリスクが高まり、結果的に住む人の安全性が脅かされる可能性があります。
宅配業界もタイミーなどで大きな問題が起こっているとのことですが、発注者が個人の建築業ではどのようなリスクが発生するのでしょうか?
また、工事の質が低下することで、将来的なメンテナンスコストが増えるリスクも考えられます。見えない工事は特に怖いですよね。

素人歓迎はユーザーの望みではない

素人を歓迎しているのは、現場の人手不足に悩む工事会社の社長たちです。しかし、住宅を購入する私たちユーザーは、素人に任せたくはありません。家は人生最大の買い物です。だからこそ、高い技術と経験を持った職人に任せたいと考えるのは当然のことです。
綺麗な住宅の壁の中は、きちんとできているのでしょうか?

これから求められるのは技術の継承と教育

建築業界が今後生き残っていくためには、ただ「素人歓迎」で数を増やすのではなく、技術の継承と教育体制の強化が必要です。経験豊富な職人が若手に技術を伝える仕組みを整え、魅力的な職業としての地位を確立することで、将来の人材確保が可能になります。
大手では始めている会社もありますが、一般工務店にはハードルが高過ぎて、もはや高さは棒高跳び状態。黒字でも、人材確保ができなくて廃業する業者さんもさらに多くなることが予測されます。


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