スタッドレスの過信、山深く無電波の中で -初JAFレスキュー体験-
Journeyman( @beajourneyman )と申します。"ジャーニーマン"ですと長いので"ジャニ"と呼ばれています。
今回は雪道でスタックして初めてJAFのレスキューにお世話になったので、その体験談を残しておきます。
JAFとは
JAFは"Japan Automobile Federation"の頭文字です。2年前の数字ですが、2,000万会員は圧倒的です。今回のロードサービスにお世話になりました。
レスキューに至る背景 -ドライブの目的-
関東から高速で中部横断道路に入り佐久中左都インターチェンジから美ヶ原高原山本小屋にいたり、美ヶ原高原のスノーハイクをする予定でした。
北関東移動中も雪はちらついていましたが、下仁田や妙義のあたりからはしっかり降っていて、長野に入ってからはだんだんと一面の銀世界になっていました。佐久平ハイウェイオアシス(温泉併設サービスエリア)の写真です。インバウンドの方が、雪景色の写真を撮影していました。
スノーハイクが目的だったので"滑らない"とポストしましたが、まさか違う形で"滑る"コトになるとは思っていませんでした。
レスキューに至る背景 -雪道でスタック-
R142から長野県道178号戦美ヶ原和田線に乗って8.3km、美ヶ原高原ホテル山本小屋まで6.4kmを残した地点でスタックしました。
FF車の前輪が空転し、車体全体が山側に滑る事態になりました。ずっと雪が降り続いていてフカフカした粉雪の路面、道路斜度10%を超えていたので、車体全体がズリズリと坂に向かって滑りました。まとめると以下のような状況でした。
車重1,580kg(重め)
ダウンサイジングターボ車でトラクションがかかりやすい(空転がち)。
今シーズン限りで交換かなというスタッドレス
斜度10%標識が出てから1番斜度がキツくなった箇所(12,3%?)
5cmくらいのフカフカの粉雪が積もっている
この先はこれまでのルートは比べても大幅にツイスティーで一気に2,000mまで上がるので、更に苦戦が強いられそうでした。幸いすぐ近くに滑り止めの砂袋があったので、前輪の前後に砂を巻いて復帰を試みましたが、上手く行きませんでした。また、雪かき用のスコップも装備していなかったので、圧雪を除去するコトができませんでした。
転回して下るにも斜度がキツく一気に横滑りすると「隣を流れる野々入川の谷底とこんにちは」も考えられました。バックで車幅が倍以上になるカーブまで降り、体勢を耐え直すコトにしました。
レスキューに至る背景 -脱出失敗、救援を決断-
サイドブレーキを下ろして、少しずつバックします。斜度がキツいので、そどうしても速度が出てしまいます。最初は順調で10m、20mと目的地に近づきましたが、とある瞬間からハンドルが効かなくなり、一気に滑り出してしまいました。
数十m滑ったでしょうか? 何とか谷側の右車線のガードレール手前で止まって、完全停止できました。ガードレールにガリガリしなくてホッとしました。下る速度が明らかに早くなった瞬間は肝を冷やしました。
ご存知の通り、道路は水捌けの観点から谷側に緩やかな傾斜がかかっています。このままバックすると山側の左車線への復帰は難しく次に滑りだして、再び止まる幸運が訪れる保証はありません。
時間にして30分格闘してJAFレスキューを決断しました。
がしかし、山深い峠道には次の試練が待っていました…。
「助けて!」が届かない
キャリアはdocomo、無情にもアンテナマークは立っていませんでした(後から聞きましたが、ソフトバンクはつながっていたそうです)。JAFにレスキュー要請するために、電波をキャッチしに行かないといけません。前後の車輪に滑り止めの砂を巻いて砂袋を車輪止めにして更に滑らないようにして旅立ちました。
氷点下でしんしんと雪が降る中、期せずして「スノーハイク」になりました。途中「すずらんの滝」「風腰ダム」を通り、野々入川沿いに30分ほど下ったところ約2kmほど歩いて辛うじて電波をキャッチできました。
地図を確認すると南下していた道が東に折れるエリアだったようで多少町からの見通しが良かったのかと想像します。会員番号を控えていなかったのですが、以下の情報をお伝えしてレスキューを手配できました。
会員確認のための会員氏名、登録電話番号、登録住所
スタックしている車の車体色やナンバーなどの特定できる情報
スタックしている状況(斜度がキツい坂で滑って右車線に安全に停車中)
スタックしている場所(県道178号を登った美ヶ原方面の風腰ダム先)
約10分ほどの電話でした。「スタック状況によっては5,000円から10,000円の追加費用がかかるケースがある、スタックから救出された後のロードサービスは15kmまでは無料、到着が最速で1時間34分後でそれ以降になる」コトを教えてもらいました。電話が終わったのが14:10頃だったので15:45以降と認識しました。日が暮れる前に救出してもらえればラッキーです。
もうひとつ重要なコトが直前の電話連絡でした。車に戻ると電波がないので電話が繋がらないがどうするかを確認しました。「何時間も到着しない場合は、再度連絡して欲しい」でした。
車に戻りながら、行き同様通話状況を確認しました。雪道を30分2km下らなくてもキャッチできそうだと確認できました。
待つそして待つ、日が暮れていく
せっかくなので、スノーハイクを楽しみました。都合17,000歩になっていたので、4kmくらい楽しめたのでしょうか。もともとスノーハイク用の装備で出かけていたので、氷点下の雪道でもまったく問題なかったのは不幸中の幸いでした。
理論値の到着時刻15:45が過ぎました。
この雪で標準のレスキュー時間通り到着は期待していませんでした。車のある場所で車の外に出ていると、ごく稀に微かに電波をキャッチしているコトに気づきました。着信があった履歴で多数通知されていたからです。
16:00頃レスキューのドライバーさんと電話が繋がりました。山道に入るところ和田宿付近で、全輪にタイヤチェーンを装備して向かうところだと話しでした。約8km、雪道も含めて30分はかからないかなと期待が膨らみました。
谷の道で左右を険しい山に囲まれているので、どんどん暗くなっていきました。持ってきたお菓子も食べ尽くしました。その頃には、ほぼ雪も止み狭い空からうっすらと青空がのぞいた瞬間もありました。そろそろ17:00になってしまうという頃、見たことがあるJAFのエンブレムを携えたブルー・ホワイトの車がカーブの向こうに見えました。
レスキューされるのも緊張
レスキュー隊員さんとお話ししをして、牽引フックを使ってバックで下り、転回可能なところで、進行方向を入れ替える方針になりました。
初めてバンパーのカバーを開けて、標準装備されていた牽引フック(工具袋に入ってました)をしっかり固定して、移動開始です。ギアはニュートラル、後方を見ながら、左右にハンドルを切りキープセンターで下ります。
感覚的には外を歩いていても追い付く速度だったと思います。ハードなカーブではなかったのですが、フカフカの新雪で滑りやすくセンターをキープするのが難しかったです。途中対向車が来て避ける時も左に寄せるのに気を使いました。
緊張していたので時間がゆっくり流れていました。
ニュートラルだと下らなくなったところで牽引ロープを外してバック自走でゆっくりと転回できる大きめのカーブにたどり着けました。レスキュー隊員さんに後方確認して貰いながら、左車線から右車線を横断する形で、カーブの膨らみを使って転回できました。
「このまま安全なところまで移動して伝票の手続きをお願いします」
1速、2速を中心にエンジンブレーキを駆使して走りました。数km走ったところで、フカフカの新雪も終わり黒い路面がのぞいていました。走行車線にはみ出さないかつ雪がない路肩があったのでそこで最後の手続きをしました。入力はレスキュー隊員さんがタブレットで、画面に指でサインしました。
結果、追加費用はかかりませんでした(カードか現金)。
助けていただき、ありがとうございます!!
このレスキューから学んだコト
美ヶ原高原のハイクはできませんでしたが、雪を存分に味わいました。レスキュー隊員さんからのアドバイスも含めいくつか学んだコトをまとめます。
スタッドレスでも過信は禁物、駆動輪のチェーンは携行
ゴムチェーンは劣化しやすので金属がオススメ
チェーン装備中は30km/h程度で走る
アスファルト走行はチェーンを痛めるので外す
4駆はやっぱり雪道で強い(チェーン無しの車を何台か見ました)
スタックした時に備えてスコップを携行
コールからレスキューまで時間がかかる想定で備える
スノーハイクをしなくても氷点下に耐えられる服は大事(社外活動多い)
実は過去に1度、美ヶ原高原に行こうとして通行止めだったのですが、今回も遠かったですw 今度はチェーン持参で行きたいと思います。
最後にどんな素敵な場所なのか、山で出会ったYouTubeデュオ #山歩きjp さんのハイクの模様をご紹介します。
みなさん、無理せず安全な雪山ドライブを楽しみましょう!!
𝕏ドメインに移行が始まっているようなので併記。
𝕏(旧Twitter): https://x.com/beajourneyman <- https://twitter.com/beajourneyman
いただいたサポートはささやかな夢「🍑桃資金」に使わせていただきます。 https://note.com/beajourneyman/n/nc8f9ede17915