#157_【読書】チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方/池田めぐみ・安斎勇樹(日本能率協会マネジメントセンター)
40も半ばを過ぎ、身体にガタが来ると、1日、2日で回復しないということが増えて、すっかり衰えを感じております(-_-;)。
そんなネガティブなことを書きたかったのではありません!
今日は、新進気鋭の研究者である池田めぐみさんと、ストーリーのことについて書いた記事で少し触れました安斎勇樹さんとの共著であります「チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方」をご紹介したいと思います。
レジリエンスとは
小難しい横文字が出てきましたので、本書から定義を引用しましょう。
この背景には、「VUCA」といわれるような不確実性の時代を迎えていることがありますが、先が予測できないからじっくり考えさせて!と思っても、ゲームの一時停止のように時の流れは止まってくれません。
本書では、困難に直面しても「回復」につなげるためのステップなどが体系立てて書かれていますが、危機や困難を想定し、課題を定めて対処法を考えても、不確実な世の中に対峙し、100%事前に立てた思惑通りに事が運ぶことは、まずありえないでしょう。
とはいえ、危機や困難から学び考え抜くことや、遂行するためのチーム基礎力の整え方、適切な振り返りをすることによって、対処法の成功確率を高めることにはつなげられると感じます。
なぜチームなのか
筆者がなぜ、個人ではなく「チームで」と提唱するのでしょうか、こちらもまずは本書の引用から述べていきます。
最近の世の中では、色々なものが複雑に絡み合っていますので、一人では乗り越えられない困難に直面したとき、多くの人の知恵や能力を結集させることによって乗り越えられるということがあります。
このあたりは容易に想像つきますが、他方、組織にいると、個人個人がまわりのことを考えずに「独りよがりのレジリエンス」を発揮しだして、ほかのメンバーが割を食うという話もあります。
組織の落とし穴にすっかり気付いていなかったと反省しましたが、そのようなことが起きないようにするためにも、大所高所から物事を捉えられるリーダーの存在や、各メンバーが「見ている景色の共有」が大事になるのだと感じます。
その他チェックしたこと
無意識に問題に加担していることもある
本書では、混んでいる電車にストレスを感じながらも、自分もそれに乗車しているという「満員電車」の例が書かれています。
この例に関していいますと、移動という行為が目的な人は少数でしょうから、自分の責任だと言われても受け入れたくない人が多いだろうと思いますが、みんなが他人事では解決しない話でもあります。
問題の当事者を一方的に決めつけてしまうのでは適切な課題設定ができない場面も訪れるということは、頭に入れておきたいと思いました。
「差分」に着目
チームで困難に立ち向かうためには、対処法を「全員が同じ言語で共有」していることが必須要件になります。「誰かの頭の中に入っている」というのでは、チームで取り組めません。
しかし、不確実な世の中では、定型化されていない業務も数多く存在するため、困難に備えて対処法を言語化することが難しい場面にも遭遇すると思います。
そんなときに、「過去と現在」や「自分と他のメンバー」との差分を取ると言語化がしやすくなります。相対化するともいえますでしょうか。
まとめ
さいごに、著者のひとりである池田めぐみさんが「レジリエンス」という概念に出会った経緯が、やさしさに溢れる素敵な文章だと思いましたので、引用します。
私も、会社員時代は、先行きの見えなくなると、思考停止になってしま、ただ途方に暮れてしまうだけの人間でした。
会社のことをあまり良く思っていませんでしたが、それでも無意識に組織をアテにしていたところがあったのだろうと思います。
昨今のご時世、予測ができないことばかりですから、他人の困難に一緒に立ち向かうことで、自分の困難に直面したときに、何か役に立つこともあるかもしれません。
過去の自分を棚に上げず、他人に寄り添える存在になれればと思います。
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