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曖昧と、情緒と、不協和音。 強い願望が命を焦がす
ぼくが駆け寄って、いいのだろうか
勝手に体が動きそうになっていた時、ふと我に返った
そんな資格、あるの?
既に友人達から囲まれ、心配されているではないか
そう思って1度そっぽを向いた
こんな時までぼくは汚い
“要らないんだからそのまま別の場所へ行けばいい”
“抱き締めて、寄り添って、救いたい。”
茫然自失になっていた
が、
気付いたら近くにいた人達が居なくなっていて
ぼくは抱き締めていて
触れてしまったという確かな温度が悔悟と自己嫌悪、周章狼狽を覚えさせた
でも、それらを溶かすような、隠すような温かさがなんだか懐かしくて
いつも大切、に近い存在である友人に抱き着いて
“人の温かさ”というものを常に感じていたはずなのに
それなのに、なつかしくて。
冷えていた内臓が熱くなっていた
別に自分は運動したわけでもないし、呼吸が上がるほど体調が悪くなっていたわけでもなかったのに
胸が灼けそうなくらい熱くて、火傷してしまいそうなくらい熱い何かが込み上げてきていて
壊してしまうのが怖くて触れられたかった愛おしくて柔いものを、自らの手で汚してしまった罪悪感に塗れながら抱き締めて
浅くて荒い呼吸を繰り返す目の前の温かさから離れなきゃと思っているのに
そうしてしまえば、次こそ本当に終わってしまう気がして
だから、離れられなくて
離れたく、なくて
珍しく温かさを保っていた自分の手を少し冷えた手に添えて
“もう触れたって、大丈夫でしょう?”
そう、自分に言い聞かせて。
胸の内に消えないくらい深い爪痕を残した不安ごと、握りしめて
まるで自分に問いかけるように、「大丈夫?」を吐いて
座ったことによって少し歪んだ関節部のことなんて頭には無い
触れられる今を喰んで、
解せないな、と笑った。
「突然独りにしてごめんね」
たった一言が伝えられない自分を疎ましく思う
ふわふわとした意識は先生の声によって冷ややかな現実へと引き戻された
手は離さないで、手を引いて。
その時、友人に埋めてもらわないと隠しきれなかった大きな疵口がほんの少しだけ、埋まった気がした
「君の想いを疑ってしまって、ごめん」
「自己嫌悪だけで君から離れて、ごめんね」
「君が不安になっていたこと、知っていたのに
何も知らない顔をしてしまって、ごめんね。」
「勝手に殻に閉じ籠ったのに、“世界のせいだ”と思い込んで、黙って逃げてごめんね、」
「ちゃんと向き合えなくてごめんなさい」
溢れそうな言葉たちを飲み込んだ
繕った姿でしか接することができなくて、こわくて。
きっと、受け入れてくれるのだろうけど。
そう、信じ込んでいるのだけれど。
ほんの少しずつ、見せていってもいいのかな
嫌いに、ならないかな
うざがられて嫌われる日を待ち望んでいたのに
突然変異だなんて、どうしてしまったんだろう。
世界は無情
本当に非道い
けど、1番酷くて狡いのは
紛れも無くぼく自身なんだ
、結局話しかける勇気もなくて、弱いままで
罪悪感はべったりとついてしまっていて、落ちなくて。
靄も影も、剥がれないけど
ゆるされる、のかな
気性の荒いぼくでも
素を、綺麗に出し切れなかったぼくでも
消して、迷って、綴って、消して。
繰り返している無意味な動作
はっきりとしない意識が朦朧としている今だから、できることなのかもしれないけど
冷えきった態度
が、
ぼく
なのに
あまり見せていないぼくを
親友、と、呼んでいいのか、わからない友人にしか
まだ見せていないぼくを
ちゃんと、曝せるのか
途中でまた、逃げ出さないか
わからなくて
確信が、持てなくて。
逃げて、ぼくじゃなくなっちゃったときがこわくて
その後ぼくは、元に戻れるのか、とか
考えてしまって
荒ぶっている時に限って、思うように動けないから
余計に怖くなってしまって
彼女のことや、彼のことを
ぼく、が、好きになってしまわないかとか
わからないから
見えない問題だから
だからこわくて
拒否権なんて、ないから。
その前に終わらせてしまいたいけど
そういうわけにはいかないの
情緒とか、以前の問題であって
人間性が欠けているの
人として、終わっているの
それが組み合わさってしまって不協和音を奏でているから
取捨選択するべき
、だけ、ど
できないから、
駄文を綴って
はやく、みんなとおなじになりたいけど
もう、不可能だから
呼吸器も、胃も、治らないから
嚥下だって得意ではないし
諦めるしかない、けど
けど、ぼくにできることって何だって考えた時
ただ黙って、傍に居ること
それだけで
それだけが存在価値で、意義で
それしかできないって悟ったから
それを、まもる
腹部に感じる確かな痛みが今も生きていることを証明してくれる
ぼくの容姿を褒めてくれた友人には申し訳なさを催しながら滴る赤を意味もなく見つめていた
じわじわと広がる赤は相も変わらず薄い色を連なっている
刺す訳ではなく、抉るように
何かを確かめるかのように腹部に尖ったものを当てるのは数年前からの癖みたいなもの
理性を保つための術といっても過言では無い
狂いかけの情緒と知性を安定させるにはこうするしかないから
きっともっと安全で良い方法はあるはずなのだけれど、いまのぼくには思い当たる節がない
あるとすれば人に触れることだろうか
…しないけど
ぼくを狂わせたいと言ってきた物好きな先輩もいたな、と突然消していた記憶が蘇る
「…もう関わることも関わる気も無いけどね」
ふっ、と笑う
メッセージアプリのブロックリストに1年間放置されている先輩
自称メンヘラの自傷行為に憧れる女好き
それがその先輩の自己紹介テンプレート
本人談なので盛ってはいないし、嘘でもない
どういった経緯で仲良くなったのかは綺麗に忘れてしまったが、きっと先輩方経由だろう
傷が入ったことによって熱を帯びた腹部を砂時計のように思いながら、過去のことを振り返る
罪悪感も孤独も感じなくて済む、清き時間。
気がつけば1時を回っていて1月25日土曜日と表記されたスマホの画面を見て社不に浸る
バッドが入っている時は早く眠るに限るのだが、深夜テンションに任せてぼくのことを褒め始めた友人のせいで眠れなくなってしまった
褒められ慣れていないのだから、当然照れるし嬉しくなる
それに、羞恥心に侵される
“やめて”といっても止まらない褒め言葉に困惑と歓喜を交互に受け止めた
褒められるところなんてないだろうと思いながら適当に聞いていたけれど、言われ続けるにつれて段々と照れが入るのだ
だって普段から顔を合わせている人たちからは滅多に言われない
可愛いとか。
思い出す度に顔が熱くなるので考えることを辞めた
そして気を紛らわすためにかじわりと浮かんでいた血液と固まった血液であった液体を交互に見つめた
今日も、眠れない
自律神経の不調がぼくの時限爆弾を急かしている
わかっていても治せないのがぼくの悪いところ。
もふもふな布団を被って、人形を抱き締めて
熱を逃がさないように呼吸を繰り返す
1度考え始めるとそのことをしばらく引き摺って夢の中でも考えてしまう
現状悪化を進行させるだけなのに。
明日、ではなくて、今日は
仕事、あるのにな
明日も用事があるのに
重たい体を引き摺って笑い飛ばすのは辞めたい
もう、それを綺麗にできないから
せんせーたちに怒られてる
学校ではなくて、病院の
『抱えているものがいつ症状を現すかわからないんだから、少しでも長く生きれるように自律神経治さなきゃ
今のままだと本当に寿命が、』
…って
寿命、ねぇ…
目安でしかないのに
変なの。
自縄自縛
今のぼくにぴったりな言葉
寿命が1桁を切るまで、あと何年だろう
無事に大人といえる年齢に辿り着けるだろうか
靄る不安と微かな恐怖
それを煽るように降る雨
今日ばかりは、そんな寒雨の雨音を嫌った
コードに繋がれた機械を耳にぶっ刺して
光る板から音をだして。
煩いくらいの音量に身を預けた
『たとえ終わりが来ようとも 永遠に 永遠に アイシテル』
…かたわれに、あいたい、なぁ…
親愛なるかたわれに会いたい
それは、切実な願い
そういえば、彼女にも少しづつ見せていたっけか
とわに、えいえんに、あいしているから
しんあいなる、かたわれだから
にこいち、極めてるから
きっと前世も双子で。
今世は少し、離れてしまったけど、出逢えて。
来世は絶対、また双子。
しんじてる
かみさま、を。
いまは、こりつむえんじゃないから
暗雲ていめい、でも
きっとなにか、みえてくるから
だいじょうぶ