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嘔気_22:15
「 しんじゃえばーか… 」
鏡に映る自分に向けて吐き出す
帰宅すると怒られることはなかった。
嫌味をかけられ終わった。
よかった。ほんとうに。
けれど、帰ってきた途端
希死念慮が更に強まった気がした。
夕食は食べる気は微塵もなかった。
けれど食べなかったら食べなかったで嫌味を言われてしまう。
どうせ夜は出かけるくせに。
何を食べようかと迷い、カップ麺を取り出したが直ぐに辞めた。
お鍋に水をいれ、リゾットを作ることにした。
食べ終わってから数分後に
逆流してくるような感覚に襲われた。
急いで洗面所へ向かい、蛇口を限界まで開けザーっと水を流す。
変な冷や汗と涙、唾液が滴る。
気持ち悪くて、きもちわるくて、
嗚咽するようにえずく。
できるだけ、音は立てないように。
吐き出せるものを、吐き続ける。
耐えられない。
防衛本能が働くように
脳裏にその言葉が響き渡る。
喉に粘膜が張り付いているような感覚は中々取れなくて、息ができなくなるのでは無いか、と思った瞬間、息を止めてしまった。
あ、やばい。
そう思うより先に咳き込み、またえずいた。
咳き込んでから、咳き込みながらえずくのが、大嫌いだから、余計しんどかった。
グサリと喉に槍でも刺されたような痛みが走る。
呼吸をする事にツキリとくる。
痛くて、痛くて、いたくて、涙がでた。
蓋をされてしまったような感覚は稀にある。
けれど慣れない。変わらない。
次第に体の力が抜け、崩れ落ちる。
漫画の世界かのように、崩れた。
勿論、痛い。
嫌になる。
死にたくなる。
消え去りたくなる。
忘れ、去ってしまいたい。
もう動く気になれない。
近くにあった綺麗なタオルで口元を拭い、もう1枚のタオルを頭に敷く。枕のように使う。
ゆっくりと呼吸を繰り返す。
ぼやけた視界とくすんだ思考回路を機能させる。
このまま眠ってしまおうか。
風邪を引いてしまうと思った。
けれど、もうどうでもよかった。
体を引き摺り、寝床へ向かう。
そして、金曜日と同じように
倒れるように、布団に転がり、眠ることにした。