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【3分読書メモ】読む力(松岡正剛/佐藤優)を読んで
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■基本情報
書名:読む力 - 現代の羅針盤となる150冊
著者:松岡正剛/佐藤優
出版元:中央公論新社
出版日:2018年4月9日
ジャンル:対談集
読書メーター:https://bookmeter.com/books/12756050
■書籍内容(紹介ページより)
松岡氏、佐藤氏、初の対論集!既存の価値観がすべて費えた混沌の時代に、助けになるのは「読む力」だと二人は言う。「実は、高校は文芸部でした」という佐藤氏の打ち明け話にはじまりサルトル、デリダ、南原繁、矢内原忠雄、石原莞爾、山本七平、島耕作まで?! 混迷深まるこんな時代にこそ、読むべき150冊を提示する。これが、現代を生き抜くための羅針盤だ。
■気になったポイント(引用文)
私は、毛沢東が書物主義に反対したことを、ときどき思い出すのです。「調査なくして発言なし」と、書から学ぶことを排撃し、異常な現場主義を徹底した結果が、あの暴力性なんですね。いろんなメディアの報道なんかを見ていても、日本が毛沢東主義に近づいているような感じがしますよね。
<メモ>行き過ぎた現場主義は暴力性を伴う。
読むとは、従属することではない。守って破って離れることだ。読むことによって、読者はもう一冊の本を編集できるのである。
<メモ>作者の心情や考えを理解するだけでなく、「では自分はどうなのか?」と、読書を通して独自の思考を展開するのが大事。
読書にはそもそもコンデンセーションやコンプレッションが必要です。本自体も濃縮や圧縮が起こっています。本を読むということは、それを解凍する作業でもある。冷凍食品は、解凍しない限りは食べられない、味もわからない。それと同じです。
<メモ>書物とは「冷凍食品」である。
そうした「通俗本」は、人々を大いに助けるものでした。『論語』は読まないけれども、『論語の読み方』という本はよく売れるとか、行動経済学の学術書など手にしたことはないのに、その学問に立脚したビジネス書は、もう三〇冊も読んでいるとかいう現象が、頻繁に起こるんですね。まあ、誤った通俗化で、間違った知識を身に付けてしまうことも、往々にしてあるのですが(笑)。
<メモ>多様化の時代に必要なのは「案内人」
佐藤:聖書もそうだし、仏典もそうだし。誤解を恐れずに言えば、ポルノグラフィーに転換できないものは、よいテキストではないと思います。
松岡:それが、連想力とか推理力を鍛えるのです。ひたすら暗示的で、表面上は隠す。でも、隠すためには、概念の発明が必要になるわけです。
<メモ>人間は「視えない」ものに興味を惹かれる。
■こんな人におすすめ
古今東西の名著に関する論評に興味がある
知の巨人(松岡正剛/佐藤優)の読書スタイルを取り入れたい
普段は手に取ったことがないジャンルの読書に挑戦してみたい
「読書とは何か」「教養とは何か」を自分なりに掴みたい