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形のないものに誰が愛なんてつけたのだろう?
中島みゆきさんの『あした』という曲に出てくる歌詞です。
そういえば、世阿弥は、舞の心得として「目前心後」ということを言っていました。
「風姿花伝」(岩波文庫)世阿弥(著)野上豊一郎/西尾実(校訂)
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目は前を見ながら、心の眼は自分の背後に置かなくてはならないという訓えだそうです。
形のないものは、見ようと意識を働かせない限り、見えない人には一生見えない世界があるのでしょうね(^^;
例えば、これまた古い曲だけど、鈴木一平さんの「水鏡」の歌詞の内容は、切なくも悲しくて、健気な女性の悟りと言えば、少し無慈悲な感じですが、諦めにも似た気持ちが淡々と語られていて、もう、十分がんばってこれたのだから、これからを・・・・・・、これからの自分を生きて欲しいと願わずにいられない思いも、また、形のないもののひとつなんだろうなあ。
♪一生一度きりの別れならばいいものを 人は幾度となく 悲しみを繰り返す
手さぐりの中でふと 抱かれるような 甘い思い出は通りすぎてゆく
振り返ることなく明日だけをみつめながら いつか来た道と 気付かずに歩いた
そこは幸せと 不幸の別れ道 悲しみおぼえた出逢い道♪
この歌詞の様な愛もそうだろうし、優しさとか、知識や情報や技術も・・・・・・
隣り合わせるということが、一緒に生きていくということと知ったり、不幸が幸せへの出発点であることを経験したり、これまで学んだことが、どのように役に立つかどうかを決めるのは、いつでも学ぶもの自身です。
価値は知識や情報や技術、ましてやお金に内在するのではなく、それを用いる人間が構築するのであり、その質を深めるのは、不安定の量に正比例し、成長するためには負荷をかける必要があるのでしょうね。
もしかしたら、自分自身を十分に愛せていないから、相手やものに何かを求めてしまうのかも。
この古い曲もだけど、恋愛に不器用な男女を描いている長渕剛さんの「素顔」にも、男と女の切ない愛が詰まっていましたね。
♪さあ化粧を落としたら髪を梳かしてこのまま静かに眠ろう♪
さて、前述の曲中に出て来たプレゼントに関して、パメラ・グレンコナーが、こんな事を話していました。
「贈り物をあげることは一つの才能だ。その人が望んでいるものを知り、いつどのようにすれば手に入れられるかを知り、愛情を込めて上手にあげることができなければならない。」
自分中心の考えで自己満足しても、相手は同じように満足するわけではないからなあ~^^;
相手の立場になって考えられるような、柔軟な発想を持ち、相手が何を望んでいるかを考えてみる時の指標として、以下の図書とか参考になると思います。
「HARD THINGS(ハード・シングス)―答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか」ベン・ホロウィッツ(著)小澤隆生(日本語版序文)滑川海彦/高橋信夫(翻訳)
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また、自分と同じ状況の人や、もっと苦しい立場の人がいると思えば、考え方も変わるし、「悩んでいるのは自分だけでない」という仲間意識は、人間にたいする愛情、社会にたいする認識となって、人々を前進させるのだと思います。
ポイントは、相手の立場に立て!
普段周りの人からして欲しいことや、かけて欲しい言葉は何だろうか?
自分がして欲しいと思うことを、まず周りの人にしてあげる。
決して見返りを期待するのではなく、常に自分から与えることだけを考えてみることは、でもなあ~中々、思うようにいかないけど^^;
会社も家庭も、そう、団体競技も同じ。
愛と相互理解と仲間意識のあるところ、うまくいくようにできています。
自分がいくら正しく良いと思っていても、相手が同じように感じているとは限らない。
相手の立場に立って、相手の気持ちになって、物事を考えてみれば、見えなかったこと、感じなかったことも、少しづつでも分かってくるはず。
だから、相手から声をかけられる前に、自分から声をかけてみる。
相手が何かをしてくれるのを待つのではなく、自分から何かをしていく。
先に声をかけるだけでも、受け身の時に比べ気持ちは随分違ってくると、そう思って行動に移しています。
だからこそ、そんな、小さな変化を愛すること!
そのためにも自己肯定感を高めることがポイントだと考えていて、以下の図書とか参考になります。
「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 特別動画付き」島村華子(著)
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また、作家のアラン・コーエンは、「よい人間関係を築こうと思ったら、あなたの愛の気持ちを相手に示すことだ。」と語っていたし、自己啓発コンサルタントであるアンソニー・ロビンスも「私たちは変化を愛することを学ばなければならない。なぜなら、それだけが確かなことだから。」と語っていたので、今の状況や環境は、いずれ必ず変化するという前提で行動しても、行きたいよね(^^)
環境の変化に適応できなければ、取り残され衰退を待つだけになるから、アフターコロナに備えて、今あるものがいつまでも続くという考え方を、早く切り替えないと、な^^;
そういえば、小さい頃、公共の乗り物や施設なんかで隣り合わせたりすると、ミカンやあられなんか、くれた人がいたけど、それは、人は、ひとりでは生きられないってことを教えてくれてたのかなって、今更ながら、そう感じています(^^)