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【「嗜む」のすすめ】趣を凝らした造形とアイデアの数々に焦がれ本を嗜む
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私達が密かに大切にしているものたち。
確かにあるのに。
指差すことができない。
それらは、目に見えるものばかりではなくて。
それらを、ひとつずつ読み解き。
それらを、丁寧に表わしていく。
そうして出来た言葉の集積を嗜む。
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■テキスト
「日宣美の時代 日本のグラフィックデザイン1950-70」
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1938年に結成された日本宣伝美術会、通称「日宣美(JAAC)」。
敗戦後の混乱と荒廃の中にある東京で図案家たちが集い、結成した団体が「広告作家懇話会」で、それを母体に、山名文夫、新井静一郎、河野鷹思、亀倉雄策、原弘、今泉武治、高橋錦吉の7名が正式な発起人として設立したのが、日本宣伝美術会 (Japan Advertising Artist Club=JAAC)とされています。
「日宣美」が消えたあと、JAGDA展が始まりましたが、日宣美展の様な、デザイナーの魂を注入した手描きのポスターを見る機会は少なくなったそうです。
その後、東京デザイナーズ・スペースやJAGDA、東京ADC等、今日のグラフィックデザインを支えることには間違いありませんが、日宣美がなければ、70年代のグラフィックデザインの爆発的な発展はなかったと思っている方も多いように感じます。
本書は、設立から解散までの20年の活動を記録した貴重な一冊。
1950年の創立前後から、年代順に、
山城隆一
「猫のいる風景」山城隆一(著)
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山名文夫
「山名文夫作品集 プラトン社から資生堂まで女性を描いて50年」
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瀧口修造
「余白に書く―Marginalia (1)」滝口修造(著)
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土屋耕一
「土屋耕一のことばの遊び場。」土屋耕一(著)和田誠 (編, イラスト)糸井重里/松家仁之(編)
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「土屋耕一回文集 軽い機敏な仔猫何匹いるか」
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ら、錚々たるデザイナー陣のテキストとともに紹介しているので、とても楽しめる一冊だと思います。
緊張感あふれるレイアウトや文字組の繊細さ等、他分野だけど、学ぶべき所は、山ほどあります。
少し大きくとか、少し移動とかができない、ギリギリまで追いつめた完成度が凄いと感じます。
【参考記事】
■28夜280冊目
2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)
みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。
どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。
そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。
その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。
さてと、今日は、どれを読もうかなんて。
武道や茶道の稽古のように装いを整えて。
振る舞いを変え。
居ずまいから見直して。
好きなことに没入する「読書の稽古」。
稽古の字義は、古に稽えること。
古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。
西平直著「世阿弥の稽古哲学」
自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)
さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・
【「嗜む」のすすめ】趣を凝らした造形とアイデアの数々に焦がれ本を嗜む
アイデア No.131
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アイデア No.167
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アイデア No.256 Typography ∞
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アイデア No.322 オトル・アイヒャー
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アイデア No.337 トマト:アンダーワールド
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アール・デコのパッケージ
木村勝
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包 Tsutsumu
岡秀行
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ブルーノート アルバム・カヴァー・アート
グラハム・マーシュ他
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じょうずなワニのつかまえ方
ダイヤグラムグループ
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タイポさんぽ 路上の文字観察
藤本健太郎
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