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【知的ボクシング】ラウンド8:不足の美、未完の美、余白の美。そして引き算の美学。

KYON.Jさん撮影

■ファイト内容(問い)毎の答えを考える時間:3秒~3分

■ファイト内容(問い)

①吉田兼好「徒然草」


「すべて、何も皆、事のととのほりたるは悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり。」(82段)

「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。・・・よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。」(137段)

②岡倉天心「茶の本」

“It is essentially a workship of the Imperfect, as it is a tender attempt to accomplish something possible in this impossible thing we know as life.”(茶道の本質は不完全なものへの崇拝で、人生って不可能なものの中で何か可能なものを成し遂げようとする繊細な試みだ。)

“True beauty could be discovered only by one who mentally completed the incomplete.”(本当の美しさは、不完全を心の中で完成させた人だけが見出すことができる。)

"In religion the Future is behind us. In art the present is the eternal."(宗教においては未来はわれわれのうしろにあり、芸術においては現在が永遠である。)

③松岡正剛「17歳のための世界と日本の見方」

「何もないからこそ、想像力で大きな世界を見ることが可能になる。あるいは、何もないからこそ、そこに最上の美を発見することができる。」(P323)

④洪自誠「菜根譚」


「醲肥辛甘非真味。
真味只是淡。
神奇卓異非至人。
至人只是常。
醲肥辛甘(じょうひひんかん)は真味にあらず。
真味は只だこれ淡なり。
神奇卓異は至人にあらず。
至人はただ是れ常なり。」
料理の真の味わいとは、さらりとして淡泊なもの。才能があってもひけらかさず、無欲に淡々と生きなさい。

⑤ダンカン・ワッツ「偶然の科学」


「どの時点も物語のほんとうの『終わり』ではない。その後も必ず何かが起こるのであって、その後に起こったことは現在の結果に対するわれわれの認識だけでなく、すでに説明した結果に対する認識までも変えやすい。」

⑥レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」
夏目漱石は「永日小品」(1909)でモナ・リザを「気味の悪い顔」と評した。

「モナ・リザ」は絵画そのものの素晴らしさではなく、絵に備わった歴史上の偶然により名画の地位を獲得した。
常識は偶然の寄せ集めにすぎない。

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