ロジラテ思考のマネジメント「的を外さない戦略戦術の立案法」#A08
足元ばかり見ていると「目指す姿」を忘れ、いつのまにか「手段」が「目指す姿」に入れ替わり、「忙しがったけど成果あがってないよ!」ってなことになってしまいます。
それをもっともよく示す例で、最近話題のEV車があります。
CO2削減の有効な手段として賑わせていますが、よく調べると実はそうではなさそうです。
各国の自動車メーカーは、どこで車を作っているかというと、殆どは中国やインド、アフリカです。
っということは、全車EV化より当面はハイブリッド車と併用したほうがCO2削減目標には近づくはずなんですが。。。。
結局、欧州メーカーが日本自動車メーカーに勝つための旗印しとして、EV化は有効な手段(戦略戦術)になってしまっています。
「目指す姿」は忘れ去られ、戦略戦術が目的になってしまった典型です。
1.的を得た戦略戦術は、どうやれば立てられるのか
的確な戦略戦術は、目指す姿を見失わず、正しい現状把握をしていないと生まれません。
「そんなことは当たり前でしょ!」と思われた方もいらっしゃると思います。
しかし現状把握を行い、それを時系列に記録し、そこから仮説と課題を導きだしていかないと的確な戦略戦術は生まれないと言ったらどうでしょうか?
下の図をご覧下さい。
このプロセスは、市場の変化や、メンバーの報告から得た情報をもとに「仮説立て」、「課題設定」、「解決」、「実践」を繰り返しています。
その結果、生まれた「成果があがった課題」と「失敗した課題」を、記録をもとにメンバーと議論していけば、次年度の的確な戦略戦術が出来上がります。
2.的確な戦略戦術は「仮説」と「課題」の質で決まる
仮説と課題を考える前に、はっきり自覚しておかなければならないことがあります。
それはあるべき姿と、顧客の困り事と、ターゲット領域(視点)です。
ここでいう顧客とは、売り先のお客様であったり、社内の社員、広い意味では社会という意味です。
さて顧客の困り事(問題)を見つけたとします。
最初に考えることは、その問題は自社の目指す姿(あるべき姿)と合致しているかどうかです。
合致していないことであれば手を出すべきではありません。
何故なら、自社の強みや資産を有効に活かすことができないからです。
ここを間違うと、手段が目的となってしまいます。
次に考えることは、自社が貢献できる領域(視点)はどこか?です。
例えば、生活上の問題なのか?個人の問題なのか?、仕事上の問題なのか?のように、顧客のどのターゲット領域(視点)で、自社の強みを活かせるのか見極めることが必要です。
ターゲット領域(視点)が絞れたら、顧客に貢献できることについて、仮説と課題を設定していきます。
3.現状把握を時系列に記録すると、成果は格段にあがります
取り上げるべき問題の取り上げ方、仮説と課題の設定法を述べてきましたが、次に現状把握の時系列記録法についてお話します。
下図は、私が考案したロジラテ思考ノートです。
ご覧の通り、「何が起こって」、「何故それが起こって(仮説、課題=戦略)」、次月に行う「戦術」プランを落とし込んでいます。
これを毎月 時系列に記録して、評価反省すれば次年度の戦略戦術に落とし込めるようになります。
このロジラテ思考ノートは、戦略戦術の立案に役立つだけでなく、メンバー全員と共有することにより、インナーコミュニケーションの促進にも活用できる万能ノートです。
ご興味あれば、コメント頂ければ嬉しいです!