「幾ら稼げば幸福なれるのか?」を知る方法。
事業を成功させて大金を手に入れ、やりたいこと、欲しいものを全て手に入れる人がいます。
そこまでいかなくても、会社で上席ポジションに就いて権力、財力を手に入れる人います。
このような人達は、他人から見れば成功者と言われますが、彼らをよく観察すると意外にそうでもないことが分かります。
例えば、〇〇モータースの社長や息子、某芸能プロダクションの前社長、更に言えば、新宿の接客業で大金を手に入れた挙げ句、事件になった人達です。
この人達が本当に幸福を感じているのかどうかはさておき、人生で成功するとはどういうことなのかについて、考えてみました。
1.私の現役時代の幸福感
現役時代は、常に競争のなかで成果を上げて高い評価を獲得し、昇格によって収入が上がる世界でした。
収入が上がれば、ライフスタイルが変わり、食生活が変わり、子供達の教育も変わり、それが幸福の源だと思っていました。
自分が勝てば、誰かが負ける。
自分が負ければ、誰かが勝つ。
つまり組織は、ゼロサムゲームです。
しかしリタイヤした今、具体的にどの点が幸福だったのか自問自答すると、何も思い浮かばないのです。
衣食住は十分満足のいくものだったのに、いつもゼロサムゲームに勝つことばかり考えていて、心穏やか過ごした記憶がありません。
実は、不幸だったのか? と今にして思います。
2.興味深いイギリスの国民幸福度調査
日本の幸福度の指標は、GDPの成長に焦点をあてています。
つまり経済的に豊かかどうかです。
この考え方だと、ゼロサムゲームで勝ち残った人達が豊かな生活を送るということになりますが、イギリスではGDPに加えて以下の5つの指標(PERMA)を加えています。
PERMAをよく見ると、社会との関わりや人間関係の良好度を示しています。
人の幸福度を下げる要因は、貧困、病気、不況などですが、これらは収入を増やすことで解消できることです。
PERMAでは、人の幸福度を上げる要因は社会、人との関わり方の質を上げ、個人の目的目標を持って生きていくと幸福度が上がるとしています。
つまり、人が必要とするお金の損益分岐点は、貧困、病気、不況などの不安を取り除けるほどの財力であり、それ以上の財力は幸福度にはさほど影響しないといえるのではないでしょうか?
人生を維持するための損益分岐点を越えれば、あとは人と社会と人の関わり方と、個々の目的目標を持つことでPERMAの質を上げることが重要だといえます。
3.幾ら稼げば、幸福になれるのか?
以前、一緒にビジネスをしたAさんは、お金を集めるプロフェッショナルでした。
ミーティングで彼から出てくる言葉は、お金の集め方と稼ぎ方ばかり。
顧客がいかに喜ぶか? 顧客にどんな貢献をするのか?については殆ど言及がありませんでした。
私からみれば、今のキャッシュフローがあれば十分顧客に貢献できて、我々の利益もとれる事業であったのですが、彼は常に新しい投資家を探し、乱暴な稼ぎ方しか考えていませんでしたので、早々に離脱することにしました。
さて話は戻りますが、われわれは幾ら稼げばいいかについて、『LIFE SHIFT2』に興味深い論説がありましたので、ご紹介します。
この本を読んだとき、はたと気がついたことがありました。
ビルゲイツなど大成功した起業家達は、最後は財団をつくって社会に貢献しています。
この行為を偽善行為だと仰る方もいらっしゃいますが、どうやらそうでもなさそうです。
その人の人格、生き様、経験にによって金額は異なりますが、人生の不安を払拭できるほどの財力を越えるお金は、幸福度にはあまり影響がないことがわかります。
最後は、社会との関わり、人間関係への貢献、個々の目的目標を達成できる人生を送れることが、幸福だといえのではないでしょうか
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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