情報の海で真実を見極める方法:ビジネスとAIの伝言ゲーム
情報は、ビジネスにおいて成果の源泉であり、会社は「もっと情報を集めろ!」と言います。
しかし、情報の中には本物もあればガセ情報もあり、ビジネスマンは成果に繋がる情報を見極めなければなりませんが、そう簡単に見分けられることではありません。
何故、正しい情報の選別が難しいのか?
それは情報源となる人もその情報が正しいと思い込み、聞き手もそれが本物の情報だと思い込み、まるで伝言ゲームのように情報が原型を留めないくらい変化していきます。
最近は、人間同士だけでなく、AI同士の伝言ゲームに我々は巻き込まれ始めています。
今日はこの新しい環境のなかで、成果に繋がる情報の見極め方についてお話しします。
1.伝言ゲームが恐ろしい理由
伝言ゲームは、一番最初の情報と最後の情報との差異を楽しむことです。
なぜ楽しいかというと、最後の人の言葉は結果として「嘘」になるのですが、ゲームに参加している人達は決して嘘をつこうと思っているわけでもなく、正確に伝えようとした結果が「嘘」になるからです。
つまり、人の記憶はまったく当てにならないということを楽しむゲームです。
ビジネスも伝言ゲーム的な面がありますが、求められるアウトプットは成果である点が大きく異なります。
例えば、
・その情報源は誰か?
・その人は、なぜそう考えたのか?
・その情報通りの現実はあるのか?
これらを見極めた上で、その情報が成果に繋がる情報か見極めないと、嘘は見抜けません。
2.AIの情報を信用してもよいのか?
ジョン・ブロックマン氏の著書『 天才科学者はこう考える』で、AIの伝言ゲームについて、以下のような面白い実験があったので、ご紹介します。
ご覧の通り、AIを駆使した情報ですら、伝言ゲームにかけると原型を留めない情報に変化してしまいました。
最近、AIを駆使した金融取引が流行っていますが、末端市場で起こった事件があっという間にインターネットで広がり、AI同士の伝言ゲームによって取引されます。。。。空恐ろしい。。。
金融ならまだいいですが、これが紛争に関わる事案だったら人類存続に関わる意思決定がされるかもしれません。
3.成果に繋がる正しい情報を掴む方法
読者は、ここまでお読みいただいて伝言ゲームの欠点はどこにあると思われるでしょうか?
もうお分かりだと思いますが、情報の接点が「点」だということです。
人と人が「個」で情報のやりとりが行われ、加工されて他人に伝えられていきます。
そうなると情報の質を精査する前に、どんどん他人に伝わっていき、最後はまったく違った情報に変化してしまいます。
そうならないようにするためには、どうすれば良いのか?
そのために次の2つのフィルターを使います。
1)ドラッカーの5つの質問で情報の質を精査する
入手した情報を、自分のビジネスにおいて次のドラッカー5つの質問に答えられるかを問うと、その情報が成果に繋がる情報か明らかになります。
このドラッカーの5つの質問とは、マネジメントの原点になる重要な質問です。
2.情報の背景をメンバーと議論する
得られた情報が、「個」の情報なのか?「社会」の情報なのか?をメンバーと一緒にロジラテ思考で情報を精査する。
情報がWhat~Howをメンバーと一緒に分析していくと、その情報は果たして成果に繋がる情報かどうかが見えてきます。
もし、AIがアウトプットされた情報でも、この手法であれば誤った伝言ゲームの情報かどうかがはっきり見えます。
「ドラッカーの5つの質問」と「ロジラテ思考」でマネジメントすれば、かなりの確率で成果に繋がる情報を見極めることができるようになります。
一度試してみませんか??