バスケなめんなよ 13話
格の違いって感じかな
いよいよ成立中との試合が始まります。
僅かな時間で何度もシミュレーションをしてみましたが、やはり鳥川中が勝利する要素が1つも出てきませんでした……
当たって砕けろ!とは、まさにこのような状況の事ですw
7-2-7
スタメン
涼 ガード
大翔 シューティングガード
三井 スモールフォワード
槙野 パワーフォワード
金剛 センター
身長は鳥川中の方が高いので、ゴール下のシュートで勝負するしかありません。
案の定、ジャンプボールは余裕で金剛が勝ちました。
しかし、槙野の悪い癖が出てしまいます…
パスを受け取ったらすぐにパスを出し、カッティングをすればいいのに意味もなくレッグスルーやフロントチェンジを繰り返し、DFに詰められ…
困って涼にパスを出すものの、成立中の登山がこれを呼んでいたためライン際へ追いやられアウトオブバウンズ……
槙野マジで何がやりたいのだろうか…
成立中の攻撃は既に出来上がっているようにも見えました。
パスを出したらカッティング、ボールをもらうためにピンダウンスクリーンを多用、サイドに開いてスペースを空けておく、ボールを奪ってからの速攻への出方や広がり方等……
あとはこれらを徹底的にやり続け、強度を上げていくのだと思いました。
しかし、成立中の攻撃を引き立てているのは、それらの動きではなくDFです。
自分たちがゴールを決めると、凄まじいスピードでオールコートマンツーを仕掛けてきます。パス出しは大翔が勤め、涼はボール運びをやっていますが全くボールが運べません…
と言うか、ボールが出せないのです…なぜなのか解説します。
成立中がゴールを決めた後のDFのマークが早い
鳥川中がゴールを決められた後のボール出しが遅い
ボール出しの大翔がエンドラインを移動せずに止まってパスを出している
涼のボールを受ける位置が大翔に寄りすぎている
槙野が上から全く降りてこない
三井、金剛は我関せず…と言うか、何も分かっていない
こんな感じです。
格の違いを突き付けられた感じです…
とは言え、まずはボールを運ばない事には試合になりません。
1点も取れないまま2分が経過した所で、中川先生がタイムアウトを取りました。
やれる事をやるしかない!
このタイムアウトが功を奏したのか、涼は良い位置でボールをもらい槙野が涼のマークの登山にスクリーンを掛け、何とかボールを運び最後は転びそうになりながらゴール下の金剛へラストパス!金剛がこれをキッチリ決め、鳥川中がやっと点を取りました。
今できる事はこう言う事だからやり続けるしかない!
と、思った瞬間に成立中は速攻を仕掛け3Pを決めていましたww
本当に強いし、抜け目がない…涼は一体どうするのだろうか?
涼は何とかボールを運び、試合を作ろうとしています。
涼が選んだ攻撃は金剛のセンタープレーでした。
ローポストに金剛を動かし、少ないドリブルでシュートまで行けるよう調整しパスを出しました。金剛のマークマンは庄野なのです。
身長は金剛より少し低い感じなので、ガツガツ来ると思いきや全く来ませんww
これはかなり良い情報を得たなと思いました。金剛で行けばいい!私はギャラリーから涼に言いました。
鳥川中学校の不安要素
しかし、厄介な事が判明しました…
槙野がボールを持ってる選手に寄ってくるのです…
涼は大翔と何かやろうとしているのですが、槙野が毎回近寄ってきてまきのDFにボールを取られてしまうのです…
槙野…鳥川中学校不安要素
あと、槙野のポジションがおかしいのです。
涼がTOPでボールを持っている時に、その後ろ…つまりセンターサークル付近に移動し、パスを要求しているのです……もうマジで何考えてるか分からない…
こんな事が続き、槙野が絡むとシュートまで行く事が出来ません。
成立中が鳥川中のグダグダを見逃す訳がありません。
絶対エースの登山が個人技でどんどん点数を重ねていきます。
登山は本当に上手いし、強い!
ドライブも鋭く、レイアップはほぼ外さない。
そして、DFも一切手を抜かない。仮にシュートを外しても、必ずと言っていいほど自分でリバウンドを取り、ゴール下のシュートを決めてしまいます…敵ながらあっぱれですw
鳥川中のバスケはと言うと
全員のドリブルスキルが低いためボール運びが困難
シュートスキルが低すぎて全くシュートが入らない
オフェンスの動きを教えてもらっていないため、バスケになっていない
リバウンドに全く入らない(金剛、槙野もほぼ入らない)
キャッチミスが多い(槙野、金剛、三井、大翔)
トラベリングが多い(金剛、槙野)
そして、ここからが本当にマズい所です。
フットワークをまともにやっていないため、バスケの動きが出来ていない
すぐに諦めて下を向いたり、ダラダラ歩き始める
DFのヘルプやスイッチが全く出来ていないし、知らないはず…
今の鳥川中は100回成立中と試合をしたとしても1回も勝てないでしょう。
それくらいのレベルの差があります。
この後にある、成立中×中央中の試合を見てみないと何とも言えませんが、おそらく今の時点では成立中が頭2つ抜けてるのだと思います。
その後試合は成立中がゲームを支配し続けました。
オールコートマンツー、3P、速攻、デザインされたOF、大差がついても手を抜かない姿勢等、その全ては会場にいる全てのバスケットボールプレーヤーのお手本になる素晴らしいプレーでした。
鳥川中はと言うと
金剛がトラベリングしまくり…
槙野は人のパスを取って強引にドライブ…ボールを奪われる…
涼と大翔はボール運びに苦戦、その影響で体力を奪われるも必死にプレー
大翔はドライブで切り込めるのですが、全くシュートが入りません。
三井はもはや何もしておりません…
涼が何とかドライブし、ノーマークの金剛にラストパスかそのまま涼がシュートの2択しか攻撃のパターンがありません。
なぜゴールに近い場所にいなくてはイケナイ槙野がTOPにいるのかマジで意味不明だし、怒りさえ覚えてきました…
そして試合は終了しました。
鳥川中 成立中
18 48
7分の2Qの試合で30点差です…
フルゲームで、成立中が手を抜かなかったら100点ゲームにされていたでしょう。
おそらく鳥川中は30点も取れていないでしょう。
何もできませんでした。
涼はまともにボールを運ぶ事が出来ませんでした。
そして、1度も登山に対して1on1を仕掛ける事が出来ませんでした。
おそらく止められると分かっていたので勝負しなかったのでしょう。
本当に情けない限りです。
ガードとしての役割を果たせなかった事もそうですし、キャプテンとしても全く機能しませんでした。
何より、バスケットボールプレーヤーとして一番やっては行けない事をしてしまいました。
それは、試合を捨てた事です。
これは涼だけではありません。
鳥川中のメンバー全員です…本当に頭に来ました。
私はこのまま帰ろうかとも思いましたが、妻の必死の説得を受け最後まで見守る事にしました。
成立中にボロ負けした涼たちは泣いていました。
私は彼らがなぜ泣いているのか理解できませんでした。
最後までやり切らなかったポンコツ野郎共が!
私は心の中でそう叫びながら口では
私「次の中央中も前から当たって来ると思うけど、成立中程じゃないから大丈夫だよ!とにかく、ゴール下と自分のDFを見失うなよ!がんばれ!」
槙野「……ハイ」
大翔「…ハイ…ありがとうございます」
金剛「ハイ…ありがとうございます」
三井「……」
涼「……………」
私「大丈夫!中央中と鳥川中の強さはほぼ一緒だと思うぞ!ミスを無くせば勝てる!」
全員ほっとした表情に戻りました。
私は嘘は言っていません。
中央中と鳥川中は互角の勝負をするはずなのです。
理由は両方の試合を観ているのでわかりますww中央中に勝てば、2位になれます。
その後に2試合ありますが、間違いなく鳥川中が勝てます。
だから次の中央中には、絶対に勝たなくてはいけません。
1試合挟んでからなので、体力的にも問題ないはずだし行けるだろう…
こんな部活で良いのだろうか?
私は車でコンビニに向かいながら考えていました。
「涼たちの最後の大会は来年の6月かぁ……」
「あと何ヶ月あるんだ??」
「……10ヶ月も無いのか!!」
「このまま中川先生の元でバスケをやっていて、涼たちは成立中学校に勝てるようになるのだろうか……別に中川先生が悪い訳じゃないんだけど…」
「正直、全員が180度考え方を変えないと、彼らの目標の県大会はおろか、成立中に勝てる事も不可能だと思うんだけどな…」
色々考えていると、涼たちの試合の時間が迫っている事に気づきコンビニを後にしました。
成立中学校を見て感じた事です。
全員が全力で走って、全力でボールを追いかけて、全力でバスケをしていました。
そこに、デザインされたオフェンスの動きやDFの動き…
そして、個人の能力値が突き抜けている「登山」「庄野」…
登山と庄野だけではなく、残りの3人も全く手を抜いたり、不貞腐れたりする様子も見受けられませんでした。
シュートを外したら悔しがり、リバウンドや次のプレーに入らないなんて事もありませんでした。
どう考えても、今日の大会で鳥川中学校が成立中学校に勝つ事は不可能でした…この事実を部員達に継続して教えて行かないと、涼たちは強くなれないでしょう…
あと、成立中学校の部員は
バスケが強くなるためには、バスケ以外をきちんとする事!!
を、完全にやれているように見えました。
鳥川中学校はどうなるのだろうか…
次回は
中央中学校と、2位を賭けた戦い!!!
ぜひご覧ください!!!!!
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