都築郷士 ちよつとはみだ詩・❲伍拾❳ 附・詩人の為の(秋冬)ワードローブ集
火山灰墓の茶碗に沈澱す 三橋敏雄
覚え易く、しかも情緒を余すところなく見せ付けてゐる。まあ切れがなんの言ふより、現代性と伝統がいゝ具合にマッチしてゐる、こんな句型には憧れるね。
【なんと】
はみだ詩続けて早くも50回目
私の詩は「秋髙く」どころか
相変はらず穢土をのたうちまわつてゐる
忙しい?訳もない、
私が本氣でも他人はそいつを
しよいこむ事まで斟酌してくれなからう
まあでも50だ
私には分かつてゐる
何事もこれから、始まる、のだと。
©都築郷士
【雑詠①】
腰痛く屈曲位で寝る危ない夜私にマットレス買うとくれ
※
菊枕菊肛などゝ云つてるあはゝ
※
疲れた脳を休ますに足る休みの詩
※
秋彼岸とうに過ぎ涼しが常態
※
長年の愛憎ありと云ふことは結局愛と憎しみ仲良く
※
わが夢はバウムクーヘン巨大なる、に坐し牛乳を飲むことなん
©都築郷士
【虚言箴言】
日本と言ふ嶋國は、しよつちゆう「神風」とか言ふ颱風に助けられたり、損害を受けたりしてゐるらしい。ナイル河の氾濫のやうなものか? - ラ=ロシュフコオ (大嘘)
大航海時代を間近に控へて、日本學はまだまだこれからと言ふ贋ラ公であつた。
【でんでろでろでろ】
でんでろでろでろ
で、始まる(何がどうした、
と言ふ論から外れた擬聲語である)
日野日出志先生の
往年のグロテスク漫画 -
ホラー漫画ではない。
先生ご自身は御作が多すぎて
いつの何と云ふ作品だか
思ひ出す事がお出來にならないだらう
兎に角怖かつた
私自身の話ぢやないが、
怖すぎて土に穴を掘つて埋めた、
と言ふ手合ひさへゐる
らしい。
先生ご自身は今
大阪藝大で教鞭を執つてをられ、
それは大層いゝ現在である
と、私は思ふ
若年期のオーヴァーワークを
穴埋め(はゝ)するかのやうに
ご自愛を
そして杉浦茂大先生愛を
何となくなされ、
若い衆に漫画のキモを
何となく伝授する..
激動の時代をくゞり抜けて
再び暁を観られる、
老後
どころか再出発の昨今
羨ましかりし人生、
あゝ手塚先生にも愛された
大漫画家・日野日出志、こゝにあり、
白髭靡かせて!
©都築郷士
【雑詠②】
細かい字後ろから常に照らさる字私にはやゝ目新しいが(疲れる)
※
眼精疲労効くのは魚の目玉なり
※
近ごろは付き合ひ薄き人なれど臍の尾のやう繋がつてらあ
※
山びとの曰く山眠るなし
※
関係ないタブはタブーと明記してスマホ業界忙しかれど
※
たまさかの川越で会ふ元のツレ
©都築郷士
50回目はいゝんだけど、なんだかやつつけ仕事的な部分も露呈。そこら辺は心苦しい。まあでもこれから、と言ふ氣持ちで頑張ろー勝ち取ろーつてなんや春闘か?
ま、それぢやアデュー。都築でした。
食つたことも聞いたことすらないけれど里芋フライは不味いか知らねー
(©都築郷士)オマケ。