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#現代短歌
都築郷夫 ちよつとはみだ詩・❲卅❳ 附・詩人の為のワードローブ集
ダメヨ、ダメダメと、逃げる芳恵に、私はなおも執拗に迫っていく。引っ掻かれようと蹴飛ばされようと、坊主頭をふりたてて蒸気機関車のD51(デゴイチ)のように突進する。(『ネコさんの好色十三月夜』金子信雄)
もっとみる都築郷夫 ちよつとはみだ詩・❲廿九❳ 附・詩人の為のワードローブ集
''味は心なり''と言われておりますが、ほんとうにそのとおりでございます。お料理をつくることによって心を練り、いかにおいしくつくるかで工夫をこらし、美しい盛りつけを考えることによって美意識を養います。こんな素敵な修行の方法が他にございますでしょうか。(米田祖栄尼)
もっとみる都築郷夫 ちよつとはみだ詩・❲廿七❳ 附・詩人の為のワードローブ集
その修行が辛く苦しいものであったことはわかるにしても、憧憬や心酔は畢竟するところ何物も生みはしないことを語っていた。- 白洲正子『西行』
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二人の思いはしばし声もなく相並んで往き、やがて遠く離れたところで、ふたたび言葉の中に浮かびあがつた。それでも、思いはなおも無言のまま手に手をとり、すべてがすでに語られたかのようだった。(「愛の完成」ロベルト·ムジール - 古井由吉訳)
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自治というのは本来豪族が下人や家臣を統率して村をつくることではなく、村民個々の人格と力量がみとめられて、その協議によって村の運営のなされるものである。(宮本常一『伊勢参宮』)
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前に暗さということを言ったのはあるいは必ずしも妥当ではないかも知れないが、古代にはなかった暗さ、古代以後のヨオロッパにはない明るさというものを適宜に言い表すのは難しい。(吉田健一『ヨオロッパの世紀末』)
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