言葉の魔力 創作でも共感させられる
以下は、日本帝国海軍は連合艦隊司令長官、山本五十六の言葉である。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
この言葉には人材育成で経験する大変さを言葉余すことなく的確に表現されており、マネジメントに携わる誰でも共感してしまう至理名言(しりめいげん)だろう。
もし凡人がこの言葉と一緒に何かを発言しようとすれば、「近頃の若者は」と語られがちだ。ビールのジョッキを片手で持ちながら。そのため、居酒屋でこの至言を引用して何か不満を語り、発狂するおっさんが多いこと多いこと。
この言葉は自分も好きではあるが、加筆したい気持ちがある。加筆させてもらえれば次となる。
だが、それでも人は動かず。
冷笑してるのでも、笑いを取りに来ているのでもなく、実際にそうなのだからしょうがない。だって、いくら口酸っぱく伝えても自主的に仕事しないんだもの(相田みつをのごとく)。
もし仮に、ここまで至れり尽くせりでやっとこさ重い腰を上げて動き出す部下を抱えようものなら、この手の人間はまず仕事はできないと断言できる。ましてや、そんなのに頑張られようものなら、そいつが仕事したあとのお片付け(尻拭い)に奔走しなくてはならなくなる。ちなみに、無能な働き者とについて、次のようにnoteを書いている。
そんなグチを書きながらふと思ったのが、山本五十六が所属していた、当時の日本陸軍は優秀なエリート集団でもある。そんな山本でも能力の無い部下に困っていたのかと、自分は不思議に感じた。そこで調べたところ、残念なことが判明した。
この山本五十六の名言だが、どうやら出典は不明とのことだ。
山本五十六が所属したエリート組織であるが、部下の人材育成では苦労した面はあったであろう。しかしながら、山本が発言したとされる名言は、当時の部下を間接的にディスることとなる。この名言は本当に彼の言葉かと問われれば、自分は違うと思うし、これは創作ではないかなと疑っている。
どちらかといえば、山本五十六が発言した言葉と伝えたら、誰もが耳を傾けてくれるだろうから、それで非エリート、どこその凡人が創作したのかしら?
だが、出典不明ながら、この言葉には共感を伴わせてしまう魔力があって不思議だ。