見出し画像

★【選手育成 ここからスタート】”成長する選手”のパターンを作り、チーム全体に浸透

(このnoteでは、強い高校野球チームを作るための方法を仮想の高校を見立ていろいろな角度からシミュレーションしております。野球に携わる様々な方に何らかの形でお役に立てるとうれしいです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤

選手の成長には”身体的な成長”と”技術的な成長”と”精神的な成長”があります。

選手の成長スピードには当然個人差があり選手の意欲・意識によるものも多いですが、成長するために必要な要素にはパターンがあるので、選手に「成長する選手は、こう考えている。こうしている。」と定期的に伝え、成長を促します。


”身体的な成長”

◉ 基礎の運動能力を高める

高校生だとまだまだ身長が伸びたり成長過程の生徒も多いので、野球だけでなく基本的な(全般的な)運動神経を高めることも必要です。一般的に”運動神経の高さ”は”体を思い通りに動かす能力の高さ”と言えます。
運動神経を高めるには「様々な動きを経験すること」がポイントです。野球に限らず様々な運動を経験するのは非常に良いことです。

◉ 定期的に運動能力測定を行なう

運動能力を高めるための基礎的なトレーニングは単調なものが多く、選手の高いモチベーションを維持するのはなかなか難しいので、定期的に測定し数値化して能力アップを確認できるようにすると、選手のトレーニングに対するモチベーションを維持することができます。(「他人と比較」するのではでなく「自分の過去との比較」し、過去の自分を超えるためのトレーニングにすると、どのレベルの選手でも意欲的に取り組むことができる)

月1回くらいで
    走力・柔軟性・握力・遠投・球速・スイングスピード 等
を測定できると良いです。

● 体力強化を進めるトレーニングは、年間通して同じことをするのではなく、時期により目的を変えるよう計画を組む。

● トレーニングは、目的を明確にし選手個々にあったものを正しい方法で行なう。

”技術的な成長”

技術的な成長は、「こうしなさい!」と押し付けるのではなく「こうすれば伸びる!」「成長している選手はこうしている」と強制でなく(指導する立場だからこそ見える)アドバイスの形で伝えることで、選手の自発的な成長を促します。

◉ ”成長に近道はない”ことを認識する

練習はどんな選手でも「上手くなるため」
に行なうものですが、上手くなるにはどうしてもある程度時間がかかります
特に野球の場合は練習の効果はすぐには現れることはなく、また成長過程でクセがついてしまうとそれを矯正するのに時間がかかるため、短期間に飛躍的に
成長する ことを願うのはなかなか難しいです(方法を変えることで飛躍的に成長…というケースはある)。

選手は即効性を求め「短期間に成長する方法は?」「効率よく上手くなる方法は?」「練習したのに結果が出ない」と短絡的に求めがちですが、成長の過程の中では必ず失敗や成功は繰り返されることを伝え、ある程度の結果が出るまでに時間がかかることを伝えます。少なくとも最低3ヶ月のスパンで
成長を考えるべきです。
     ● 3ヶ月素振りをやり続ける。
     ● 3ヶ月フォーム修正に取り組む。     等
仮にこの期間で結果が出なかったとしても決して無駄ではなく、その経験から学べたことを次の努力や練習に生かしていくようにします。

近道して成長しようとせず、
     「遠回りってすごく大事」「遠回りが一番の近道」
という意識で試行錯誤を繰り返し、いくつもの失敗を繰り返し
進むことを意識します。

◉ 課題を持って練習する

日々の練習はチーム全体のメニューに沿って進めるものが多く当然その中に監督・コーチが考える向上したい技術(練習の狙い)がありますが、その”指示を待って”練習を行なうだけでなく自分で考え課題を持って練習に取り組むと、より成長が早くなります。

試合では、特に瞬時の判断では選手個々が自分で考え判断することが重要になります。(タイム等、時間を取って監督の指示を受けることができるケースは別)
また練習時でも、チームの人数が多いと監督・コーチから選手全員に指示を伝えることができないので”指示待ち”だとその間何もできない選手が出てきてしまうことになります。

決まっている練習メニューであっても、その中で自分で考え工夫できることを行なうとその”工夫”が”成長”へとつながります。
≪例1 キャッチボール≫ ⇒ 試合の動きを想定したキャッチボール
  ● 悪い体勢からの送球
  ● ワンバウンド送球
  ● ボールの持ち替えを速くする

≪例2 アウトコースを反対方向に打つ打撃練習≫
                 ⇒ その狙いを考えた打撃練習

  ● なぜアウトコースを反対方向に打つのか?
  ● 監督・コーチの狙いは何なのか?
  ● 練習の目的は何なのか?
  ● どうすれば反対方向にきれいに打てるのか?
その練習について「なぜ」を考えることで
  ● もっとこうしてみよう
等 自分なりの仮説を立て練習することができ、それが試合で生きる選手の”引き出し”になります。

選手は常に指導者の想像を超えていくことが理想なので、周囲を驚かすような成長やプレーをするためにも考える力を身につけるよう意識します。

● オフシーズンは、細かな技術より基礎能力の向上を考える。

◉ 一流選手・憧れの選手の”ものまね”をする

一流のプロ野球・
MLB選手の見た目やプレーを”ものまね”するのも成長の近道になることがあります。選手が”理想の選手”をイメージとして持っている場合は、映像等で確認し取り入れるようアドバイスを入れていきます。

ものまねをすることで「やったことない動きをまねし、できるようになる」ようになり、その結果が能力の向上につながるということです。
ただし「(ただ単に)ものまねで終わらない」よう理想の選手が「なぜ、こういうことをしているのか?」を考え理解し練習から取り入れることが重要なので、選手に伝えておきます。

≪例 
足を高くあげる打者をまねする≫
一番重要なのは「この選手はなぜ足を高く上げているのか?」を考え理解する ことです。
  
足を高くあげることで…
      ● 後ろ足に体重をしっかりかけられる。
      ● 体が前に突っ込んでしまうのを防ぐ。
ことを理解した上で足を上げることを試し、自分に合う打ち方かどうか?足を上げる以外の良いアプローチ方法はないか?とさらに考えを深めより良い打ち方を作り出すきっかけにすることもできます。

◉ 定期的に技術測定を行なう

選手が技術的に上達したことを実感し、”もっと上達したい!”というモチベーションを保つためには、技術的な課題を定期的に測定し定量化することで能力アップを”数字で”感じることができるようにします。「投げる」「打つ」「捕る」という技術を数値化できるよう項目を設定し、定期的に測定を行ないます(キャッチボール・バッティング・ノック等 月1回くらいがちょうど良い)。数値化して能力アップを確認できるようにすると、選手の練習に対するモチベーションを維持することができます。(「他人と比較」するのではでなく「自分の過去との比較」し、過去の自分を超えるための練習すると、どのレベルの選手でも意欲的に取り組むことができる)

”精神的な成長”

身体的・技術的な成長以外にも、野球に対する取り組み方や考え方を深めることは大きな成長につながります。

◉ メンタルを良い状態に保つ

普段の練習・生活から感情に流されずメンタルを安定した状態に保つトレーニングをすることで、試合のプレッシャーがかかる場面でも浮つくことなく冷静にプレーすることができます。

◉ 良い行動を”ルーティン化”する

「練習で良い結果が出たこと」や「継続して行なうことで成長できること」は、意識しなくては行なわない…ということではなく自然に(毎日のように)できるよう”ルーティン化”することを意識して継続していくと、体がそのことを記憶し自然に継続できるようになっていきます。
例えば”毎朝5時に目覚ましをかけている”と”5時に起きることが習慣になり、自然に目が覚めるようになる”という感じで、最初は意識して行なうことが大切ですが、身に付けば無意識にできるようになります。「毎日決まった時間に行なう」等決めごとをして徹底すると良いです。

≪”ルーティン化”が大きな差になる例 素振り≫
素振りを毎日100回行なうと、まったく行わなかった選手と比較し
          1日で 100スイングの差
          1ヶ月で 3000スイングの差
          1年間で 36500スイングの差
と大きな差になります。

ルーティン化は、”意識して継続しなくてはいけないもの”を”意識しなくても習慣として継続できるもの”にすることです。
「努力を努力と感じない状態」
「人には努力に見えても、本人にとってはそうじゃない状態」
までなると、より成長が早くなります。

● 野球は”間”のスポーツなので、常に考えて動くクセをつける。

● 投球・打撃・守備・走塁のいずれにおいても"フォーム"を重要視する。

● キャッチボールは、正しい仕方を体で覚えることが重要

● 普段の生活でも”良い行動”をルーティン化すると、野球に生きる

● 球拾いのような行程こそ、時間の効率化を考えスピーディに動く

◉ アドバイスを成長につなげる

選手は各所からアドバイスをもらうことも多くなりますが、ただ単に「話を聞く」だけでなく、段階を持ってアドバイスを消化し自分の成長につなげることが大事である…ということを選手に伝えていきます。
第1段階  話を聞く
言われたことをとりあえず聞いていると いうレベルの状態です。
第2段階  アドバイスの意味を理解しようとする
意味を自分で理解しようとすることで、選手の成長につながっていきます。
第3段階  実行に移し、以降同じアドバイスを受けないようにする
ここまでの3段階をセットでできる選手は、成長スピードが早いです。

第2段階まではどんなアドバイスであっても行なわなくてはいけないもので、そこで「実行することが有効である」と判断したものは第3段階まで進み、「自分には有効でない」と判断したものは第2段階で終了します。

※ 野球のルールを理解する

野球のルールは他のスポーツに比べ複雑なので、ルールを細部まで知ることで必要な技術は何なのか・正しい方向をつかむことにもつながります。


※ 本noteでは、Amazonのアソシエイトとして適格販売により収入を得ています。

  ↓ 高校野球の歴史がわかる、おススメの書籍になります。

    ↓ 人気ブログランキング(高校野球)に登録しております。
                クリックをよろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!

工藤康博
よろしくお願いします!