【創作】タヌジゾウ(1,907字)【投げ銭】
僕の幼いころ、家の裏の池のほとりにタヌジゾウと呼ばれる化け物が住んでいた。普段は地蔵の形をしているけれど、実はタヌジゾウが化けたもので、夜な夜な正体を現しては池の中に住むタニシや鯉やらを食べていた。
タヌキが地蔵に化けたものだからタヌジゾウという名が付けられたが、実際に動く姿を見ると、タヌキとは別物だった。確かに体は茶色く、毛深く、口は尖って獣の牙を生やしていたが、キンタマは銀杏ほどと呼ばれる実際のタヌキより大きく、スイカほど。でっぷり出た腹を時おり手で太鼓のようにポンポン