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どんな時代でも自分の道を歩き続ける

毎日暑いですね。今日もあっという間に30度を超えています。これほど暑いと日中の読書はきついので、読書時間は夜中になります。

読み終えたのは、書店でもPOPが飾られていた「女たちのニューヨーク」

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2010年89歳のヴィヴィアン・モリスの元に、彼女が最後に愛した友人フランコ・グレコの娘アンジェラから自身の母の死とともに「母の逝去した今なら父があなたにとってどういう人だったのか、あなたは語れるのではないか」という問いの手紙が届きます。そしてヴィヴィアンはフランコとの関係を解き明かす手紙を書き始めるという形で物語は始まります。

1940年代の狂躁ショービジネス界とヴィヴィアンの挫折、第2次世界大戦中の奮闘、戦後における再生とグレコとの出会いをヴィヴィアンの語りによって綴られます。

あなたにはあなたにとっての完璧なニューヨークがある。だれの心にもそれがある。でもあの時のニューヨークは、永遠に、私だけのものだ。p31
わたしの身近な人たちは、時代よりも先にこの時代(1960年代)にたどりついていた。p543

1940年から2000年代にかけて、多くの女性が登場し、ヴィヴィアンに多くの影響を与え、ニューヨークという大都市で生き生きと生きる術を与えてくれる様子が鮮やかに描かれています。

まさに私の生きてきた時代に重なり、物語ほどではないけれど、時代の激変についていくのが精一杯だった今日までを思い起こしながら、胸が熱くなるような感覚で読み続けました。

最後に89歳の女性の今を語る部分が、私と重なっています。

世に中から人間がいなくなることはない。ただ歳をとるほどに、自分のまわりから人が欠けていく。愛する人たち。だれかをともに愛してきたひとたち。あなたの生涯を知っている人たち。そういう人たちが死んでこの世界から抜き取られていく。彼らが逝ったあとの穴を埋め合わせるのはきわめてむずかしい。p563

さまざまな個性を持つ登場人物、そして若さゆえの行動、恋愛や結婚ついての考え方など、どの年齢の方が読んでも今の自分と重ねることができ、色々な感想を持ちながら読み進めることができる良書だと思いました。

1940年、NY。19歳のヴィヴィアンは、グランドセントラル駅に降り立った。名門女子大を追い出され、叔母が営む劇場で暮らすためだ。ペグ叔母さんの下で、ヴィヴィアンは舞台衣装を仕立てるようになる。仕事が終わればショーガールのシーリアと遊びたおした。劇場はぼろいが、居心地がよかった。やがて、戦争で家を焼かれた英国の大女優と、ハリウッドの悪魔的才能の脚本家が加わると、彼らのショーは街じゅうの注目を集める。ところが、人々の関心は一変する。ヴィヴィアンの過ちが、街を騒がせるスキャンダルになったのだ。恋人も友だちも居場所も失い、初めて自分自身に向き合った彼女は――(Amazonん内容紹介)

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