読書メモ:学習設計マニュアル: 「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン について
学習設計マニュアル: 「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン について
先日、やっと読み終えた鈴木先生の著書について印象的に残ったことを記したいと思います。
プログラミングは現在、Webアプリの開発手順に沿って、1つずつ実施してる最中です。。
●インストラクションデザインとの出会いについて
教室の主役って誰なんだろうと思います。
個人的には、1時間の授業において先生のアウトプット量よりも、生徒のアウトプット量のほうが多い授業のほうが好きだなと思います。
発話量だと、先生3:生徒7くらいかな。 さらに緊張感があるととても素敵だなと思います。
学校の先生とお話するときに、いつもお伺いしていることがあります。
「先生は、どんな生徒を育てたいと思っていますか?」という質問です。 (柔らかくお伺いするようにはしてますが。。)
いろんなお答えを頂戴します。多くの場合は21世紀スキルと定義されているものから、普遍的な道徳心だったりします。
先進的な学校は、受験を勝ちぬく能力より(並行しながら)、将来を見据えた能力を学習の中で伝え始めていますね。
振り返る意味で、21世紀スキルとして以下をATC21は発表しています。
1.思考の方法
-創造力とイノベーション
-批判的思考、問題解決、意思決定
-学習方略メタ認知
2.仕事のための道具
- 情報リテラシー (情報を読み解く力)
- 技術を使いこなす力
3.仕事の仕方
-コミュニケーション
-コラボレーション
4.世界の中での生き方
-地域社会、国際社会での市民性
-人生とキャリア設計
-個人的責任と社会的責任
上記のスキルを身に着けたところで、
良い大学にはいって、良い企業に就職することがゴールでしょうか。 これだけのスキルをどう評価するかはありますが、社会的に活躍できそうです(笑)
先生がどう思っていたとしても、生徒が期待とおりになることもあれば、 そうならないこともあるでしょう。 私はサラリーマンですから、正解ってなんだろうなとつくづく思います。
自分の中で指針にしているのが、「Master キートン」という漫画で、
でてくる一コマです。
主人公のキートンは、大学の講座の最終回にて、以下の言葉を学生達に なげかけます。
「人間は一生、学び続けるべきです。人間には好奇心、知る喜びがある」
「肩書や出世して大臣になるために学ぶのではないのです。。」
「では、なぜ学び続けるのでしょう?」
「それが人間の使命だからです」
学ぶことって楽しい。
学び続けたいと思う生徒を育てたい。
そんな想いをもってる先生の役に立ちたいと思いました。
これからの時代、一斉授業による先生の教え方でなくて、学ばせ方が求められてるのではないか。
「学び方・学ばせ方」を学ぼうと思い、同僚の紹介もあり、
インストラクショナルデザインにたどり着きました。
インストラクションデザインの101の道具箱を読んだあとに、本書を読んで
印象的だったところをnoteします。
自分はまだまだ未熟なので、お詳しい方いたら是非勉強させてください。
●学習者のゴールとは?学習とは?求められる教育方法とは?
・学習者のゴールとは?
自己調整学習者(Self regulation of learning) -自ら主体的に学ぶ、学びを自分で調整する学習者 これはすべての成人がなるべき姿と思います。
・学習とは?
教科書に書かれた知識を暗記することでなく、
自分が属している実践共同体への参加の過程である
実践共同体とは、ある共通の関心や問題、熱意などを共有する集まり
メンバーとなって自分の役割を果たしていけること、その過程を学習と考える
学習とは、知識を受動的に覚えることでなく、自分の経験から独自の考えを紡ぎ出すこと。経験を変換することで知識を創り出すプロセスである.
4段階の学習モデル
(組織行動科学者 デービットコルブ)
・実戦に役立つ学びにする
ID第一原理
1)問題 - 現実に起こりそうな問題に挑戦する- どうだこの問題がとけるか?
2)活性化 -すでに知っている知識を動員する -あなたはどうするべきだと思うか
3)例示 - 例示がある ShowMeみせる - 現実でどのように使うかShowMe
4)応用 -応用するチャンスがある -LetMe私にやらせて
5)統合 -学びの成果を振り返る
・求められる教育方法とは?-教科横断的
-統合的なプロジェクト
-学習ポートフォリオ
教師はTeacherではなく、advisorと呼ばれる
(米国のカリフォルニアの学校での例)
・デザイン思考とはなにか?
- Empathize /共感
-Define/定義
-Ideate/創造
-Prototype/プロトタイプ
-Test
・IDから分析するワークショップ設計
豚汁の作り方事例
1.注意喚起
・美味しそうな豚汁をだす
2.目標提示
・豚汁が作れることを目指すことの確認
3.前提条件
・味噌汁を作れることを確認
4.新事項の提示
・豚汁を作る手順の説明
5.学習の指針
・味噌汁と豚汁の作り方を比較しながら考えさせる
6.練習の機会
・試しに実際に行ってみる
7.フィードバック
・試しに作った問題点をレシピを参考にして直す
8.学習成果の評価
・実技テストで豚汁が作れるかをチェックする
9.保持と転移
・忘れたころに豚汁を作り、シチューにも挑戦させる
今の自分がひっかかったキーワードだけ記します。
また夏にもう一回読み直してみようと思います。本当に良書です。
ばおばお
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