【6月8日開講】オンラインで醸す学びの場/場の発酵研究所が始まります(2次募集締め切りました!ありがとうございます)
場を、醸そう。
「場の発酵研究所」とは、困難や問題がますます増えていく社会において、どのようにわたしたちが生き、新しい活動や営みを生み出していくことができるか(どう「場」を編み直していけるか)を思考・構想し、実験・実践に落とし込むための研究を続ける半年間の学びの場です。
【動画】概要紹介(事前説明会より抜粋)
発起人挨拶
はじめまして。
兵庫県尼崎市で「株式会社ここにある」という会社を営んでいる藤本遼と申します。「いかしあう生態系を編み直す」という考え方を大切にしながら、地域におけるさまざまな「プロジェクト」や「場づくり」に関わっています。
もう一人の発起人は、奈良県東吉野村で「オフィスキャンプ東吉野」という場所(一応コワーキングスペースと謳っている)を運営している「合同会社オフィスキャンプ」の坂本大祐です。
デザイナーであり、クリエイティブディレクターでもある彼は、一方で「場」というものとも向き合ってきました。彼は「LOCO」という団体の代表でもあり、さまざまな地域にコワーキングスペースという「場」を導入すべく、動いています。
そんなわたしたちは、これまで数年間「場づくり(と呼ばれるなにか)」に取り組んできました。しかし、同時に「場づくり」という言葉や表現に違和感のようなものを抱いてもいました。どこかしっくりこない、そんな感じを持っていたのです。
どうしてなんでしょうか。
「つくる」という言葉には、「自分(ひとり)でつくる」というニュアンスが含まれている感じがします。だから、自分以外のものの状態やはたらき、それらが持つ主体性や可能性がないがしろにされているような気がしてしまうのです。本当はもっと、自分以外のなにかのはたらきが「場づくり」においては重要なのではないか。そんなことを思うのです。
「杜氏(とじ・とうじ)」は、お酒をつくります。しかし、厳密にはお酒をつくっているのではないようにも思われます。彼らがしていることは、微生物(麹菌)がより良い状態で活動できるようにするための「環境の設定(デザイン)」や「関係性の編集」なのではないかと。そうしたことの結果として、お酒という価値が生まれている。そのように捉えることはできないでしょうか。
これが、一つ目のわたしたちからの問いかけです。
「場づくり」は「個(人)的」な営みではないのではないか、ということ。
それはつまり「場づくり」とは、常に「他者(自分以外のもの)」の影響を受けつつ、その中で立ち上がってくる「公共性(の創造)」のことを指すのではないか、という問いでもあります。
「場づくり」は、「コミュニティマネジメント」や「コミュニティオーガナイジング」とは異なるものだとわたしたちは考えています。「場づくり」というコンセプトは、良好な人間関係の構築だけを指し示すものではないですし、「(コミュニティの)内側」の経営や運営について思考し、実践するためだけのものでもありません。「場づくり」というコンセプトの射程は広く、時間的な制約や空間的な制約、さらには、(生物)種の制約をも超えています。「なにかとなにかの関係性」をよりマクロに鳥瞰して眺めていくこと、あるいは時間軸を行き来して眺めていくこと、それが「場づくり」における大切なスタンスだと考えています。
なぜ、そのように「場づくり」を捉えているのか。あるいは、そもそもなぜいまの時代に「場づくり」という営みを採用しているのか。
この社会的プロジェクトの背景には「あらゆる関係性は寸断され、それぞれが孤立しているのではないか?」という問いや疑念があります。それは人間関係だけに限った話ではありません。もちろん、地域(暮らしている場所の周辺)における関係性が希薄になっているということはよくある話ですし、我々の活動フィールドもその周辺にあるのですが、問題はそこだけではないと思うのです(地域の関係性をつなぎ直す「場づくり」はとても尊い活動だと思っています)。
いまの社会は、生者と死者の関係性、自然(人間以外の生物)と人間の関係性、持つ者(社会的強者)と持たざる者(社会的弱者)の関係性など、あらゆる関係性にヒビが入り、分断してしまっています。それは、経済を成長させようと意図してきたわたしたちが選んできた選択の帰結でもあります。専門化し、外部化し、サービス化してきた結果がここにあるのではないでしょうか。そして、この分断しきった社会における「関係性の編み直し」という大きな仕事に向き合うことが、いまほんとうに求められていることだとも思うのです。
しかし、わたしたちは、新しい「場」をつくることが答えではないと思っています。すでにあるそれぞれの「場」や「コミュニティ」の境界を融(と)かしたり、離れた分野や領域を編み直したりすることも「場づくり」です。むしろ、さまざまな物事が分断され、対立してしまっているこの社会で必要なのは、「境界を融かす」スキルや「異分野・異文化を編み直す」実践でもあります。
そうして、二つ目の問いかけは、「場づくり」というコンセプトが秘めている(分断を乗り越える)可能性をどう社会実装していくか、というものになります。そのために、さまざまな分野で「関係性の編み直し」を行っている方々から学びを得ていきたいと思います。
「場の発酵研究所」とは、困難や問題がますます増えていく社会において、どのようにわたしたちが生き、新しい活動や営みを生み出していくことができるか(どう「場」を編み直していけるか)を思考・構想し、実験・実践に落とし込むための研究所です。全国各地から参加してくださる(予定の)多様な背景を持たれたみなさんと一緒に、この場自体をともに醸していきたいと思っています。
それはきっと「場」をつくったるで〜!というエネルギーとは少し異なります。「場の発酵研究所」が志向しているのは、丁寧に手をかけ、頭を悩ませ、声をかけ(問いを投げかけ)、関係性を見つめ、関係性を編み直し(あるいは融かし)、可能性を信じて、生まれてきたものを愛する、そういうスタンスであり、生き方です。冒頭にたくさんのややこしい文章を書いたのですが、基本的に重要にしているスタンスは「楽しむこと」です。楽しむことを通して、新しい世界が見えてくるのではないかと思うのです。
さまざまなゲスト講師や研究所フェローからの学びがある場になると思います。半年間という期間でメンバーそれぞれの関係性も醸しながら、新しいチャレンジをしていけるとうれしいです。
運営方法もチャレンジングです。みなさんからいただいた受講料の一部が「公的研究費」としてプールされます(金額は下記に記載しています)。そのお金は参画している研究員メンバーと一緒に「民主主義的に」活用の検討・決定をします。どのようになるのか、一緒に見届けていただければ、というより一緒につくっていただければ幸いです。
そうしたこともあって、できるだけ多様なバックグラウンドを持つみなさんに関わっていただけるとうれしく思います。それがきっと、新しい「お酒」を生み出すことにつながると信じています。
オンラインだけど深い、そんな関係をみなさんと醸すことができれば。
カリキュラム(全18回:全てオンライン)
6/8(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャーvol.01
写真家・MOTOKO氏
6/22(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャーvol.02
TERA Energy株式会社代表取締役・竹本了悟氏
7/3(土) 7:00-9:00 振り返り会①/受講者交流会(テーマ別セッション)
7/13(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.03
O+Architecture(オープラスアーキテクチャー合同会社)代表・鈴木美央氏
7/27(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.04
一般社団法人Community Future Design代表理事・澤尚幸氏
8/7(土) 7:00-9:00 振り返り会②/後期ゲストアイデア出し
8/10(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.05
株式会社Happy代表取締役・首藤義敬氏
8/24(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.06
元奈良県職員・福野博昭氏
9/4(土) 7:00-9:00 振り返り会③/取り組みたいプロジェクト検討
9/14(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.07
9/28(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.08
10/2(土) 7:00-9:00 振り返り会④/取り組みたいプロジェクトプレゼンテーション
10/12(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.09
10/26(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.10
11/6(土) 7:00-9:00 振り返り会⑤/内容未定
11/9(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.11
11/23(火) 19:30-22:00 ゲストレクチャー vol.12
12/4(土) 7:00-9:00 振り返り会⑥/活動進捗報告会(クロージング)
※このほかにFBページの活用や個別相談、メンタリング(希望者)なども可能です。
※録画配信がありますので、リアルタイムの参加が難しい場合はご活用ください。
※各ゲストの詳細についてはこちらをご覧ください。
研究所の特徴
①多様なゲスト→後半のゲストは未定
(みんなで決める・内容もつくっていく)
②参加費の一部を積み立てて、研究費にする
9月以降に各自・またはチームを組んでプロジェクトを検討
↓
オープンプレゼン大会の実施
↓
投票後、研究費を各プロジェクトに還元
③全国各地の実践者が第三者:フェローとして関わる
FBグループやzoomでの交流、メンタリングなども可能
参加費
①特待生参加枠:100,000円(税込)
②一般参加枠:120,000円(税込)
③一般(応援)参加枠:140,000円(税込)
④学生参加枠:80,000円(税込)
※いずれも全18回の講座+「みんなの研究費(15,000円)」+期間中のメンタリング / 相談(1h程度)すべての費用を含みます。
※①の特待生参加については、申し込みフォーム以外に別途「研究計画書」を提出いただき、選考させていただくというプロセスがあります。以下4点についてをA4一枚以上のペーパーにまとめてください。
①場の発酵研究所において研究したいテーマ
②検証したい仮説
③研究方法 / 研究計画
④研究の成果イメージ / 影響
※学生(22歳までの大学生。大学院生等は除く)は、④で参加することができます。
※講座(コミュニティ)開始前に一括で全額お振り込みいただきます。一括が難しいという方はご相談ください。
本講座申し込みフォーム
https://forms.gle/HPGBrNz6PUnW2GUs5
●本講座の申込み〆切
第一次募集:5月23日(日)
第二次募集:5月30日(日)
よくある質問
問い:場づくりにまだまだあまり取り組んでいない、という人でも参加できますか?
答え:まったく問題ございません。場づくりのノウハウ的な側面よりも、これからの時代を切り拓くための問いや考え方を学ぶ場です。あるいは受講者やゲストも一緒に問うていく場です。まっさらな気持ちでご参加ください。
問い:途中で参加をやめることはできますか?
答え:途中で参加できなくなった方は辞退いただくこともできますが、参加費の返金はできません。ご了承ください。
問い:参加できない回があるのですが問題ないですか?
答え:問題ありません。すべての講座はレコーディング(記録撮影)しています。また各講座は終了後にレポートを作成いたしますので、振り返りなどに活用いただくことができます。
問い:企業・自治体の研修として参加を検討しています。請求書の発行や講座振込は可能ですか?
答え:問題ありません。お申し込み時にその旨ご記入ください。
追って連絡いたします。
その他のお問い合わせは、以下まで。
TEL:090-8208-2918(藤本)
Email:banohakkokenkyusho@gmail.com
気になること、わからないことがあれば、いつでもご連絡ください。