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考察・メモ・ポエジー

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抽象性の高い文章、何らかの考察、あるいは展覧会用のキャプションなどを載せています。
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2019年10月の記事一覧

レフラーとボノボのピーマン

レフラーとボノボのピーマン

①きっとボノボもピーマン食う理由を自分なりに考えて食うことが出来たらニンゲンとして文明の発達が認められるのだろう。逆に言えばピーマンを回避するという行為は動物のものなのでそれは動物といえる。ボノボなのかもしれない。

②そしてニンゲンの行為における嗜好の対置に合-理性があるのだとしたら、それは創造(想像)性の対置であるともいえる。合理性を重視すれば動物としての人間は必要な栄養分の摂取に困らなければ

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虚構・パラドックス・欲望

虚構・パラドックス・欲望

“私が思ったことは、作品の対峙はつまり、パソコンの圧縮と解凍というシステムを敷衍するならば、“鑑賞者は任意の記号を発見出来るか?”という一種の問いかけに、個々人のナラティヴを隠し、何重にも鍵を掛けて記号としての作者の記憶や想いを「圧縮」し、それを仮に対象Aとするとして、そのとき生じる《(対象A→記号)→対象 A'》という転換構造の過程としての「解凍」という作業を経て、その中にある任意の「意味(=フ

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恐怖、思想、喪失

恐怖、思想、喪失

①部屋を片付けて電車に乗りながら、「グッバイ・ガールフレンド」の最後の曲を聴く。どんなことも、いつも頭からダメになる。頭が君に恐怖を与えているから。下津さんが叫んでる。人間が恐れるのは、恐れること自体である。それは、現実と恐れとの間にある。

②さようならを言う機会が増えても、大丈夫なのに、大丈夫じゃないと思ってしまう。それは頭。それでも怖かったら、それを叫んでもいい。言葉は、人間の精神と身体を分

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鍵・幽霊・抽象

鍵・幽霊・抽象

2011年の某企画展コンペティションに応募した際の文章ですが、ボツになった(最終選考で落ちました)ものです。ただ、文章としては面白いと思うので、架空の展覧会『I Saw You』のキャプションとしてお読みいただければと思います。

※別紙の資料が存在するような記述がありますが、紛失・実存する会場の図等があるので割愛します。

◎はじめに我々の感覚は全て外部からの刺戟を受容した任意の感覚器からの電気

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矛盾、トランス、メメント・モリ

矛盾、トランス、メメント・モリ

記憶は幻想であり、それらは元々、失われている。現実とは今ここにある時間であり、シークエンスであり、存在するものは今、ここに存在するものである。

そもそもの発端は、君の自由落下にある。生と死の矛盾との間にある君自身という存在の不可思議さに私は困惑する。

我々が傷を負い、火を焚き付け、刃を胸にしたあの瞬間はだから、そうしたものたちへ宛てられた招待状であり、我々はだから、その瞬間に於ける彼等の存在を

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バイアス・実態(体)・ニューロン

知覚を我々の受容する感覚情報に自らの解釈が加わったものだという辞書的な定義を引くとするならば、或いは我々は我々の「見ている」世界を「観て」いるのだとしたら、果たして任意の情報はどのような形態を取って伝搬されて行くのだろうか。

また、もしそうだとしたらどこにその「客観」性を見出すことが出来る のだろうかといったところで、私はどうしても、ならばコミュニケーションは可能なのだろうかと考えてしまう。

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