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孤独と芸術

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18さいのわたしが生きた証
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孤独と芸術

孤独と芸術

 本当の前置き
 これはわたしの高校時代の卒業論文を一部改変し、文章にしたものです。

背景・動機・前置き

 美術、音楽、文学...分野に関わらず、歴史に名を残す芸術家たちの生い立ちや生前をみるとき、彼らの描く華やかで麗しい幻想的な世界とは裏腹に、作家自身は凄惨な最期を迎える者が多い。酒・薬漬け、精神疾患、他の人間を信頼できない又は依存する、等。
 現代においても創造的な人間は“闇”を抱えてい

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孤独と芸術 22

孤独と芸術 22

まとめー芸術とは

 私たちは、生まれてから死ぬまで孤独である。孤独は精神的な豊かさをもたらす反面、苦しいものでもある。しかし同時に、我々は孤独だからこそ、他者とわかりあいたいと願うのだ。孤独な人生の中でも、節々で他者とわかりあえる瞬間がきっと訪れる。芸術とは、自分の内にあるものを表現した何かではない。絵も音楽も写真も言葉も「美」を宿した媒体にしか過ぎない。表現者と鑑賞者の意識、または魂が共鳴する

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孤独と芸術 23

孤独と芸術 23

フィクション

 特に物語においては、「それが実際に起きたことなのかどうか」、「その人物は実在するのかどうか」次第で作品に対する感動がより深まることもある。現実に起きたことと誰かの脳みその中で生まれたこと、そのどちらにも私たちは感動し、涙したり笑ったりすることができる。実際に現実に起きたわけではないことにも感動できるのは何故だろう。
 私は、三年次で受講していた戯曲研究という授業のスピーチで、フィ

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孤独と芸術 24

孤独と芸術 24

研究修了時点での結論
 以上の知識を踏まえ、私はこのように考えた。
①全てにおいて美であるかどうかは「美である可能性」として存在し、絶対的ではない。それを決定づけるのは受信者である「人間の意識」であり、人間は互いに固有のチャンネル(波動)を持っているため、「観測」されて初めて美であるかどうかの判断がその人自身の内なる働きによって行われる。
②物質世界を認識している部分が個体の脳として存在しており、

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