“ギザギザハートの子守唄”と私の物語
昭和にはたくさんの名曲がありますよね。
私は昭和63年生まれなのですが、昭和に流行った曲はそこそこ知っています。
テレビの特集などで曲が流れて知ることもありますが、ほとんどは親の影響で知りました。
小さい頃から親の運転で外出する際に、車内でよく流れていたので自然と覚えてしまいました。
よく流れていた曲の例です ↓
ダンシング・オールナイト(もんた&ブラザーズ)
魅せられて(ジュディ・オング)
なごり雪(イルカ)
今聴くと小さい頃を思い出して懐かしい気持ちになります。
その中でも、チェッカーズのギザギザハートの子守唄という曲は、前奏のサックスといい、なんだかイケイケな感じだったので特に耳に残りました。
そして、その曲は中学生までずっと聴き続けたので記憶に深く刻まれました。
なぜなら、親は世間でリリースされた新しい曲に興味は持たず、私が中学生になっても同じ曲を車内で流していたからです。
そして連鎖反応が起こります。
私も世間でリリースされた曲に興味を持たなくなってしまいました
この頃、中学3年生だったので、音楽に興味を持っても良い年齢だったと思いますが、私は部活やゲームに夢中で関心がありませんでした。
そして時は流れ、修学旅行に行くことになりました。
2003年頃のことです。
バスで出発してから数時間が経過し、雰囲気に飽きてきた生徒が提案します。
「なんかレクリエーションしようぜ!」
「イエーーーイ!」
最高にHighってやつですね。
しかし、ここから意見が分かれはじめます。
映画観る派と、カラオケ派のバトルです。
「映画でドラえもんが観たーい!」
「カラオケしようぜー!」
両者とも譲らず、多数決をすることになりました。
結果は…
カラオケ
私は人生で一度もカラオケに行ったことがありませんでした。
横にいた友人も同様でした。
2人とも初のカラオケイベントということで興味津々でしたが、とりあえず様子を見ることにします。
最初の曲、バス内の生徒が全員選曲に注目しています。
アゲハ蝶(ポルノグラフィティ)
吹奏楽部にいた男の子が圧倒的な歌唱力で歌いました。
バスの中は大盛り上がりです。
次の曲になりました。
勇気100%(光GENJI)
クラスの人気者の女の子がノリノリで歌います。
忍たま乱太郎の主題歌ということもあり、バスの中はさらに大盛り上がりしました。
隣にいた友人と目が合い、
「なんだか楽しそうだな。俺たちも入れてみるか。」
と、お互いに曲を入れることにしました。
私から先に入れることになり、入れた曲は、
ギザギザハートの子守唄(チェッカーズ)
バスの中からこんな声が聞こえました。
「なんだこれ?」
私は親が車内で流していた曲は同級生も知っていると勘違いしていました。
この曲は1983年にリリースされた曲で、同級生は1988、もしくは1989年生まれだったので知っている人は誰もいませんでした。
シーーーーーーーン
さっきまでの盛り上がりはどこに行ったのやら。
私は学級委員などもやっていて、授業中も活発に手を上げて発言していた人でした。
静かな人が突然カラオケで歌い出して周りが困惑してしまったという訳ではなく、本気で困惑させてしまいました。
地獄のような時間が終わりました。
が、この空気の中、隣の友人の曲が入ります。
友人の顔はすでにこの空気は取り戻せないことを悟っていた感じでした。
走れマキバオー・走れコウタロー(F・MAP)
後日談として、本人として選曲はよかったと言っています。
が、誤算がありました。
この曲、前奏に実況者の長文セリフが入っています
それはカラオケの機器側で読み上げてくれることはなく、セリフが文字で出てくるだけで歌い手にすべて任せられているスタイルでした。
友人は実況者のセリフがある想定ではなかったので、しどろもどろになってしまい、完全に崩れた状態で歌に突入することになりました。
結果、私たち2人の歌の後の壊滅的な空気の中で曲を入れる勇者はおらず、カラオケは強制的に終わる雰囲気になってしまいました。
今でもこの友人とは頻繁に会うのですが、このエピソードは黒歴史として笑い話になっています。
月日は流れ、去年のことでした。
この友人と私含め、この黒歴史を知っている共通の友人3人を合わせて合計5人で映画を観に行くことになりました。
観た作品は”すずめの戸締まり”です。
CMも多く流れていたので知っている方も多いのではないでしょうか。
映画の友となる飲み物やポップコーンを準備し、いざ上映開始です。
※下記、ネタバレはありませんのでご安心ください。
主人公たちが探し物をしており、スナックに辿り着きました。
スナックの陽気なシーンになり、とある曲が流れはじめました。
ギザギザハートの子守唄(チェッカーズ)
その瞬間、上映中にも関わらず、スクリーンに集中しているはずの視線がなぜか私に集まっていることに気づき、周りを見渡しました。
友人4人が全員私をみていました
映画料金を支払ってまで観ている上映中の作品に目もくれず視線を送ってくるということは、
もう私のことをイジりたくてしょうがなかったのでしょう
しかし、映画館のマナーとして上映中のおしゃべりは厳禁ですので、
映画が終わったらじっくりとイジられることが確定しました
もしも、あの頃の自分に指示を出せるなら、別の曲を歌うように是正したいですね。
また別の機会があれば黒歴史を書いてみたいと思います。