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教員に必要な力No.1とは?

 それは「変化を恐れない力」である。先に結論を書いたが,教科指導力やコミュニケーション力よりも「変化を恐れない力」というのは本当に重要だ。1990年代の子どもと,2020年代の子どもは,括りは「子ども」で同じだが,それぞれの子どもの生活環境や社会情勢は全く違う。突き詰めていけば子どもは,「子ども」だが,それぞれ考えていることも,育ってきた環境も,好きな食べ物も・・・全く同じ子どもはいないのである。一方で今の教育のシステムはどこの地域でも同水準の教育が受けられるように学習指導要領に則った集団一律的な授業が行われている。子どもに合わせるというよりも教育システムに様々な子どもを合わせていくイメージだ。(その動きに対して様々な教育方法を行う学校も増えてきている)システムに子どもを合わせること全てが悪いとは言わないが,教師による管理的な指導が強くなることも否めない。学習指導要領は大体10年毎に改訂されるが,現場の教員がアップデートされているかというと疑問符がつく先生もいる。もちろん多くの先生は子どもの変化や時代の変化,学習内容の変化を加味して授業スタイルを変えたり,子どもとの関わり方を見直したりしている。しかし,どうしてもそれができない先生がいるのも事実だ。だからいまだに体罰の報道は無くならないし,ギガスクールがはじまった今でも,配布されたiPadが職員室の保管庫に眠っているといったことがあるのだろう。この時代,「計算の時は必ずそろばんを使いなさい」という先生はいないだろうが,根拠もなく自分のやり方に固執する先生は意外と多い印象を受ける。

 この記事を書いている自分は変われているのだろうか?自覚している教員としての大きな変化は3回。特に学級崩壊のような状態を抜け出す際にもがき苦しんだのは自分自身の教育観が大きく変わった出来事である。小さい変化は毎日意識的に行っている。(つもりだ)「コミュニケーションが少なかった養護教諭に話しかける」「子どもの話を3分くらい長く聞く」「口癖のえ〜が多くなってきたからなるべく少なくする」「全く興味のなかった動物の本を読んでみる」本当に小さいことばかりだがいざ動き出そうとするとなかなかできないこともある。でもやる。小さな変化を繰り返すと変化することを何とも思わなくなる。大きく変わることは「大変」大変だからこそ,小さい変化で自分を慣らしておくのである。

変化を恐れない力=自分を客観視して,行動を変えられる力。といっても良いかもしれない。

偉そうなことを書いたが,職場の先生から「この事務書類書きにくいから様式変えたいなって思うんですよね」と言われた際に,「前からそうなってるから無理じゃな・・・・」という言葉が出そうになったのも事実だ。何とか飲み込んだが,知らないうちに私たちは固定化していく。気をつけなければ。


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