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【読書ログ】いのちの初夜 北條民雄

生きるってなんだろう。
最近よく考える。
現在、人生最大の鬱期を経験中だ。

北條民雄はハンセン病と戦いながら23年で生涯を終えた作家。
ハンセン病に対する偏見や差別のため、本名が公開されたのは没後77年となる2014年。
北條本人が同情をとても嫌っていたので、なるべくそういう書き方はしたくないけれど。
時代と偏見・差別に翻弄された短い人生の中で、その境遇にも負けずに人の心に残る作品を産み出した本当にすごすぎる作家だ。
その存在を最近まで(文豪作品を多数紹介されている本を読むまで)全く知らなかった。恥ずかしすぎる😭
川端康成が「この小説を読むと、たいていの小説がポンコツに見える」と手放しで称賛したことで有名なこの作品。
青空文庫で・・・無料で読めるんですよ・・・(回し者みたいな言い方)

泣いた。
真夜中にぽろぽろ涙出てくる。
私小説の天才の作品・・・人の心を打ちすぎるよ。

生き続けたいのに、願っても命に限りがある人もいれば、自分でその生涯を終わらせる人もいる。
それぞれの生き方。それぞれの人生。
生きるって複雑で、考えれば考えるほど分からなくなる。

胸を打つ文章、ありありと浮かんでくる情景。主人公の気持ちの変化。差別と偏見にまみれた環境。
感想が上手く言葉にできない。
読んだ後のこの気持ちを表現できる語彙力がないのが悔しい。
グロテスクな表現もあるけれど、一生に一回、誰もが読むべき作品だと思う。

本当に言葉が浮かんでこなさ過ぎて。
読書ログとか題しておきながら全然感想が書けていないんだけど・・・
簡単には言葉に出来ない、言葉にならないことこそが、今回の感想と言えるのかもしれない。
幻冬舎のこの特集で、いのちの初夜を読むコツを紹介していたので参考までに。

青空文庫だけでも、北條民雄の作品は45作も読める。
いのちの初夜は隔離施設に入院した初日の出来事を表現したもの。
それ以外の時にも北條がどのようなことを体験し、どのような病状をたどり、どのように文章に記していったのか知りたい。
時間はかかるけれど、全部読まないといけない気がしている。

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ばぶさん
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