女とキャリアの話
ドラマの中で、ヒロインの妊娠を望まない恋人は言う
「妊娠なんて、飛ぶ鳥の羽を落とすようなものだ」
小説の中で、キャリアを優先してきた女性は呟く
「子育てでクタクタになってる同僚を見ると、なんて浅はかなんだろう、と思う」
こうしたセリフを聞くたびに、女とキャリアの問題を突きつけられてハッとする。
女とキャリアの問題について、就活しているときは、
「今後子供をもつことを考えて、産休育休は取得実績が高いところ」
程度にしか考えていなかったけれど
結婚して、子供をもつことも現実味を帯びてきた今、
あのとき、産休育休以外の部分にももっと目を向けるべきだった、と思う。
・復職後も同じ職種でいられる?
・同じ職種をこなせる?
・復職後の職位はどうなる?
復職後の職種については、ある程度時間の融通は効くものの、
残業も多い状況を考えると、同じ部署への復帰は現実的ではないし、
実際に同部署に復職した女性はいない(サポートの部署に異動する人は多い)。
部署を変えてまで、今の会社にとどまりたいとはどうしても思えない。
仕事の能力についてはどうだろう。
マルチタスクが中心の今の仕事を、新婚旅行で1週間ほど休んだ時でさえ
仕事の感覚を戻すのに2~3日は必要だった。
1年数か月も休んだら、私は感覚を戻すのにどれほどの時間がかかるのだろう。
さらに、休職前は同レベルであった同期は
私の休職中にもメキメキと力をつけ、立派に成長していくんだろう。
復職して、その力の差を見せつけられた時、
1年数か月の社会人ブランクを感じてしまうんだろうな。
じゃあ復職後に転職活動を始めたとして、
1年数か月の社会人ブランクのある私を、企業はどう評価する?
ならば産休育休前に転職をしたとして、
ここなら戻ってきたい/戻ってきてほしい、と思える(思ってもらえる)関係構築に2年ほど必要と見積もるとする。
30歳を過ぎると妊娠しづらくなるっていうけど、、、あれ私今何歳だっけ?
そんなことを考えていると、背筋がゾッとする。
どう考えたって、妊娠はキャリアの壁になり、キャリアは妊娠の壁になる。
冒頭のヒロインの妊娠を望まない恋人の発言も、キャリア優先の女性のセリフも、
一見冷たい発言のように見えるけど、現実を見ているなと思う。
そりゃ日本の人口、増えないよ。
義理の姉は、国家資格のある職のため妊娠を機にスッパリ退職し今は専業主婦。
数年したら資格を活かして復職する予定だとか。
なるほどそういうキャリアもあったよな。
女とキャリアの問題は、結婚や妊娠が現実味を帯びてから考えるのでは遅くて、
もっとずっと前から向き合ってこなきゃいけなかった問題だったんだ。
誰か義務教育に入れてくれよ、女とキャリアの科目。