マガジンのカバー画像

【映画・ドラマ】

87
私がこれまでに、書きました映画関連記事のまとめとなっております。
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

【‘‘ゴジラ-1.0からみるVFX技術とAI時代の映画’’】

【‘‘ゴジラ-1.0からみるVFX技術とAI時代の映画’’】

先日、第96回アカデミー賞が発表され、日本では「君たちはどう生きるか」において長編アニメーション部門、「ゴジラ-1.0」では視覚効果部門を受賞し、とてもおめでたいことだと感じました。
「君たちはどう生きるか」では、色々とこちらのnoteでまとめて書きたいことは書けたので、ゴジラについて思ったことを書きたいと思いました。
受賞の結果をニュースで見た印象としまして、「ゴジラ-1.0」がアジア初のアカデ

もっとみる
【‘‘演じる心身性’’】

【‘‘演じる心身性’’】

毎年、楽しみにしていることがあって、それは日本アカデミー賞の受賞式をテレビで見ることで今年は特に思い入れのある作品ばかりで『怪物』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』が特に面白かったです。最優秀主演・助演/女優・男優賞を受賞された方々の作品に込めた思いや役作りの話なども、どれも興味深いものでありました。

役を演じる演者さんたちの熱量というものは作品を通して、どのような感情で、あるいはど

もっとみる
【感想】映画『落下の解剖学』

【感想】映画『落下の解剖学』

先日、『落下の解剖学』という映画を見ました。
物語の概要としましては、人里離れた雪山の山荘で、ある男が転落死している映像が映し出されるところから事件が始まります。
見つけたのは視覚障害のある息子であり、転落死していたのは父でありました。
夫の妻である作家の彼女に殺人の容疑がかかり、夫婦内の深淵な家庭環境があらわになっていく。
夫婦は共に作家であり、創作に対する考え方や意見の食い違いなどがリアルに描

もっとみる
【‘‘わたしの映画駄話’’】

【‘‘わたしの映画駄話’’】

映画とは、そもそもなんの為に存在するのか。
そうした問題に向き合うことは、これまでなかったので今さらではありますが、考えてみることにしました。
映画には、エンタメの側面と芸術性の側面のパターンがあり、あるいは両方の側面を合わせ持つ作品も存在します。
映画鑑賞は見る人に感動や楽しさを与える作用だけでなく、多面的に感性を刺激する働きがあります。映画館で鑑賞するにしても、自宅で鑑賞するにしてもそれぞれの

もっとみる
【‘‘反転しながら見る世界’’】

【‘‘反転しながら見る世界’’】

*理スクリーンに映し出される世界を見ることは、世界の外側からもう一つの世界を覗いているような感覚を覚えることがあります。
内側にいるこの世界は、広く思えるが、実際には想像以上に狭い世界なんだと改めて気付かされることがあったりします。
映画で作られた世界は既に出来上がった世界ではありますが、そうした世界の隅々を見渡すのには長い時間がかかるものですし、分かりにくいものだと感じます。
分かることと分から

もっとみる