
【人生ノート321】いまの一歩をおろそかにしては、どこへも行けない。
未熟者ほど理屈っぽい
一足飛びにやろうとしてはいけない。ごく卑近なことから仕上げてうゆかねばほんものは出来ない。
現実をはなれた理想論は砂上の楼閣である。しっかりした土台なしに、しっかりした家が建とうはずはない。
いまの一歩をおろそかにしては、どこへも行けない。私はシミジミこのことを悟った。
とかく、未熟な間は理屈ばかりをこね廻し、いっかど分かっているつもりで、その実、何ひとつ出来ぬものである。なに一道の達人は、知らざる者のごとくである。
かれこれ小理屈をこねている間は、まだ若いということをシミジミ知った。
○
朝の空青葉の上に焼けてゐる
鳥が飲みに来てゐる朝の清水かな
湧きたぎつ清水に朝日届きけり
岩清水音して落つるほの明り
天の川斜に星の流れけり
『信仰覚書』第六巻 出口日出麿著