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ねたむ心、そねむ心、欲な心 人は誰でも死ぬる。間違いなく死ぬる。死ぬるまでに何かしておきたい。とにかく、自分というものが、この世に生まれてきたしるしだけのことは相当にしておきたい——と誰でも考える。結構なことだ。 この世の中はチッと思うようにならぬ。つまらぬ、あほらしい、しゃくにさわる——思う。全くそうだ。 ○ 今はたえじ 死なんかといくたびか思いし 若きころの胸は燃えて空のあなたを眺めて泣き 見苦しき人の世のさま慣るるまではつらかりき ○ 飢えたる人にパン
何ごとも大みめぐみと嬉しみて朝な夕なに活き活きてあり ある時はうれしく清くある時は悲しく濁るわが心かな すめ神のまけのまにまに生れきてまけのまにまに死(まか)りてぞ行く 冬もよし夏もまたよしそれぞれにそれのみが持つ美しさなれば 泣くもよし笑ふもよけれ世の中はとてもかくてもある侭にあれ 真善美はてしも知らぬ神の世の宝とらむと吾は出でたつ 限りありこの現し世のいささかを何か望まむ神に在るわれ 朝ぼらけ日出づる海にわれ立ちて日の出の朝をいまぞ歌はむ ただ祈れただ祈る
祈れば光が射してくる 今まで見えなかった道が見え出してくる その道をお進みなさい 進むのはあなたの足で また行き詰ったらまたお祈りなさい 祈れば光が射してくる 苦しいのはつみがあるのだ 痛いのはけがれがあるからだ 苦しくても暫くだ 痛くてもちょっとだ 永遠の栄えに入るんだから辛くても暫くだ 洗濯される間はちょっといやだ しみが除れたら軽く清くなる あとはらく嬉しく有難くなる しみをすてておいたら何時までも不潔でみじめだ 辛抱せねば何にもできない。
とにかく、人は何か希望を持っておらねばならぬ。その希望に向かって突進してさえおれば、少々の心身の苦悩はなんともなくなる。 ところが、世には、真に自分が熱望していることに全力をそそぐことができずに、心にもないことに心身を労せしめられている人々が随分多い。気の毒なことだ。 ○ 強いてはならぬ。強いられてはならぬ。十人十居ろの心のままに思う存分すすましめよ。 人を批判するのは自己を基としてだ。弱くおろかなる自己を基として他をさばくことがどうしてできよう。 あるままにあらし
そうだ、進まねばならぬ、まっしぐらに 河があろうが、山があろうが、地震だろうが、火事だろうが そうだ、おれは進まねばならぬ 泣き泣きでも、歯を喰いいしばってでも 元気に愉快に感謝にみちて 毎日々々、時々刻々、おれの魂がなくなってしまうまでは ドンドン進むよりほかにてはない 雨が降っても風が吹いても たとえこの世がこわれてしまっても おれがある限りおれは進もう。 ○ 固める力と解く力 二つの力があるわいな 固まって解かれて また固まって解かれて 新
だんまりてゐて判るよにしてみせむいや省みてわれを慎め 省みて吾とわが身をさばきなばただ恥づかしくなりまさるらむ それぞれに真似のできない長所ありいかなる人も侮るなゆめ 他人のこといふ暇あれば吾とわれを胸に手をあて考へてみよ 内心の閃くままを出せばよいに中途で細工をしをるなりけり 小局に住してつねに大局をはなれぬやうにするが肝心 出口日出麿著、『信仰覚書』第三巻、内界の閃くままに これまでのお示し
信ぜよ愛せよゆるし合えよ! 試みよ考えよ悟れよ! 大胆に無邪気に謙遜に あるがままにあれなるがままになれ 行くところ道なり 念うところ世界なり 道は一つ世界は一つ 真理に二つなけれども 人は絶対の神ならねば これすなわち差別界 われの道われの世界を他人に強いるなかれ 他人の道他人の世界をわれに強いらるるほど苦しきはなし 過ぎしは夢のごとく 来たるは霧のあなたのごとし 往因を知らず来果を思わず ただ今の心のころころと ころがるままにわれをつづけよ