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小説『七日 nanoka』更新済のご案内と「忘れられない作者」とか。
小説『七日 nanoka』
第四話更新済のお知らせ 令和7年1月16日(木曜日) 07:00
宜しくお願い申し上げます。本稿をもちまして更新のご案内と代えさせていただきます。 飛鳥 世一
さて、「忘れられない作者」というものをお持ちだろうか。
見た瞬間、読んだ瞬間、ウニとイクラと白飯を口に突っ込まれたような衝撃。芳醇にして鮮烈。鮮烈にして至高。このままポックリ行くのであればそれすらも止む無し。北方四島産のバフンウニと羅臼産のイクラの絶妙なマリアージュ。濃厚な旨味とあまみのウニに、トロリとしたイクラの持つ塩味が潮の薫りとともに鼻を抜ける。薄っすらと昆布の匂いが鼻腔を擽る。ウニの餌だ。
ユーラシアの芸術文化に留まることなく、スーフィズムまで取り込む貪欲な姿勢。それらが浮き上がることなく、蘊蓄とはならず作品としての一体化をみせる。もう、これは私のような者にとっては堪らないのである。
もう~逆立ちしても何しても諦めざるを得ない存在。
マネしてみたい。こういうものが書けるようになりたかった…… 。
嫉妬、メレコライ、諦念、押し寄せ誘爆する無力化爆弾。
ズバババババッッ……ズゥーン、ババっ……
読むたびに、目にするたびに、ある意味の"毒ガス"が我が創作の灯に打撃を与えるのだ。
一日も忘れたことは無い。
いや寧ろ、片時も忘れたことは無いという言葉ですら大袈裟ではない。
先日、そんな作者の手による作品が数カ月ぶりにアップになった。
嬉しかった。それだけだ。また読めた。それだけである。
この原稿はそれだけが言いたいがための原稿である。
しかし…… そういう書き手がいるということだけで良いのだろうなぁ。
少なくともわたしは豊かさを感じられるのである。
了