【私論】未来のためにできること
若かりし頃、アジアの最貧国に長期間滞在し、日本のそれとは性質の異なる貧困を目の当たりにした。
人懐っこい現地の女の子たちを写真に撮っていた時、怪しげな大男が近寄って来て、いわゆる児童買春の誘いを受けた。白昼堂々、「small girl」と強調して何度も言った。私は弱々しく「no」と答え、媚びるように笑った。逃げるように立ち去った。殴れなかった拳を震わせながら。
そのことを帰国後に打ち明けると、異口同音に私の腰抜けぶりは正しいとされた。せめて怒りを露わにするべきであったなど