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『きしみ卿のタンタカタン ~きしむ恋~ 短歌10+1首』

わたしから各駅停車は出ていません あなたから迎えの電車が来ないのです

靴そろえ裸足になって貴方という踏み切りへ飛び出す目は閉じたまま

膝のした15センチの海抱いて青い海月に溺れてみせる

チューしたら? 好きなんでしょもうチューしたら? チューならしたよ、や、チューだけだって

絹と木綿買い間違えて舌を出す その薄桃から吸うように食べる

「恋人は襟ボクロ」という僕を笑わない委員長のはらわたまで白い

皿のふちちゃんと拭き取るまなざし手つき眺めてたくてそれ全部おいしい

前髪の墓まで作ってくれた君の骨をバラバラにして海へ流す

恋人のような顏して横歩く鳩をトランクに詰め鳩心中

本棚が花壇にしか見えないひとのそばで暮らす、花はなくとも

庭の花壇に入りきらない夕暮れを博士は恋と呼びました。かしこ。

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。