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秋刀オク円事件

秋の味覚、秋刀魚がそろそろ出始めた。去り行く夏の野菜、オクラと合わせて料理しながら、昭和最大の未解決事件を妄想した記録。


材料

秋刀魚   2尾
オクラ   4本
梅干し   1個
生姜    半欠け
醤油    大匙2
味醂    大匙2
酒     大匙1
水     300cc
黒すり胡麻 好きなだけ

昭和四十三年(1968)12月10日、日本信託銀行国分寺支店から東芝府中工場へ向かっていた現金輸送車が白バイに呼び止められた。
「おたくの支店長宅が爆破されました。この車にも爆弾が仕掛けられているので調べます」
白バイ隊員は車の下に潜り込むと、もくもくと煙。
「爆発する。逃げろ」
四人の行員達が車から降りると白バイ隊員は車に乗り込んで発進。
「爆発しても安全な所まで運転する氣だ。何と勇敢な警官だ」
三分間の出来事。これが三億円事件。


頭と内臓を取った秋刀魚を三等分。

待てど暮らせど爆発音もなく警官も戻らず。
やがて地面に転がっているのはダイナマイトではなく発煙筒。警官が乗って来たのは白バイではなく白く塗装したバイクということに氣付く。
「やられた」
輸送車に乗っていたのは東芝府中工場の社員へのボーナスで総額2億9430万7500円。約三億円の現金が一滴の血も流さずに奪われた。
事件の四日前、支店長宛てに脅迫状が届いていたことから行員達は警戒していた。そのために偽警官にまんまとしてやられた。
警察は検問を設けたが、犯人は車を乗り換えたようで捕まえられず。


オクラの額を落として半分に切る。

輸送車、乗り換えたと思われる濃紺のカローラ、偽装白バイ等々、証拠品は120点。奪われた500円札の内、2000枚分はナンバーが判明していた。これらのことから警察は早期解決と思っていたがなかなか検挙に至らず。
七万人の捜査員を動員。内二人は過労死。
容疑者としてリストアップされた人物は11万人。
9億円の費用が費やされた。
これだけの人間と費用を掛けたにも関わらず、昭和五十年(1975)に公訴時効成立。犯人と三億円は闇に消えた。


圧力鍋に秋刀魚、千切り生姜、千切った梅干し、調味料を入れてホイルで包んで煮る。落し蓋に似た効果。

被害額は当時最高で誰も傷つけずに逃走した大事件。しかも未解決ということで多くの小説や漫画、ドラマや映画の題材に。
私の印象によく残っているのは『モンタージュ』という漫画とフジテレビ系で放送された『新説三億円事件』
織田裕二主演のこのドラマでは、白バイ隊員の息子が犯人という設定ですが、これは実話ベース。
有力な容疑者としてマークされていたのがSという当時19歳の少年。ドラマ通り白バイ隊員の息子。立川グループと呼ばれた不良少年グループのリーダーでバイクや車の運転に長けていた。
ところが事件の五日後に青酸カリで服毒自殺。
奇妙なことに青酸カリが包まれていた新聞紙からは父親の指紋しか検出されず、少年をよく知る者は一様にSは自殺するような性格ではなかったと証言。


20分加圧後。

三億円事件と聞くと特定の顔写真を思い出す人が多いかもしれません。
犯人と言われるモンタージュ寫真。
実はこの寫真、Sによく似た人物の寫真にヘルメットを被せた合成寫真。
しかもその人物は既に死亡。
この世に居ない人物の寫真を手掛かりに必死に探していたということになる。これでは見つかる筈もない。
この事件の捜査に関しては、他にもお粗末な点が目立つ。
遺留品の一つにハンチング帽があったが、捜査員達はそれを交互に被り合って遊んでいたという。毛髪という証拠があったかもしれないのに。
検問でもトランクを調べていなかったという。
検問を突破した車がいたらしいが、緊急配備も掛けられていない。
日本の警察は優秀と言われていた筈が、おかしなことが多い。


黒摺り胡麻とオクラ投入。沸騰させてから10分程、弱火で煮る。

複数犯か単独犯かで捜査も割れていたが、下山事件↓

や吉展ちゃん誘拐事件の捜査を担当して、名刑事と呼ばれた平塚八兵衛は単独犯説。マークしている人物の名前をマスコミに何故かリーク。
あたかもその人物が犯人であるかのような報道。
結局、その人物はシロだったが、この騒動で捜査が攪乱されたかもしれない。その人物は平成二十年(2008)に自殺しているが、この騒動が根にあった?

この事件に関しては陰謀論めいた話も多い。
当時は学生運動が盛んな時期。警察も物騒な学生を取り締まりたいので、この事件を利用してローラー作戦と称して大規模な聞き込み。強盗事件の捜査ではなく学生運動取締りが本丸に変わった或いは最初からそれが目的?


いい感じになった。


こんな妄想に辿り着いた。
本当はそんな事件はなかったのではないか。
三億円は奪われてなどいない?
輸送車のジュラルミンケースには現金など入っていなかった?
入っていたとしても秘密裡に回収された?
実は銀行も東芝も損害を被っていない。
この輸送には保険が掛けられていた。そこからの補填で東芝社員へのボーナスは無事に支払われた。保険会社も外国の保険会社に再保険。ということで保険会社の損害もなし。
厳密に言えば、保険料16000円が損害か。


秋刀オク円事件

圧力鍋で煮たことで秋刀魚は骨まで食べられる。しっかりとカルシウムとタンパク質補給。
甘辛酸っぱい味が染み込んだオクラから食物繊維やカリウム補給。
夏から秋に変わる季節のみに楽しめるコラボ料理となった。黒摺り胡麻の風味、梅干しの酸味と生姜の辛みが食を進ませる。

三億円事件が捏造だったとすれば、その目的は何かというと、給与の銀行振り込み。
それまで給与とか賞与は現金支給が殆どでしたが、この事件以後、危険だという理由で銀行振り込みが急速に進んだ。
銀行からすれば、口座を持つ人が増えれば有難い。
日本銀行や大蔵省(当時)からすれば、大量に紙幣を刷る必要がなくなり、経費節減。
官憲の犬である警察は政府からの指示通りに事件を本氣で捜査せず。
誤解ないように言っておきますが、あくまでも警察上層部がということです。現場の警察官はそんなことは知りもしなかったでしょう。

氣になる話を拾いました。
Sの父親は白バイ隊員ではなく公安だった?
公安はスパイとか過激派の取り締まりが任務らしいのですが、その活動の多くは公表されず、秘密のベール。
それこそ当時は学生運動の取り締まりにも従事していたかもしれない。
そうなると警察からしても過激な学生の検挙にローラー作戦が使える。
支配者層にとって、すべてが都合よいことになる。

被害額、294307500円は語呂合わせで「憎しみはない強盗」と読める。
こうした数字遊びは闇側がよくやること。黙っていればわからないことをわざわ仄めかして、民衆を愚弄しているということ。
現場の警察官が過労死しているのだから、決して憎しみはないとは言えない。そんな妄想をしながら、秋刀オク円事件をご馳走様でした。

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