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加藤清正バカレー

結構、昔のテレビ番組で日本史上、さん付けで呼ばれる偉人が二人いるという話をしていました。誰なのかというと、一休さんと西郷さん。
しかし、熊本限定になりますが、もう一人、せいしょこさんとさん付けで呼ばれる人。
漢字を当てると清正公さん。加藤清正公のこと。
カレーを作りながら、何故か加藤清正のことを妄想した頭のおかしい記録。


材料多いな。

鯖の水煮缶 1
玉葱    半分
しめじ   1パック
大蒜    1欠け
生姜    1欠け
片栗粉   大匙 2
八丁味噌  大匙 1
ウスターソース 大匙 1
胡椒    適量
塩     適量
唐辛子粉  大匙 1
ガラムマサラ 大匙 1
ターメリック 大匙 1
コリアンダー 大匙 1
クミン    大匙 1

写っていませんが、クミンシード 小匙 1と油適量。


玉葱を微塵切り

大蒜と生姜をすりおろす。

現在の熊本、肥後国は豊かな国でありましたが、強力な戦国大名が生まれず、周囲の大友や島津といった大勢力がぶつかり合う場所。
豊臣秀吉の全国制覇が進む中、この地に佐々成政が領主としてやって来ましたが、国人衆の一揆を止められなかったことにより切腹。その後、肥後半国の領主として熊本入りしたのが加藤清正。


クミンシードを油で炒める。香が立つまで。

もっこすと称され、反骨精神豊富な肥後の武士や民達でしたが、清正は新田開発や治水工事に尽力して、肥後を更に豊かに。更に朝鮮出兵後、戦費調達や兵に取られた民達を慰撫するために税を減免する等の政策から、慕われるようになりました。
更に朝鮮で虎退治をしたという武勇伝もわかりやすい英雄像として定着。


玉葱を炒める。

清正は鍛冶屋の息子で、母が秀吉の母の従姉妹だったと言われています。一代で成り上がった秀吉は譜代の家臣などいないので、そうした親戚を登用。清正もそれに応えて、賤ヶ岳の七本槍と呼ばれる戦功。また主計頭という官職名が示すように財務官としての働きもあり、築城名人でもありました。マルチな活躍。


スパイス投入。ターメリック、クミン、コリアンダー各大匙1

加藤清正の代名詞とも言われる虎退治の話ですが、朝鮮出兵時、虎に襲われる兵が続出したからとも、秀吉が虎の肉を欲したからとも言われています。
片鎌の槍で虎に立ち向かう清正の絵がよく知られていますが、実際は鉄砲を使ったという話もあります。
なあんだと思ってはいけません。当時の火縄銃は連射など出来ません。一発外したら、命取り。向かって来る虎に冷静に狙いを定めて一発で仕留めるのは至難の技。トドメを刺したのは槍かもしれませんが。
虎は退治したものの、決して無益な殺生をするような人ではなかった逸話があります。
飼っていた猿が清正が愛読していた「論語」に墨で落書きした時、怒ることもなく、
「そうか、おまえも勉強がしたいのか」と優しく頭を撫でてやったとか。


シメジと鯖を入れて崩して煮込む。

関ケ原の合戦では東軍に加担。関ケ原には出向きませんでしたが、九州の西軍方を攻撃した功績から、改易になった小西行長の旧領を与えられて、肥後一国の大名に。

尾張や三河、つまり今の愛知県域出身で江戸時代に大名になった人は数多い。徳川家の家来や親戚だけではなく、前田利家や池田輝政等、織田家に仕えていた人、清正や福島正則等、秀吉に仕えていた人。
愛知県域の人達がよく食べていたであろう八丁味噌を隠し味として使用。
大豆100%の味噌なので、アミノ酸の一種、トリプトファンが豊富。抗うつ作用あり。赤黒さの元であるメラノイジンという色素は抗酸化作用あり。
八丁味噌ヘビーユーザーの私、これまでもよく使用。

更に今回、朝鮮で苦労したであろう清正へのリスペクトを込めて、これを投入。

ガラムマサラ投入後、塩と胡椒を入れつつ味を調整していく。
ウスターソースを回し掛けて、味を決めたら、水溶き片栗粉を混ぜ込んでとろみを付ける。

徳川方に付いたとはいえ、清正は決して自分を引き上げてくれた秀吉への恩を忘れた訳ではなく、その遺児、秀頼をいざという時には熊本城に匿うつもりで、城内に昭君の間という特別な部屋を用意。復元された熊本城の御殿に復元されていました。


加藤清正バカレー

サバ缶と清正は何ら関係なく、ただの語呂合わせですが、DHAやEPA といった、体内では生成出来ない必須脂肪酸がサバ缶には豊富。
唐辛子や生姜は体を温めます。

徳川家康と豊臣秀頼の二条城会見を成功させた後、熊本に帰る船上で清正は発病。死去。
役割を終えたかのような死ですが、暗殺説も根深くあり、映画やドラマではそれを描くことも多い。
清正の子、忠広の代で加藤家は改易。その後、熊本の領主になった細川忠利は清正の廟所を遥拝してからお国入りしたと言います。地元の清正人気に配慮?
忠利公登場の記事。↓

清正公さんの遺徳を偲びつつ、加藤清正バカレーをご馳走さまでした。

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