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「何も分からない。」からスタートした"広報"という仕事|元看護師が見つけた"伝える仕事"の本質
「本当にこのままでいいのだろうか…。自分は会社の役に立てているのだろうか...。」
少し前まで、そんなことを考えながら働いていました。
プレスリリースを書いては配信し、SNSで情報を発信する。でも、これって本当に"広報"として有効なやり方なのだろうか。そもそも、私は会社の価値を正しく伝えられているのだろうか。
私は元看護師。患者さんの命を預かる仕事から、会社の価値を伝える仕事へ。全く異なる業務をこなしていく中で、たくさんの葛藤がありました。
広報という仕事
「広報」という肩書きを持つことになったのは、いくつもの偶然が重なった結果でした。
海外駐在中にWebデザインを学び始め、いくつかの企業のオンラインマーケティングに携わる機会をいただきました。デザインを超えてマーケティングに関わる機会もいただき、経験を重ねていきました。
帰国のタイミングで、今の会社に参画。業務は多岐にわたり、自分の立ち位置が見えずに模索する日々が続きました。
そんな時、社内で「広報を強化したい」という話が持ち上がりました。なりゆきで担当することになったものの、正直なところ、何をすれば良いのか皆目見当もつきませんでした。
こうして始まった「広報」という仕事。それは、私にとって未知の領域への第一歩でした。
見えない目標と仕事の輪郭
何もわからないまま始めた"広報"という仕事。
最初の頃は、プレスリリースを書くスピードが上がったり、ストーリー性のある内容が書けるようになったり、小さな成長は感じていました。でも、それだけで良いのか、もっと本質的なことを見逃しているのではないかという気がして焦燥感だけが募っていきました。
「広報って、プレスリリースを書いて配信するだけでよかったのかな…」
SNSでの情報発信も行っていましたが、どちらかというとリストマーケティングに近い業務がメイン。本当の意味での「広報」ができているのか、不安は日に日に大きくなっていきました。
特に印象に残っているのは、外部の広報チームと話をする機会があった時のこと。
「私たちは何を目指しているのか」 「広報の本質とは?」
そんな基本的な問いに、明確な答えを持てていない自分に気づきました。
「このままじゃダメだ」
そう思いながらも、他の業務との兼務で毎日があっという間に過ぎていく。自分の中の「広報」という仕事の知見を広げる時間もなく、ただ焦りだけが募っていきました。
「このままじゃいけない」という決断
変化のきっかけは、シンプルな決断でした。
「まずは、広報について体系的に学んでみよう」
最初に手に取ったのは「ひとり広報の教科書」。 この本との出会いで、広報の「型」や曖昧だった「全体像」を掴むことができました。経営陣へのヒアリングや、目標設定など、広報担当としてのステップが明確になったのです。
さらにUdemyで「PR戦略」を学び、プレスリリースの書き方や発信方法についても勉強。この講座には、長年PR業界で活躍してきた講師が実際に使っているプレスリリースの型も添付されています。また、プレスリリースの具体的な添削例も紹介されているため、非常に実用性の高い講座でした。私のような駆け出しの広報には、おすすめの内容でした。
さらに非常に参考になった書籍として「手紙を書いてマスコミにPRする方法」があります。
元新聞記者である著者がメディアの視点から書いた本書からは、効果的なメディアアプローチの方法を学ぶことができました。メディア側の考え方を知ることができ、多くの気づきを得られた一冊です。
このように学びを深める中で、少しずつ広報という仕事の全体像が見えてきました。
それは同時に、自分たちの課題に気づくきっかけとなりました。広報活動の地盤づくりは、どの企業でも継続的な課題なのだと知り、私たちもまだまだ発展途上なのだと実感しています。
理論を学ぶことで見えてきた理想の形。そして今の現状。そのギャップを埋めていくことが、これからの私の役割だと感じています。
おわりに
まだまだ広報役として、会社のビジョンへの解像度が足りていないと感じています。しかし、学びを深めていくうちに
「こんなことをしたい」「こんな発信が必要だと思う」
といった提案ができるようになってきました。
「広報」という仕事に出会って半年程度。ただ言われた通りにこなすだけの仕事から、自分で考え提案できる仕事へと少しずつ変化してきました。まだ答えは見つかっていませんが、毎日が新しい発見の連続です。
これからの目標は2つ。
1つは、広報としての専門性を高めること。外部の研修や広報関係者との交流会に積極的に参加し、より実践的なスキルを磨いていきたいと考えています。
もう1つは、産休に入るまでに自社の広報基盤を強化していくこと。これまでの学びを活かし、会社の価値をより効果的に伝えられる仕組みを作っていきたいと思います。
未熟な広報担当者ですが、これからも一歩ずつ、会社の価値を正しく伝えられる広報担当者を目指して挑戦を続けていきます。
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