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【映画09】きみに読む物語(2004)

この作品を観たのは、Mr.Childrenのボーカル桜井和寿さんが佐野元春さんとの対談番組で好きな映画として紹介したことがきっかけでした。

紹介の映像(もしくは写真だったか)を見る限りではラブストーリーのようでしたが、桜井さんが好きだということはシンプルな物語ではないはず。
気になったので観てみることにしました。
その当時は動画配信サービスなど無かったので、レンタルDVDを借りに行ったなぁ。

とっても素敵な物語で、思わず泣いてしまったことを覚えています。

今回久しぶりに観てみましたが、『きみに読む物語』はやはりとても素敵な物語でした。


※この記録にはネタバレは含みます。未視聴の方はご注意下さい。




◆あらすじ

あるところに老人ホームで暮らす老婦人がいました。彼女にはいつも物語を読み聞かせてくれる老紳士がいます。
読んでくれるのはノアとアリーの物語。
”木材加工場で働くノアは父親と二人で質素な暮らしをしていました。ある夏、お金持ちで美人のアリーがノアの住む街にやって来て二人は恋に落ちます。しかし、ノアとの仲を知ったアリーの両親は大反対。”
そんなストーリーから物語は進んでいきます。この物語の結末とは・・・?


”身分違いの恋”王道的ストーリー

お金持ちで世間体を気にする両親のもとで育ったアリーと、木材加工場で働きながら質素に暮らしているノア。
いわば『花より男子』の男女逆転バージョンのような格差のある二人のラブストーリーです。
ストーリーはよくある王道のものですが、この物語を読み聞かせをするというのがこの作品ならではでした。
最初は「このご老人たちはどなただろう?」から始まり、だんだんと分かっていくと小さな感動がありました。
だいたいの映画などの作品のラブストーリーは若いとき、かつ物語として語りやすい盛り上がる場面を切り取ったものが多いです。
でも、この作品で読み聞かせていたのはノアとアリーの物語。しかもそれはアリーが書いたものだったようです。おそらく結婚したところで終わっていたようですが、映画を観ることで二人の物語を最後まで見ることができるという流れが素晴らしかったです。

悪い人が誰もいない世界

恋愛ものには大体「こいつ~!」と思うような悪い奴が現れます。恋敵であったり、主人公たちの両親であったり。
最初はアリーの両親(特に母親)が悪者のように描かれていました。しかし、娘の将来のことを思っての行動であることが伝わっている上に、母親も若い頃にアリーと同じような体験をしていたことが明かされ、結局はアリーの意志を尊重してくれました。
恋敵のロンだってそうでした。婚約者を奪われて許してあげるなんて、なんて出来た人間なのでしょう!この後さらに素敵な人と幸せになって~!!
最後の看護師さんの粋な計らいも良かったですね。コーヒーはあるのにコーヒーを買いに行ってくれるなんて。私も一度はそんな粋な台詞言ってみたいです。
そういった意味でも、安心して観ることのできる作品でした。

間違いなくハッピーエンド

この世の作品をハッピーエンドかバッドエンドかどちらかに必ず分けないといけないとしたら、この作品は間違いなくハッピーエンドだと思います。
二人の愛の絆をより強くするため恋愛作品ではよく、”別れ”が描かれます。この作品でも一度二人は別れ、再会したことでお互いをまだ好きであることに気づき、結ばれました。
ここまではよくある別れですがめずらしかったのは、人生の別れまで描いてあったことです。人生の終わりを描くと、悲しいエンディングになってしまいそうですが、この作品はそうではありません。だって、この世とお別れしたとしても、ノアとアリーの二人が別れることはなかったからです。最後に起こった奇跡。これを観ることができて自然と「良かったね」と思えている自分がいました。愛し合っている二人にとっては理想的な人生の終わり方だと思います。

◆総評

私事ですが、この作品でアリー役として出演しているレイチェル・マクアダムスさんは好きな女優さんの一人です。笑顔が素敵ですよね。
それにしても、ノアの一途さには脱帽でした。しかも最後の最後まで。やはり一途な恋の物語って良いですね。
ちなみに、こちらの作品の原題は『The Notebook』。ひとつの単語にたくさんの意味が込められているため、訳すのがなかなか難しかったのではないかと想像できます。私にはせいぜい『きみと僕の物語』や『二人の物語ノート』くらいしか思いつきません。その上で『きみに読む物語』というタイトルを聞くと、ストーリーの内容がとても染みているので素晴らしい邦題ですね。
王道的なストーリーに、この作品ならではのオリジナルのスパイスが混ざっているので新鮮さも感じることができました。
恋愛映画や泣ける作品として人にもオススメしやすいと思います。

【追記】
この記録を投稿した後で、もうひとつ邦題を思いつきました。
『愛しあう二人のキセキ』
※キセキは"奇跡"と"軌跡"をかけてます。

もちろん『きみに読む物語』のほうが素晴らしいですが、思いついたので書き残しておきます。


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