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【映画21】PERFECT DAYS(2023)
久しぶりの鑑賞記録の投稿となりました。
こちらのアカウントでは、お久しぶりです。
2025年の映画鑑賞初めは『PERFECT DAYS』となりました。
長く上映していたので映画館で観ようと思っていたけれど、タイミングが合わず、気づけば終わっていたという悲劇。(自分が悪いんですけどね)
年末年始休みに何気なくAmazonPrimeを観ていたら、追加されていることを発見!
早速観ることにしました。
※この記録にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
◆あらすじ
平山(役所広司)は東京都内の小さなアパートに住むトイレの清掃員。毎日同じ時間に起き、仕事をして終わるといつものお店で酒を飲む。毎日同じルーティンの中で生きる人間にとってのPERFECT DAYS とは?
日常の中にも変化はある
この映画のあらすじを観ただけでは、正直なぜこんなに評価が高いのか分かりませんでした。
いわば、トイレ清掃員の毎日のルーティンを描いた作品。
実際に観てみると、この作品の魅力にじんわりと惹き込まれていきました。
主人公である平山は無口でシンプルな生活を送っています。
いつもの場所、いつものお店、いつも会う人々。
同じような生活を送っているはずなのに、何かしら変化は生まれていて、平山は困らせられることもありつつ、楽しんでいるようにも見えました。
自分を客観的に見た時、日常の小さな変化をたくさん見落としている気がして。
もっとそんな小さな変化も楽しんで生きていきたい。
そう思わせてくれる作品でした。
音や景色に集中できる
平山があまり言葉を発さないキャラクターであるが故に、全体的に静かな作品でした。
車で聴くカセットの音楽がまたこの作品に良い味を出していて、その中でもこの作品のタイトルにもなっている『PERFECT DAYS』は最高でした。映画館で聴きたかったなぁ。
さらに日常の音にもフォーカスされていて、道を箒で掃く音や、本をめくる音など、普段聞き逃している音を映画のフィルターを通して改めて聴くと「なんか良いな」と思えるものです。
景色も心に余裕がある状態でみると、何だかキラキラして見えます。
特に良かったのは、木漏れ日です。
最後に英語で解説もありましたが、どうやら日本にしか無い表現なのだとか。
私も、仕事の休憩中に神社で一息つきながら木漏れ日を眺めたいなぁ。
役所広司さんの演技が素晴らしい
前述したとおり、役所広司さん演じる平山は基本無口なキャラクターでした。
車の中でも、無言。
家の中でも、無言。
仕事中も、無言。
彼が言葉を発するときは、本当に必要な時なのですが、たとえしゃべらなくても不思議と絵がもつのです。全然退屈に感じることがありませんでした。
動いている姿を見るだけで、「素敵だな」「何だかうらやましいな」と思えたのは、間違いなく役所広司さんという役者さんから漂う雰囲気のおかげだと思います。
静かなる微笑みが、とても好きでした。
◆あとがき
映画などの作品では盛り上がるポイントやクライマックスなどがあって名作と呼ばれることが多いですが、この作品はとても静か。
なのに、名作であったと断言できます。
主人公である平山の生き様や、景色や音の撮影の仕方。すべてを説明しない人間模様など、良い点がとても多かったです。
心に余裕が無い時は、そんなに響かなかったかもしれません。だからこそ、長期休暇の間に見れて良かったです。
また歳を重ねてから観たら確実に感じ方が変わると思います。
ゆったりとした気分で、これから何度でも観たい。
そんな作品に年始から出会うことができ、今年は良い一年になりそうです。