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良い姿勢なのになぜか疲れる?悪い姿勢との違いと改善ポイント

その姿勢は本当に良い姿勢?

まずは、ちょっと姿勢を整えてみましょう。背筋を伸ばし、胸を張ってみて「これが良い姿勢だろうな」と思うポジションに体を持ってきてみてください。

今、あなたはどんなふうに良い姿勢を作りましたか?胸を張ったり、腹筋に力を入れてお腹をへこませてみたり……良い姿勢を作ったけど、なんだか体が緊張して疲れたり、長くはこの姿勢を維持できない、なんて感じはじめている方もいるのではないでしょうか。

いまみなさんが作った良い姿勢が本当に「良い姿勢」なのか、考えたことはありますか?

私自身、良い姿勢だと思って維持していた姿勢は実は理想とは違った姿勢だったため、その姿勢を続けていた結果、肋骨が目立つなんだか太い体を作る原因となっていました。

良い姿勢の作り方を知り、普段から意識することで、体重が大きく減らなくても、家族や友人に「痩せた?」と言われるような身体になることができました。

それだけでなく、以前は姿勢を正すと疲れを感じていましたが、それほど疲れる姿勢ではないことにも気がつきました。

今回は、私がピラティスのインストラクターを目指して得た解剖学などの知識から「理想の姿勢」について解説したいと思います。

「理想の姿勢」には「骨の配置」が大切

皆さん、骸骨の模型は見たことあるでしょうか?学校の理科室や保健室などにあったのを一度は目にした方も多いと思います。


横から見た骨格標本


骸骨を見ると、骨盤の上に胸郭(助骨)があり、その上に頭がある、まっすぐ積み上がった状態なのがわかるのではないでしょうか?この、骨盤や胸郭、頭が正しい角度を保ったまま一直線上に積み上がっている状態が、解剖学的な「良い姿勢」と言われています。

では、みなさんが先ほどしていた良い姿勢を思い出してみましょう。まず、良い姿勢を作るのに、胸を張った方。助骨が飛び出て、骨盤の斜め前にある状態になっていませんか?その場合、腰が反って骨盤が前に傾いているかもしれません。

また、腹筋に力を入れた方は、その状態での骨盤の位置を確認してみましょう。腹筋を鍛えるときに思い浮かぶエクササイズの「腹筋」。仰向けに寝た状態から、腹筋群に力を入れることで上体を起こす動作を行いますよね。腹筋に力を入れるということは、腹直筋や内外腹斜筋といった腹筋群が縮むため、これらの筋肉が付着している骨盤が後ろに傾きます。この場合も、骨盤が傾いてしまっている状態のため理想の骨の配置から遠ざかってしまいます。

これらは良くあるエラーの例ですが、骨の配置の状態はその人の生活や習慣によって作られるため人それぞれです。もしかしたら、姿勢を良くしようとして普段行っていることが、良い姿勢から遠ざけているかもしれませんね。

また、巻型の人は肩甲骨を寄せて良い姿勢を作ろうとしているかもしれません。それについては、下記の記事でまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。

理想の骨の配置によって得られるメリット

良い姿勢について調べているあなたは、どのような理由で良い姿勢を目指しているのでしょうか?

見た目が良いからというのはまず一つの理由になるでしょう。姿勢の良い人を見ると、気持ちがいいですよね。もう一つは、首や腰などの痛みを感じて、その理由が自身の悪い姿勢によって引き起こされていると考えている人。

デスクワークなどを行っている人は、特に姿勢に起因して身体が痛むと考えている人が多い気がしています。しかし、私は立ち仕事をしている人などにもぜひ良い姿勢を意識してもらいたいです。また、スポーツなどをする上でもとても大切なものになります。

正しい骨の配置は、重力や衝撃など身体への負担を少なくすることができ、結果として身体の痛みを減らすことができるのです。

理想の骨のバランスを維持するための筋肉

また、さらに腹筋に力を入れ続けていくと、背骨が曲がって身体が縮こまっていきませんか?なので、腹筋が弱くて良い姿勢が保てないという人にとっては、腹筋を使うことは理想の姿勢に近づけるための手段の一つではあるものの、全ての人にとって良い姿勢につながるとは限りません。

良い姿勢を作るのは、理想の骨の配置を維持するための適切なバランスの筋肉が大切です。

しかし、現代の生活では、デスクワークやスマートフォンの使用など、長時間同じ姿勢でいることが多く、特に背中が丸まった「猫背」や、骨盤が後ろに傾いた姿勢を取りがちです。このような姿勢が習慣化すると、インナーマッスルが使われる機会が減ってしまい、結果としてこれらの筋肉が弱くなります。インナーマッスルが弱くなると、身体を支える力が低下し、良い姿勢を保つのが難しくなるだけでなく、身体のあちこちに痛みや不調が出やすくなります。

その理想の骨の配置を維持するために働くのが、インナーマッスルと言われる、身体の内側で骨や関節に付着して安定させるのに重要な筋肉たち。私たちが「筋トレ」と聞いて思い浮かぶようなウェイトトレーニングなどでつくるアウターマッスルと違い、歩いたり走ったり、重いものを持ち上げるなどの大きな動きには直接関与しません。しかし、揺れる電車でバランスを取る時や、姿勢を整えるときに活躍する筋肉です。これらの筋肉が弱いと、良い姿勢を保つのが難しく、少しの時間でも疲労を感じやすくなってしまいます。

良い姿勢でいると疲れるのはなぜ?

以上のことを踏まえると、良い姿勢でいると疲れる理由がなんとなくわかるのではないでしょうか。

まずひとつは、そもそもみなさんが作っている「良い姿勢」が間違っている可能性です。

胸を張りすぎたり、肩甲骨を寄せすぎていたり、腹筋に力を入れすぎたりしていませんか?このような姿勢は、一見良さそうに見えても、実は体に負担をかけ、筋肉が緊張しすぎて疲れる原因になります。

さらに、正しい姿勢を支える インナーマッスル が弱っていることも原因です。現代の生活では、デスクワークやスマホの使用で猫背や骨盤の傾きが習慣化し、インナーマッスルが十分に使われなくなっています。結果として、インナーマッスルが弱まり、良い姿勢を維持しようとすると アウターマッスル に過剰な負担がかかり、疲れやすくなるのです。

また、筋肉のバランスが悪く、骨の配置が不安定なままだと、体重や重力が効率よく分散されず、特定の筋肉や関節に負担が集中してしまいますので、腰が痛くなるといったことも考えられます。

正しい姿勢とインナーマッスルの使い方を意識することで、次第に疲れにくい、自然な良い姿勢を保つことができるようになりますよ。

インナーマッスルを鍛えるのに最適なピラティス

インナーマッスルを鍛えるには、低負荷で持続可能な運動がよいろ言われています。重いウェイトを使った筋トレは、主にアウターマッスルを鍛えるのに適していますが、インナーマッスルを強化するには、ゆっくりとした動きで身体の深層部を意識して行うエクササイズが有効です。そこでおすすめなのが私もハマっているピラティスです。

ピラティスは、元々リハビリのために開発されたエクササイズで、体幹を強化しながら、正しい姿勢と身体のバランスを整えることに焦点を当てています。ピラティスの動きは、筋肉を過度に緊張させることなく、インナーマッスルを自然に鍛えることができるため、体に無理なく姿勢を改善できます。

糖質をエネルギー源とするアウターマッスルと違い、インナーマッスルを活性化には酸素が使われます。そのため、ピラティスのエクササイズでは、どのように呼吸をするのかもエクササイズの中でしっかり定められているんです。

私自身も、姿勢が劇的に変わったのを実感しています。ピラティスを始めることで、自分の骨格が思っていた以上に歪みだらけだったことに気がつけました。以前は、電車に乗っている時は絶対に吊り革に捕まっていないと不安だったのですが、吊り革に捕まっていなくても、楽に立っていることができるようになりました。

インナーマッスルを鍛えるて良い姿勢を心がけるだけで、日常生活もかなり楽になりますので、ぜひ意識してみてくださいね。

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