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スマホの誘惑と無意識の引力:アプリ「Minimalist Phone」活用術

ふと、目の前にあったスマホを手に取った時に、「なんで今スマホ触ったんだっけ?」と思うことがあります。

特に、仕事をしている時とか、たまに不思議に思うことがあるのです。

疲れて一休みしたいと思った時に、なんとなく目の前にあるスマホを手に取っている。

本屋でも、なんとなくパッと目の引いた本を手に取っているし、なんとなく目の前にあるものに対しては簡単に行動できる。

なのに、頭で色々考えて始めることって、なかなか集中できないし、その作業が体に馴染んでくるまでにとても時間がかかる。

何気なくいつもしている何気なく「スマホを手に取る」という行動は、なんで起こっているのか不思議に感じるようになりました。

スマホを使っているとき、頭を能動的に使っていると感じる瞬間はどれくらいあるのでしょうか。

スマホを手に取った後は、適当に目についたアプリを開いて、それまた目についたニュースやら、通知の情報やらを、タップしている。これは、自分がこういうふうに反応しているようにできているからなんでしょうか。

情報を受け取ることは確かに面白いのですが、その瞬間、自分が本当に考えているのかと言われると、少し疑問が残ります。ふと、そんなことを考え始めてしまいました。

スマホの「存在感」と無意識の引力

私はガジェットそのものの手触りとか、デザインが大好きなのでケースなどは使わない派なのですが、そのせいかいつだってスマホのシルバーが蛍光灯の光を鈍く反射して、なんだか妙に脳に訴えかけてくるように感じます。

スマホが目に入った瞬間、それまで集中していたことが一瞬止まり、気がつくと手を伸ばしていることがあります。

「あれ、通知が来ていたかな?」とか、「調べようと思っていたことがあったはず」といった小さな疑念が頭をよぎり、それを確かめるためにスマホを手に取る。この行動は、一見自分の意志でやっているように思いますが、果たして本当にそうなのでしょうか?

気づけば、何も考えずにスマホを操作している自分に気づきます。もともと調べたかったことはすぐに忘れ、目の前の通知やニュースに流されてしまう。この一連の流れは、自分がスマホを使おうとした結果ではなく、スマホが視界に入ることで引き起こされた無意識の行動のように感じます。

スマホが視界にあると、なぜ惹きつけられるのか?

この現象は、単にスマホが便利だからというだけでは説明できないように感じます。実際、スマホには多くの情報が詰まっていて、どんな時でも何かを確認できる安心感があります。スマホの存在自体が「すぐに何かを解決できる手段」として脳に働きかけているように感じてなりません。

また、スマホが常に新しい情報や通知を提供しているという事実も、私たちの無意識に影響を与えているのかもしれません。視界に入るたびに「何か新しいことがあるかもしれない」という期待感が頭でいっぱいになっているのかもしれません。

無意識にここまで考えてしまう自分の脳がすごいのか、スマホというデバイスがすごいのか、とても考えてしまいました。

スマホとの適切な距離感を持つこと

スマホとの距離感を取るということは、ただスマホを使わないようにすることではありません。必要な情報やアプリはしっかりと使いつつ、それ以外の無意識な時間を削減することが大切だと思います。そのために、スマホを手に取る前に「何をするために今これを使うのか?」という問いを持つことが重要なのではないでしょうか。

私は「Minimalist Phone」というホーム画面や通知の情報を制限したり、アプリケーションの使用についてリマインドを促す機能があるアプリケーションを使用しています。

ホーム画面の制限ということが、iPhoneではできないため、androidでしか提供されていないのですが、スマホの刺激を極力減らしたり、目的を意識して使うようにする仕掛けをしてくれるアプリです。

単純にアイコンを変えてシンプルな文字だけの表記にするだけでも、目に入ってくる刺激というのは少なくなります。

Minimalist Phoneのホーム画面

ホーム画面は、自分がよく使って、すぐアクセスしたいアプリケーションを登録できて、それ以外のアプリは、テキストで一覧になっているメニューから検索しないとアクセスすることができません。

ホーム画面以外のアプリケーションは検索して使用ができるように

通知に関しても、通知センターでチェックできる通知をフィルターできるようになっていて、急いでチェックする必要のない通知に関しては、全て一括で見られるように設計されています。

アプリを始めるときは、このアプリをどれくらい使うのかを設定してからアプリが開くように設定されています。
ちょっと欲しいものがあってそれを探すのに15分使おうかな、とか、あらかじめ目安を立てておき、その時間になるとリマインダーが表示されるようになっています。

実は、スワイプして出せるサイドバーにも電車の乗り換えアプリとか、メモアプリ、はたまたポケモンGOなど、外でよく使うアプリを登録していたりもしています。すぐにアプリアイコンから簡単にアクセスできますが、暇な時に開きたくなるアプリではないので、特に影響は出ていません。

特に目的なくスマホを触っていると、意外と、あ、こんなアプリあったな、とか、ギャラリーをついつい開いて撮った写真を眺めるといった時間があったりしたことに、気づきました。
このシンプルな表示のおかげで、そういった時間はかなり減っていると感じます。それだけ、目に入ってくる情報から無意識に次の行動を決めているんだなと改めて思い知らされました。

よく、集中するためにまず目に見える範囲から誘惑するようなものを片付ける、というライフハックをよく聞きますよね。無意識に脳が反応して次に取る行動を考えないように先手を打つということが、大切なのかなと思いました。

Minimalist Phoneを使うことで、ホーム画面や通知を極力シンプルに保ち、目的のアプリ以外を使わない工夫ができています。結果として、スマホを無意識に操作する時間が減り、情報に流されずに自分で選択している感覚を取り戻せるようになりました。

目に映る全てのことはメッセージ

松任谷由美さんの「優しさに包まれたなら」という曲に「目に映る全てのことはメッセージ」という歌詞がありますが、脳は目に入ったもののことを無意識に処理していて、その中から重要だと思うものに手を伸ばすことが多い。

だからこそ、スマホの画面に映る情報が私たちの行動に強く影響しているのかもしれません。

スマホから得た情報でのセレンディピティもありますし、無意識にスマホを触ることが必ずしも悪いとは思わないものの、誘惑があることも事実。

スマホを手にする前に、何が本当に自分にとって必要なのかをフラットな状態で考える時間を持つことで、情報の海に流されることなく、自分の行動や選択をもっと意識的にコントロールできるようになるといいですよね。

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