「返校 Detention」を、今こそオススメしたい話
「忘れたの?
それとも思い出すのが怖いの?」
今こそ改めてオススメしたくなった
Twitterでは何度か話題にしていたのですが、
「今こそ改めて、オススメ記事を書く時が来たな!」
と思い立ったので書きました。
……という訳で今回オススメする作品は、
「返校 Detention」です。
どんな内容?
まずはこちらのPVをご覧ください。
ちょっと怖くてレトロなアニメ映画のような画風だけど、いったいどんな内容なんだろう?
……と気になった方もいるかもしれません。
「返校 Detention」は、
2017年に台湾のデベロッパー「Red Candle Games(赤燭遊戲)」によって発売された、ホラーゲームです。
ストーリー
深い山の中にひっそりと建つ翠華高校。
そこで学生が二人、閉じ込められていることに気がつく。
かつての学び舎は悪夢のような場所へと変貌し、冥府の存在が跋扈していた。
脱出のために、今は謎めく存在となった学校を探索し、謎を解かなければならない。
この息をつかせぬ恐怖が襲う環境でどう生き延びるのか。無事に戻れるのだろうか?
(Steam公式ページより)
こんな人にオススメ
○ストーリー重視で、謎解き要素のあるホラーゲームが好き
○オカルトと史実を織り交ぜたフィクションが好き
○台湾の文化や歴史に興味がある
○自分の力だけでは変えられない世の中に、怒りや不満を覚えている
○自分の意見や、作りたいものがある
日本語版のローカライズを手掛けた「PLAYISM」のページによると、
「なんで僕達の文化を象徴するような、
そして自分たちが育ってきたこの世界をシェアできるようなゲームがないんだろう?」
という、Red Candle Gamesメンバーの素朴な疑問から、ゲーム開発のプロジェクトが始まったのだとか。
「図書館とゲーム」に関する企画や展示を手掛けられている、格闘系司書さんもオススメされていました。
ホラーゲームには興味が無い、はずだったのに……
もともと自分はビビリな上に、
アニメやゲームのキャラクターに、フェチや魅力を感じたりする事がほとんど無かったので、
今までホラーゲームには、なかなか興味が湧かなかったのですが、
「返校」は、内容を知れば知るほど、ジワジワと興味が湧くようになっていきました。
おそらく、仏教や道教にまつわる台湾のオカルト要素と、
ゲームの時代背景のモデルになった、ある史実を織り交ぜた内容に興味を持ったからなのかもしれません。
ゲーム中に登場するキャラクターや団体は幸いなことにフィクションであり
実在の人物 場所 歴史的事実への類似点が見受けられた場合は
完全に偶発的な事象に他なりません
……という但し書きからこのゲームは始まるけど、
もしかしたら当時の台湾には、
ファン・レイシン(方芮欣)や、ウェイ・チャンティン(魏仲廷)のような学生時代を送った人達が、本当にいたんじゃないだろうか?
とも思えてきて。
時代背景を知ると、怖さが増す
※ここからはゲーム本編の背景に触れていくので、ネタバレが気になる方は注意。
こんなやりとりが書いてある。
「なぁ、生徒を集めて読書会を始めた先生がいるって。
禁止されている本を読んでいるらしい。」
「本当か?
読書会って、勉強するだけの会だと思ってた…」
ゲームの舞台のモデルになったのは、1960年代の台湾。
戒厳令が敷かれ、政府によって言論や思想の自由が弾圧されていた時代で、
校内は元軍人の教官に監視され、学校や家庭の中でも密告が推奨されたりと、
戦後日本の「学校の怪談」とも違った、緊張感や恐ろしさが漂っています。
もし、ゲームの背景となる世界観や文化について気になった方がいましたら、
当時の台湾の情勢や歴史について改めて調べてみると、更に怖さが増すかもしれません。
お好みのプラットフォームでどうぞ
主な対応プラットフォームはこちら。
日本語や英語にも対応しております。
※出血や暴力描写といった過激な表現もありますので、苦手な方は注意。
CEROレーティングはD(17歳以上対象)となっております。
【Steam】
【Nintendo Switch】
【スマートフォン】
○Android
○iOS
オススメの動画など
「自力では怖くて出来ない……けど、実況動画を観るのは好き」という方にも、オススメの動画をいくつかご紹介。
自分が興味を持つきっかけとなった、ディズムさん達による実況動画。
※大声や絶叫が苦手な方は音量注意。
あの“超人気声優”花江夏樹さんと、小野賢章さんによる実況動画。
ゲーム内のセリフやテキストも読み上げながら進めていくので、朗読劇やボイスドラマが好きな人にもオススメ。
ゲーム本編のセリフや時代背景に関する描写を、
大胆且つ丁寧に拾いながら進めていく、ヒラノ課長さんの実況動画。
こちらはカツキさんによる解説動画。
ゲーム本編のストーリーだけでなく、
謎解きにも使われた台湾の文化や時代背景についても、詳しく紹介されております。
※エンディングを見た前提で語られているので、ネタバレ注意。
メディアミックスにも積極的
ゲーム発売後も台湾では、
外伝小説の出版や、映画化、ドラマ化、体験型イベントの開催……といった、
様々なメディアミックス展開が行われております。
媒体によっては、ストーリーと連動した謎解き企画がリリース前に行われていたのも、
自分が興味を持つようになったきっかけのひとつでした。
ちなみにドラマ版は、Netflixで配信中。
ゲーム本編から約30年後の、1999年が舞台になっております。
また、今年の7月は日本でも映画が公開される予定で、こちらはR15指定になるとの事。
いつの世も、思い通りにならない世の中のしがらみに不満を持ったり、
自分の力だけでは簡単に変えられない環境の中で悩みを抱えたりする事は、誰しも身に覚えがあると思うのですが、
だからこそ今、改めて「返校」をやってみると、
人によっては心に刺さってくるかもしれません。
もはやホラーゲームの皮を被った映画かもしれないので。