正しかったのに、報われなかった先生のはなし
忘れもしない、数Ⅰ担当の先生のこと。
担任の先生でもあった彼は、いま振り返ってみても教育熱心な人だった。
生徒たちが、中学生の時点で数学に躓いたり嫌いになったりしないように、色んな工夫を凝らしてくれていたことを覚えている。正直、数学が得意だったことは一度もないが、彼の説明は丁寧で板書も写しやすかったので、数学の授業にしては楽しかった。
そういえば、二次関数のグラフの変化を「チューリップの一生」になぞらえて説明する、とかいう謎な展開もあった。プリントを配るときに舌でペロッ