目標設定 -どんな人物になりたいか -
わたなべあやかです。
コーチングスキルや心理学をビジネスや仕事に活かしたい、マネージャーやリーダーの皆さんに向けて情報発信しています。
以前のnoteで、
1 on 1での目標設定例をご紹介させて頂きました。
この会話では「何をする」だけでなく
「どういう状態でいる」という状態目標まで話題に上がりました。
そのアプローチ方法とメリットについて解説していきます。
このnote単体でもお読み頂けますが、
会話例全文は以前のnoteをご参照ください。
本人の心境をさぐる
改めて、
上司と部下の1on1での目標設定についての対話を振り返っていきましょう。
<前略>
ここの以前の会話では一体どういうことをするのか。という達成目標について中心に話が展開されました。
それだけで目標としては十分具体的になっているのですが、
さらにその目標を達成する本人自身の心境にどういった変化があるかについて話をしています。
心境を探る問いかけ
この会話を引き出したキーになっているのは、上司の「気持ちの面ではどう?」という質問です。
職場で仕事の話をしている時、
個人の心境が話題になることはあまりないでしょう。
人事的な話題ならまだしも、
通常は事業上の成果に対しての話題が中心になるのではないかと思います。
その為、
個人の心境というのは、本人の口からも話題にしづらいものです。
また、長年その環境に身を置くと、自身の心境について当の本人すら意識が向いていないことが多いのではないでしょうか。
この会話例では、
上司は部下の心境を会話の中で扱う為に「あなたの気持ちの面ではどんな変化がありますか?」と分かりやすく問いかけています。
本人のプレッシャーに周囲も敏感になる
ではそのメリットとは一体どういうものでしょうか。
まず、この会話からは
部下が心理的にかなりプレッシャーを感じていると推し量ることができます。
プレッシャーそれ自体は悪いものではありません。
しかし、人によって心地よいプレッシャーは異なります。
自分にとって良いプレッシャーか、それとも自分を潰し得るプレッシャーか。
自身が抱えるプレッシャー自体に敏感になることは、本人にも上司にとっても適切な成長を促す意味で大切なことです。
些細な幸福感に目を向ける
この会話にはもう一点ポイントがあります。
それは部下の心の余裕についてです。
昼休憩でリフレッシュしたり、余暇で趣味を楽しんだり。
こういった類のことは、正直組織側からするとどうでも良いかもしれません。
しかし、本人にとっては地味ですが日々の幸福感を得る為に大切なものです。
この部下は現在、毎日プレッシャーを感じ、余裕もなく少々無理して頑張っている状態のようです。
半年頑張って走り抜けた先に、
成長し幸福感を感じる日々があることを再認識することで、この半年に対してのモチベーションは大きく変わってくるでしょう。
一方この認識がないと、
余裕のない日々にやがて疲れ果て、働く意味を見失ってしまうかもしれません。
本人のありたい姿を描く
本人のありたい姿、いわゆる状態目標というのは、一般的に組織の側からするとあまり重要視されません。
組織にとっては、
どういった価値に繋がるのかいまいち分かりづらいからです。
しかし当の本人にとっては、時に達成目標以上に重要な意味を持つものです。
個人的には、
本人が願う状態目標にモチベーション高く邁進することで、結果的に組織の新たな領域を広げ、大いに価値を届けてくれると信じています。
ぜひ、この状態目標についても周囲の人と話す機会をとってみて頂けると嬉しいです。