運動なんて嫌いだと、長縄大会に雨乞いをしていたのに
「長縄嫌やから早く大人になりたい!」
これは私の小学生からの口癖。
回る縄に飛び込むというあの行動にとても恐怖を感じていて、そのうえクラス対抗なんかになると特に苦手だった。
毎年クラス対抗長縄大会の練習の時期になると、毎日のように逆さまのてるてる坊主を黙々と作っては、カーテンレールにぶら下げて、練習も本番も中止になるように雨乞いをしていた。
長縄大会が終わる頃には、私の部屋のカーテンレールは逆さまのてるてる坊主の満員電車。
私は幼い頃から運動音痴で、唯一習っていた水泳だけはできるけれど、それ以外はことごとくできなかった。走ることも蹴ることも、投げることも、全てが苦手だった。
だから1番苦手な科目で、そして大嫌いな科目は体育。周りに何と言われようと体育。
そんな私が高校生になると、不思議なことに体育が楽しみな教科へとランクアップしたのだ。
その理由が当の本人ですら不思議でたまらなかった。つい最近まで。
だって、私は運動が心底嫌いなのに!
でもそんな謎の糸は、青空から降り注ぐ光に目を細めながら乗る自転車の上でするするとほどけていく。
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